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白日夢のような場所


夏の太陽の容赦ない熱が石畳みに反射して
まさしく、うだる暑さの八月中旬。


私は倉敷美観地区に来ていた。

前回訪れたのは、結婚したての五年前の夏
今回と一緒でお盆休みの帰省ついで

数年越しに、ここを訪れたのは
時間の都合で断念した
大原美術館へ行くためだった。


川の両側に柳の木の揺れる石橋を渡り
神殿のような立派な正面玄関を通り抜けると

そこには、
様々な時代の色々な場所で生まれた作品達が
手を伸ばせば届く場所に展示されていて
館内を歩いているだけで
時間旅行と世界旅行を同時にしているような
気分になった。


モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ピカソ


言わずと知れた巨匠の彼らを
まるで古くからの友人のように感じるのは
原田マハさんの作品に触れ、
作品の中の彼らが私の中で生き続けるから
なのだろう。


教科書や本の中で出会った彼らの絵画が
目の前に展示されている。
しかもそれらが
一人の日本画家が収集したものなんて
それこそ物語の中の話しみたい。

数年越しにここを訪れてよかった
この数年でマハさんの作品に出会い
絵画やその作者である画家たちに
興味を持ってこの場所に来れてよかった。
そんなことを思いながら、

夢をみているような気持ちのまま
館内を歩き進め、
大原美術館をあとにした。


                ito.

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