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とある幸せな夜のはなし。



薄っすら明るくなりはじめた空を
街中で見上げたのは、いつぶりだろう...



赤提灯のぶら下がるお店で
他愛のない優しくて容赦のない話しを
親友達としたのも数年ぶりの出来事だった。


お互いにお互いの悩みに寄り添うけれど
同じ立場ではないし親友といっても他人だ
というスタンスを崩さないのも心地いい。

優しさと甘やかすの違いがわかっていて
適材適所で使いわけるし
誤解したくないしされたくないから
核心を突いた事を躊躇なく言うところも好き。

私が子どものように
わがままを言える友人は唯一この二人。


家族以外にわがままを言える場所があるのは
もうひとつの帰る場所があるみたいで
心の支えになっている。


母親だから早く帰らなくていいの?とか
旦那さんはいいの?とか
よく聞かれることをあえて言わなかったのは、
私自身と私の家族をよく知っているのもあるけど
二人なりの優しさなんだと思う。

気づけば10年来の仲になった私達
好きだから居心地がいいから一緒にいる。
それに尽きるのよ..
それ以上でもそれ以下でもない関係で
これからも変わることはない。


始発の電車に揺られながら、
酔っ払いから奥さんとお母さんに戻っていく。
日常へ帰っていく。

                  ito.


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