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【No.12】報告のタイミング@こうならいいなサラリーマン劇場

 サラリーマンの世界で起きているかもしれないことをドラマ風に綴ってみたいとおもいます。内容は架空の話ですが、思い当たることがあれば要注意ですよ。それから、この劇場の結末は「こうならいいな」という内容で終わります。なので、現実界とは少し違うかもしれません😊

 それでは、幕を開けてみることにしましょう。


サラリーマンの世界では、報告、連絡、相談が大切とよく言われる。略して報連相と言われているのは周知の事。言われてみれば当たり前の事なのだがなかなか徹底できない。なぜか? 周りの雰囲気がそうさせているケースもあるのではないだろうか。あるシステム運用会社で発生した例を見て考えてみよう。

天の声

 プロジェクトリーダーがメンバーを集めて指示を出している。
「みんな、役割は理解していると思うが、緊張感を持って作業をしてくれよ。これからの移行作業を経て本番稼働が可能になるんだ。決して失敗しないように。失敗は全員に迷惑をかけることになるからな。それに全員がそれぞれ自分の仕事に責任を持って進めるように。余裕もないだろうからやたらと先輩に聞いてまるようなこともないようにしてくれよ。わかったら、作業を開始しよう。今日明日が勝負だ。ではよろしく。各自持ち場に戻って作業してくれ」
「はーい」
 若手の山本くんの役割は、テストで入れていたデータを消して、本番で利用するデータを入れることだ。若手なので、最も簡単な仕事を任された。事前にリハーサルも実施して準備万端だ。
 その時、先輩から急な依頼が入った。
「山本、最後にもう一度テストしたいから、データ削除はちょっと待っててくれ」
「わかりました。じゃあ、OKになったら連絡をお願いします」
 それから山本くんは先輩からの連絡を待った。その間に本番環境から抜けてテスト環境に入り直し、内容を再確認していた。そこに先輩からGOサインがでた。急に言われてちょっとあせった山本くんは、急いでデータを削除するプロセスを流し、その後本番用のデータをロードした。特に何も問題なく終了したので「終了しました」と報告をした。しばらくして山本くんは処理する環境を切り替えていなかったことに気づいた。そして焦った。仕方ないので、急いで本番環境にアクセスし、データを消して本番用データを入れ直した。ほっとした山本くんは安心した。
 山本くんが本番データを投入した後に実施するプロセスが先に実施されてしまっていたことを山本くんは知らなかった。

 最後の稼働確認で本番データが壊れていることに先輩が気づき、修復のために今回実施した作業を全て元に戻し、本番稼働は延期となってしまった。 



どうでしょうか。ありそうなことですね。焦る気持ちもわかるし、再処理して正常に終われば何もいいたくなくなる気持ちもわかりますが、ちょっとだけどんな影響があるんだろうと考えていたら結果は変わっていたかもしれませんね。それに相互補完するような体制ができていれば作業ミスも発見できたかもしれません。では、そんなことを考えられたプロジェクトの例をみてみましょう。

天の声

 プロジェクトリーダーがメンバーを集めて指示を出している。
「みんな、役割は理解していると思うが、緊張感を持って作業をしてくれよ。これからの移行作業を経て本番稼働が可能になるんだ。決して失敗しないように。失敗は全員に迷惑をかけることになるからな。それに全員がそれぞれ自分の仕事に責任を持って進めるように。しかし、そうは言っても予期せぬ出来事が起きるかもしれない。予定外の依頼や出来事があった場合は、てを止めて全て報告をあげるように。結局はそうすることが安全に作業を進めることになるからな。それからそれぞれの作業終了確認は、事前に組んだペアで必ず実施すること、いいね。じゃあ、みんな作業に入ってくれ」
 若手の山本くんの役割は、テストで入れていたデータを消して、本番で利用するデータを入れることだ。若手なので、最も簡単な仕事を任された。事前にリハーサルも実施して準備万端だ。
 その時、先輩から急な依頼が入った。
「山本、最後にもう一度テストしたいから、データ削除はちょっと待っててくれ」
「わかりました。じゃあ、リーダーに報告しておきます。OKになったら連絡をお願いします」
「リーダー、山本です。先輩がもう一度テストするらしくデータの入れ替えは少し待つことになりました」
「そうか、わかった。テストの件は聞いている。じゃあ、山本くんは、先輩から連絡が来るまで、こっちの仕事を手伝ってくれ。変更になった作業の記録を残さなければならないから」
「わかりました。このスケジュールが記載されたEXCELのリストに変更点を追記しておきます」
 テストを実施していた先輩からGOサインが出て、山本くんはリーダーに追記した箇所を報告して自分の作業に戻った。そして、何事も問題なくテストデータを消して本番データをロードし、作業が終了した後先輩に結果を確認してもらった。

 こうして無事に移行作業は完了し本番を迎えることができた。


 さあ、この二つのケースの違い、わかりましたか。報告のタイミングもさることながら、きちんと計画されている時は、「計画外の作業をしない」ということが重要ですね。勘違いや思い込みを誘発してまったりしてしまいます。また、最初のケースでは、環境を間違って処理したことに気がついた時に報告していれば、また違った結果になっていたかもしれません。

 チームで仕事をする時には自分の判断だけで行動することが予期せぬ結果を招くこともあります。判断するために考えることはいいことですが、独断で行動しないように気をつけたいものです。



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