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【SS】美しい声 #毎週ショートショートnote

10/30-11/5  お題 音声燻製 410文字


「男性はいいなぁ、声変わりするから新しい声を手に入れられてさぁ。私たち女性は変わらないのよね。私は私のこのハスキーな声が嫌いなの」
「うーん、そうだね。でも女性だって手がないわけじゃないと思うよ」

恋人同士の愛莉と雄二が話をしていた。雄二は古い図書館から借りてきた埃だらけの本を取り出して声を変える魔法が書いてあるページを開いて愛莉に見せた。

そのページには、透き通る様な声に変えてしまう方法というタイトルで音声を燻製にしてしまう方法が記載されていた。その本によるといろんなハーブをすりつぶしたものと重要な薬剤で調合された粉を桜の木のチップと花水木のチップを混ぜて燻した煙を声帯に当てるのだそうだ。一番重要な薬剤はカエルの心臓を乾燥した粉末とコオロギを乾燥させてすりつぶした粉らしい。雄二は愛莉に問いかけた。

「どうだ、すごいだろ。愛莉が声を変えたいって言ってたから探し出したんだ。材料を揃えてあげるから試してみるかい」

「無理」

410文字


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