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Expectations を捨てる〜”And Just Like That ”50代もカッコいいぜ

(注:ネタバレ少々あり)
かれこれ20年以上前にハマっていた「Sex And The City」の続編「And Just Like That」のシリーズ2を観た。
日本で配信しているのはUーNEXTだけなので1ヶ月無料お試しに登録して1ヶ月あれば観れるだろうと思ったのに11話を全て2日で観てしまった。

そもそもSATC大好き。ニューヨークのイケてる30代〜40代の女性達がほとんど非現実的にお洒落なファッションに身を包み、でもとんでもなくリアルな恋愛と友情と人生の悩みを抱えて生きていく。

「ニューヨークであんな高い靴や服を着て豪華な家に住んでる人たちなんて、とても共感できない」と昔、知人が否定的に話すのを聞いたことがあるが(でもその知人はさる自民党超大物議員の孫娘でリアルセレブだったのもこっそり面白いのだが)このドラマは非現実的なお洒落や素敵な生活を楽しんでいる設定だからこそ成り立つドラマだ。

だってユニクロとGUで身を包んだ中年女性達が、やっと終わった!と思っていた生理が突然やってきてお尻を赤く染めてしまったり、夫にBlow Job(ここでは日本語訳は控えます、調べて下さい笑)をしている所をティーンの娘に見られて焦ったり、バーで知り合った素敵なおじさんとベッドインしたらEDポンプを持ち出したり、そんな話の展開のドラマ誰も観ないでしょ。

設定はとても非現実的だがストーリーはとてもとてもリアルだ。
誰でも一度や二度(三度や四度、、)経験したことのある、恋人としての娘としての妻としての母としての(同様に夫としての父としての)葛藤と笑い、悲しみや喜びがあちこちに散りばめられている。

かつて30代でカッコよくニューヨークを楽しんでいた同じ俳優達が同じ配役で50代のリアルを演じる新シリーズは同世代に強いメッセージを送っている。潔く脱いでセックスシーンを(相手が異性だろうが同性だろうが)バンバン見せる彼ら彼女達には脱帽だし、衰えた肌や身体のラインも、フォトショップで修正が当たり前の今の世の中ではかえってカッコいい。

シリーズの最後のエピソードでは、突然未亡人になって落ち込んでいた主人公のキャリーが思わぬ新展開で、長年愛着を持って住んだアパートを引き払うことに決め、親しい友人達とアパートで最後の晩餐をする。
(このアパートもファンにはたまらない愛着の場所だ)
食事の前にキャリーがテーブルのみんなに一言ずつ「何を手放すか」決意を語ろうと提案する。

何を手放すか。
恐れ、罪の意識、独占欲、リミット、テーブルを囲んだ登場人物がそれぞれのエピソードを背景にグッとくる言葉を口にする。

そうなのよ、50代は何を得るかではなく、何を手放すか、なんだよ。

そしてキャリーはこう言う。
「私はExpectation 期待を手放す。夢を持たないと言っているのではなく、こうなるだろうと予測をしない。だって人生何が起きるか誰も分からない。自分が思っているよりもっと素敵なことが起きるかも知れないんだから」

ヨガじゃないか!

ヨガも続けてかれこれ30年にもなると小賢しくなり臆病になる。
「今日も同じ太陽礼拝」「どうせこのポーズはできるけど、このポーズは一生無理」って思ってしまう。年取ってくると痛いの嫌だし怪我も怖いし。

もちろん50代にもなると30年前と同じプラクティスはできない。
そこでも「何を手放すか」なのだ。
カッコいいポーズもブラトップも競争心も見栄も、と同時に恐れもリミットも期待も。

何十年続けていても毎日のプラクティスは新しいし
そこで発見するのは期待を大きく裏切って
予想だにしなかったような自分だったりもする。

(実のところ、ここだけの話、30年、ヨガを続け瞑想を続けてきて
「え?あり得ん!ヨガ最強!」とやっと最近気が付いた。
今頃かい?!)

それに自分が50代後半になってみて、50代というのは若い頃に想像したような年齢では全然ないんだな、と驚く。一昔前に世間が思い込み、また思い込まされた50代とは全然違うのだ。その気付きに太鼓判押して再認識させてくれるのはもちろん「And Just Like That」である。

(恐らく60代も70代も80代も違うんだろうなあ)

もしもあなたが50代ってつまらない、と思っていたらぜひ観て欲しい。
もしもあなたがあれも欲しい、これも欲しいと諦めきれなかったらぜひ観て欲しい。
もしもあなたがどうせ人生ってこんなもんでしょと思っていたらぜひ観て欲しい。

それからもしあなたが「私はヨガを知っている」と思っていたら
ぜひ我がスタジオに来てみて欲しい笑 




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