つみのかじつは夢をみせる【編集版⑬】

 明日は!ついに!ライブ!の前に今夜もこれを投稿したら「宴会」のアーカイブを見直そうと思う。そうしないと明日画面というフィルターがない状態で長岡亮介にも三浦淳悟にも会えそうにない。ドラムの河村俊秀には目を慣らすことが出来ないので、ちゃんと見れるか、そこだけが心配である。

 昨日の続き。今日のテーマソングは「労働者」。この文章はテンポ感が好きだなと読み返していて思った。

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働くということ~「労働者」~

 今日もアルバイトだった。しかも昨日あった筈の理事長臨店がなんだか今日の昼過ぎ頃に延期になっていて、実はその前も昨日の17時くらいだと前々から予告があってそれが18時に変更になった、そのうえで来なかったらしいし今日に変更になったというのだから、その話を聞いた時上司に思わず「それは人として大丈夫ですか」と尋ねてしまった。普通にありえない。それを許容出来たらきっと大人なのだろうけれど、許容してしまったらダメな気がする。まあとにかくそのせいで朝から本部の社員が売り場づくりを手伝いに来たりして、朝からバタバタしていた。私は理事長臨店に立ち会うことはなかったし半分他人事なのだがそれでも店は普通に営業するし、ただでさえ忙しい火曜日なのだから余計な手間は省きたい。なのにどうしてこう売り場を作る人が増えると自分が思う通りに動けないのか。うんざりする。自然と包丁が立てる音も大きくなるしああ早く帰りたい、ここから抜け出したいとそればかり考えてしまう。でもそれが労働、働くことだと言われたらちょっと口をつぐんでしまう。今はアルバイトだけれど来年の春には社会人として働かなければならない。なんということだ。もう半年と2カ月ほどしかないではないか。そんなのあんまりだ。
 ……つべこべ言ったところでドラえもんが急に現実世界に普及して時間を操る感じのひみつ道具を与えてくれたり、時をかける少女みたいな能力が備わったり、はたまたエヴァンゲリオンも太刀打ちできないような使徒が襲来してきてもろとも吹っ飛ばしてくれない限り、それはもう絶対起こる未来なのである。逃げられない。そういうことを毎朝考えて重い腰をようやっとあげて、続きはどうなるのかな、早くモネと菅波先生くっつけばいいのになあと家を出る前に観ていた朝の連続テレビ小説の感想をTwitterで呟いてヘッドフォンを耳に充て、「労働者」を再生する。
 「労働者」は2009年リリースの椎名林檎4枚目のオリジナルアルバム『三文ゴシップ』に収録されている曲で、これにはレキシが参加している。レキシと椎名の共演はレキシ2枚目のアルバム『レキツ』、それから椎名が客演した曲ばかりを集めた『浮き名』に収録されている「きらきら武士 feat・Deyonna」最初だと思う人も多いだろうが、実はこの曲が最初なのである。ちなみにDeyonnaとはレキシが椎名につけたレキシネームで「入り鉄砲に出女」が由来となっている。
 〈したいことだけしたい〉〈痛いのは余り好きじゃない〉〈辛いのは余り堪えられない〉サビにおかれたわがままなフレーズ。いいじゃん、我が儘。痛いのもつらいのも好きじゃないし堪えられないのは当然でしょう?労働に関してもそうなのだ。だって人間だし。女性なんて一カ月のうち完全に元気!心身ともに健康!みたいな日って少ない。生理あるし。それ以外だって繊細なのである。なおのこと、多少のことは目をつむってくれとなる。
 ただ日本の社会システム上、どうしても「働くために休む」というより、「休むために働く」となってしまうのが現状だ。週休3日制とか導入されつつあるみたいだけどどうなのでしょう、あれ。ただでさえ給料の手取り少ないって度々ネット上でいろんな人が言ったりしているけど。とにかく理想の形を得て〈止め処ない充足〉まで手に入れるのは明らかに遠すぎる。
 〈一体いくら掛かるの 気持ち良い生活まで とても間に合わない 身体と時間が・・無い〉という歌詞も、今は学生でアルバイトだから良いけれど、この先学生という身分が無くなって、社会にでて働き始めたときには今以上にそう感じることが増えるのかなあなんて思う。社会人になった先輩たちをみていてそれを強く感じるときがある。だからこそ、最後の〈お願い夢を見させて〉という歌詞が沁みる。
 この間、いつものようにこの曲を聴きながら、というかこの曲が入ったプレイリストをシャッフルで再生しながらアルバイト先に向かったのだが、丁度この曲の〈悪いのは何奴だ顔見せな〉のところでタイミングよく入り口を開けたらあまり好きではない人がそこにいて、一人になってから思わずちょっと笑ってしまった。奇跡。こんな奇跡なんかちょっと嫌だけど。でもなんか面白かったから良しとしよう。人とは単純なものなのである。
 ああ、明日も朝からアルバイトだ。

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つい先日、4年間続けたアルバイトを退職した。春からは社会人。バイト先の(働いていた部門の)人たちはとても良い人たちばかりで、やめる時もたくさんのプレゼントと共に送り出してくれた。高校の同級生の名前は仲が良かった子以外もう殆ど覚えていないけれど、このバイト先のことは当分忘れないと思う。最初の二年間、寝坊で遅刻しまくってごめんなさい。

知識をつけたり心を豊かにするために使います。家族に美味しいもの買って帰省するためにも使います。