onetrackm1nd

世田谷生まれ、横浜育ち。2009年〜大阪にて勤務開始、2018年〜チェコ共和国ブルノ市…

onetrackm1nd

世田谷生まれ、横浜育ち。2009年〜大阪にて勤務開始、2018年〜チェコ共和国ブルノ市で働いています。 カルチャー全般、特に音楽・映画・ファッションの流行を追うのが大好きです。モットーは「Luck is no accident!」。

マガジン

最近の記事

What We Wanted (澳, 2020) - 退路を断つ

※一部、ネタバレを含みます。 不妊治療を続けながらも、結果が出ない日々を過ごすアリスとニクラス。2人は休暇にイタリアのサルデーニャ島を訪れ、心身の疲れを癒そうと試みる。ところが隣の部屋に宿泊する子連れの家族がどうも気に障る。次第に苛立ちを隠せなくなる2人。山登りの山頂でついに2人は感情をぶつけ合ってしまう… 美しいサルデーニャ島の景色とは対照的に、残酷な現実と人間関係が静かに紡がれていく、文学的な作品。キラキラとした華やかなセレブのSNSにあるような世界観とは真逆を行くよ

    • The Dig (2021, 英) - 非情な現実の中で生きるということ。

      第二次世界対戦直前の英国。裕福な未亡人プリティ夫人がアマチュアの考古学者ブラウンに私有地の調査を依頼。そこには古代の船舶が埋まっていた。世紀の発見を嗅ぎつけプロの考古学者たちが動き出し、ドイツとの戦争へ流れて行く英国の情勢、心臓を病みもはや長くは生きられないと悟るプリティ夫人とともに物語は不安定に進んでいく… プリティ夫人を演じるキャリー・マリガンの演技が素晴らしい。献身的に亡き夫の墓に花を埋ける妻の顔、ブラウン氏になつき発掘作業や天体観測に夢中になる息子を暖かく見守る母の

      • コロナ禍での変化と孤独に向かい合うあなたへ 〜今触れるべき作品5選〜

        2020年もあっという間に半分が終わりました。本来この2020年は新たな10年の幕開けとして、東京オリンピックが開催される年として記憶されるはずでした。ところが実際には、COVID-19、通称コロナウィルスの世界規模での流行と、アメリカで白人警察官がジョージ・フロイド氏を殺害したことに端を発したBlack Lives Matter再燃により世界史上でも稀に見る混沌の最中にあります。 私事になりますが、チェコ共和国で赴任している中で経験したこの変化は当然ながら人生観が変わるイ

        • 「オーセンティック」の時代 → 無理をしないということ

          アイロンがけをしながらGimletのポッドキャストを聞いていた日曜日。ある番組では「Victoria's Secretが販売減を理由に売りに出される」との報せがあった。 曰く、大掛かりなランウェイショーでポップスターとスーパーモデルを豪華に使い、長い間セクシーを定義してきた同ブランドだったが、ここ数年セクシュアルハラスメントにまつわる問題や、浮世離れしたセクシーの定義付けに批判の声が上がり始めていた。それでもブランドイメージを崩すことなく経営を進めてきたが、とうとう株式の5

        What We Wanted (澳, 2020) - 退路を断つ

        マガジン

        • 02Movie_Review
          1本
        • 01 気候変動
          0本

        記事

          Mura Masaが描くティーンの気持ち

          昨年グラミー賞を受賞したMura Masaの新作が凄まじくかっこいいので思わず筆を取りました。 1曲目のタイトル通りRawなギターやドラムのサウンドがこの2020年にとっても新鮮に響きます。かっこいい曲が目白押しなのだけれど、中でもラッパーSlowthaiとのコラボはいかにもUKなクセの強い1曲で、The Streetsの2004年の傑作『Grand Don't Come〜』を思い出さずにはいられません。 アルバムリリース前に公開されてきたMVの数々も見応えあり。El G

          Mura Masaが描くティーンの気持ち