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沖縄のスポーツ産業の可能性

代表理事 石塚 大輔

今回のテーマは、沖縄のスポーツ産業の可能性。
私のバックグラウンドを紹介するとともに、沖縄のスポーツ産業の可能性について記していこうと思う。
私は2003年、東京でスポーツ振興やスポーツ産業などのプロジェクトを企画プロデュースする会社の創業に関わり、民間、自治体などのスポーツ施設の活用やスポーツをフックにした地域活性化、地域P R、地域課題の解決などに取り組んできた。
このような活動を続けていると、より地域へと目を向けることが多くなると同時に地域から日本を元気にすることができればスポーツの可能性はもっと広がる、と強くそう思う。

そして、2015年にスポーツビジネスを地域からアジアへの展開を考えていたが東京で成功したモデルを海外へ展開するのではなく、地域の資源を活かして、地域から海外へ発信することもできるのではと思い、台湾、沖縄へそれぞれ法人を設立した。
このような形で日々活動している中で見えてきた、沖縄の優位性に注目してみた。

一つは、沖縄の地理的優位性だ。沖縄を中心とした世界地図があるのはご存じだろうか。
その地図は沖縄から東京、沖縄からアジアへの距離を示している。
沖縄から東京は2時間30分、札幌へは3時間20分に対して、台湾へは1時間10分、タイへは4時間30分という距離にある。

[沖縄県ホームページより]

沖縄を中心すると東京や札幌だけでなく、台湾やタイなどアジアの主要地域へのアクセスもいいことがわかる。このことから、日本は沖縄をアジアの玄関口(ゲートウェイ)と位置付けているが、スポーツ産業にとってはどのような可能性があるのだろうか。
韓国や台湾では野球、中国やタイなどはサッカー、フィリピンはバスケ、インドネシア、台湾、中国はバドミントン、卓球は中国、台湾、香港、シンガポールなど地域特性が明確である。東京にいることで世界との距離は近く感じていたはずが、沖縄にいることで物理的な距離の近さに優位性があることに気付く。一方、東京には様々な競技団体をはじめ最新の情報が集まる、すなわち世界との情報、最新技術などのネットワークがある。
そのネットワークをしっかりと構築して沖縄へ持ち帰り、アジアへ届ける、沖縄型のアジア展開が地域から発展することをサポートし、自分ごとに置き換えることが重要だと気付く。

もう一つはアジアから見た「Okinawa」だ。台湾をはじめとするアジアとは移動距離が短く、新型コロナウィルス感染症が流行する前は沢山の観光客が押し寄せていた。
なかでも富裕層の存在は今後、「Okinawa」のスポーツ産業にとって大切だと思う。
この印象を強く抱いたのは、フィリピン・マニラの南に位置する、THE FARMを訪問したときだった。ここは、壮大な自然の中に溶け込んだ施設で、自然療法を通して健康増進を図る様々なアクティビティが用意されている。

THE FARM
THE FARM

沖縄でもスポーツ観戦や、アクティビティ、教育などはもちろん、コンディショニングやリカバリーなど今までになかったサービスをかけ合わせて開発することが重要だと思う。

さらに沖縄の優位性は温暖や気候に加えて、スポーツ施設の充実がある。
県内にはプロ野球やJリーグなどトップアスリートからアマチュアスポーツまで様々なキャンプや合宿が行われており、その施設も県外には引けを取らないスペックだと思う。
ここ数年、様々な施策や予算活用が行われ、その成果として施設環境が充実したことは間違いないだろう。そして、可能性という観点から次のステージへ向かう絶好のタイミングだと思う。

「ハード整備から稼ぐソフト整備へ!」

これは、温暖な気候と充実した施設、プロ・アマを問わないアスリートやチーム、そして応援する自治体や企業スポンサーなどを巻き込んだソフト開発が必要ということだ。例えば、種目特化型の施設は行うスポーツが限定されやすい傾向にあるが、これからはコンディショニングやリカバリーなど種目横断型の利用方法に着目することで可能性が一気に広がると思うし、この分野は一般向けのヘルスケアサービスなどにも置き換えることができるため、波及効果も期待できる。

次回は新しいスポーツ産業の可能性をキーワードに「学校部活動の地域移行」について記していきたいと思います、それでは次回もお楽しみに!!