エレベーターですぐに下座に入れる人はサッカーが上手くなる、という話。
ご無沙汰してしまいすみません…。
前回のnoteを多くの方が読んで下さり、あのnoteのおかげで同じ意思を持った人と新たな出会いも生まれました。
発信することでいろんな人の心を動かせて共感を得て、新たな出会いが生まれ、仲間を増やして新たな価値観を得ることもできました!
あくまで私の勝手な思想ではありますが、微力ながらでも誰かの力になれるのであれば続けようと思ってます。
といことで、これから書く第2弾もぜひ読んでいただけたら嬉しいです!
■エレベーターの下座ってなに?
まずここからいきましょうか。
いわゆる席次ってやつです。
会議室や社内、
食事の場でも席次があるように、
エレベーターにも席次があります。
新入社員研修会などを受けたことがある方はご存じかと思います。
まだ学生であったり今までそういった機会がない方は知っておくと「気の利く子だな」、「スマートな人だ」とかっこよく見られると思いますよ。
エレベーターの席次はこんな感じです。
数字が小さいほど上座(目上の方や年長者の方)になります。
細かいことは端折りますが、基本的には
『末席の人が操作する』
『出入口に遠い場所が上座』
『左上右下(左が上座、右が下座)』
と覚えておけば大丈夫かと思います。
■日常でのエレベーター利用場面
日常の中でのふとした場面というくらいな感じで考えてください。日常におけるエレベーターの利用って食事会や会議のように誰がくるのか事前にはわかりませんよね?
それに、決してマナーを徹底しろ!と言っているわけではありません。マナーはルールではなくあくまでマナーですので。
優先席を譲るなどといったあくまで人として最低限必要な感覚ってくらいです。
そういった感覚で考えてください。
ついでに話しておくと、、、
マナーを守ることが偉いってのはおかしくないですか?
例えば!
気になる相手とのファーストデート、少し自分が無理してでも立ち居振る舞いや行動は普段と違うはずです。
なぜなら相手に良く思われたいから!ですよね?
相手や自分の立場や地位を守りたいから気を張り巡らせて身体が行動を起こそうとしますよね。
サッカーで言えば、
仲間やチームのために自分が貢献するという想いやチームの一員として信頼を得るためならば多少しんどいことでも最低限やるべきことに対して身体が勝手に動くと思うんです。
相手のため、そして自分に跳ね返ってくるものを考えれば当たり前の行動っていうのがマナーだと私は思うんです。跳ね返ってくるものというのは決して見返りを求めてるわけではなく、周りからの信頼だとかそういったものです。
だからマナーを守るのが偉いってのはなんか違うんだよな〜
というわけで話がそれましたが元に戻します、、、(笑)
ですので…今回の話もきちっとした席次を気にするのではなく、
"自分がどこに入って何をするか"
という部分にフォーカスを当ててもらえればいいかなと。
エレベーターがくるまでの時間、
来た時、
乗った後、
"何を考えて、何を見ているか"です。
■プレー中にボールを受けるときの基本
「ボールが来る前に周りを観ろ!」
誰もが一度は言われたことあると思います。
指導者の方でも誰もが一度は発したことがあるでしょう。
では「周りを観ろ!」という意図はなんですか?
個人的には、
『情報を得る』
ということだと思ってます。
プレー中、ボールを有意な状態で受けるためには情報を得ることが必須です。
よく言われる情報材料、そして判断材料としては以下のものですかね。
【プレー中にボールを受けるための基本】
・スペース(受ける場所、逃げる場所)
・相手の位置や状況
・味方の位置や状況
→これらを"ボールが来る前に観察し、その上で判断する"
細かいことをいえばきりがないので代表的なものを書きだしました。
これらの情報を元に
・自分がいま受けられるのか受けられないのか
・どこでどのように受けるべきなのか
・受けた後、受けれなかった後、どこでどういったことをすべきなのか
を判断しますよね。
では情報を得る力(周りを観る力)ってどうやって練習しますか?
■情報を得る力の獲得方法
①サッカーにおける場面(ONの場面)
→リアリティの高いトレーニングの中で体感しながら獲得
→反復練習で観るという動作を習慣化して自然体にしていく
②日常における場面(OFFの場面)
→状況を置き換える、観て判断する力を習慣化し自然体にする
基本的にはこの2つです。
ONでのトレーニング内容は様々ですし、指導者であれば常にそういった場面を描きながらオーガナイズすると思います。
ですが、24時間の中でONの場面は基本的には2時間程度。ましてや観る動作はあったとしても実際に相手がいて判断を伴うトレーニングは2時間のうち1時間半あるかないかですよね。
睡眠時間を8時間とした残り14時間がOFFの場面になるわけです。
ここで前回の記事でお話しした
日常とサッカーをリンクさせる力
が観て判断する力の獲得の差を左右します。
■エレベーターの下座に入るたの基本
先ほどはプレー中にボールを受けるための基本として下記のものを書きだしました。
【プレー中にボールを受けるための基本】
・スペース(受ける場所、逃げる場所)
・相手の位置や状況
・味方の位置や状況
→これらを"ボールが来る前に観察し、その上で判断する"
ではエレベーターで下座に入るための基本とはなんでしょうか。
答えは簡単です。
"エレベーターが来る前に状況観察し、その上で判断する"
→状況が違うだけであってすべき行動や思考はプレー中と同じ
確かにサッカーのようにスピード感はない。
でもエレベーターのドアが開き、ドアが閉まるまではなにが起こるか予測不能ですよね。
そこには周りを把握し観察する力と判断力が必要とされるはずです。
・エレベーターのドアが開いた瞬間の中の状況
→スペースの把握
・一緒に誰が待っているのか、後ろから誰が来ているのか
→相手の位置や状況
・一緒に乗る人の中での自分の役割の把握
→仲間の位置や状況
これらの情報や条件によって
・自分がどこに入るべきなのか?
・乗ったらどうするべきなのか?
・むしろ乗るべきではないのか?
を判断するようになるはずです。
「そんなの当たり前だろ」と言う方もいるでしょう。
でもですよ、毎回できますか?
恐らくその道のエキスパートであるエレベーターガールであっても「あっ、、、」となることはあると思います。
それがサッカーでも起こりうる判断ミスということなんです。
疲労であったり、
油断であったり、
自分への甘えであったり、
要因はそれぞれです。
要因をあげてみてもやはりサッカーと共通するものばかりですね。
『私生活はプレーに出る』
『部屋の乱れは心の乱れ』
『小さなごみを拾える選手は小さなチャンスも拾うことができる』
昔からそういった言葉が現場で飛び交っていることの本当に意味を引退する前から選手が実感すべきなのです。
■状況を置き換える力
日常とサッカーがリンクしてくるのはイメージついてきたかと思います。
次のステップとしては、
"状況を置き換えていく力"
それの例として挙げやすかったのがエレベーターの話だったので、今回取り上げました。
例えばこんな状況があるとします。
Q.次の状況ならばあなたはどういった行動をとりますか?
5階建ての建物で、1階にエレベーターがとまっています。あなたは2階でエレベーターを降りる予定です。後ろからエレベーターに向かって同じく2階で隣に住む高齢の男性が杖をつきながら歩いてきています。あなたはエレベーターのどこに入り何をしますか?
A. 操作盤のある位置に入ってボタンを操作し、安全に乗降できるようにする。
<解説>
・1階にエレベーターが止まっている
→すでに乗っている人は誰もいない
・後ろから同じ階に住む高齢の男性が杖をついて歩いてくる
→エレベーターに乗ろうとしているのならばという準備
→他に誰か来るのか?来ないのか?という配慮や予測と準備
→安全に乗降できるよう配慮(思いやりが自然と身体を動かす)
ではサッカーの状況に置き換えてみます。
男性を相手と見立てるか味方と見立てるかはどちらでも構いませんが今回は味方で考えます。(どちらでも構わないというのはあくまで判断材料であるからです)
Q. 次の状況ならばあなたはどういったプレーをしますか?
ボール保持者に今はまだ余裕があり、自分のパスコースに相手はおらず十分のギャップがある。
(…1階でエレベーターが止まっていて誰も乗っていない)
ボール保持者に対し相手は右からプレスをかけようとしている。現時点自分に対して相手のマークは定まっておらず曖昧である。
(…これからなにか変化があるかもしれないという予測と準備)
後ろから見方が次の空いているスペースに動き出している。
(…後ろから同じ階に住む高齢の男性が杖をついて歩いてくる)
A. 今いる空間(スペース)とタイミングが最適だと考え、ボール保持者には相手が右からきていることを伝えながら自分に出すようボールを要求する。見方がサポートに来ているのを把握できたらそれに対し相手がどう動くかによって空いているスペースへとボールを運んでいく。(相手がサポートの動きに対してつられたらターンして相手が動いて空いたスペースに運ぶ。相手がサポートの選手に対応できていなければその選手を使って有意にボールを運ぶ)
<解説>
・パスコースに相手はおらずギャップがある
→受けるべき空間が広くある
・ボール保持者がプレッシャーを受けそう
・マークもいなくて時間とスペースに余裕がある
→受けるべきタイミングは今である
・後ろから見方が次の空いているスペースに動き出している
→次のスペース(逃げる場所)の把握と予測。
誰がサポートに来てそれに対して相手がどう動くのか?のイメージを持ちつつ実際に観てプレーを判断する。
文面に整理して、さらにはこういったシンプルでわかりやすい状況と情報であれば判断は容易です。でもプレー中にフリーな状況でも慌てちゃう人っていますよね。
それは単に、
情報収集を怠っているか、自分を中心に何も考えずプレーしているかです。
では状況に余裕がある状態でエレベーターを待っているとき(サッカーでいえばフリーな状況でボールが来たとき)に慌ててエレベーターに乗ったりしますか?
日常でできていることがサッカーでできないのは何も考えずに生活しているからです。
少しでも日常とサッカーをリンクさせる意識や状況を置き換える意識があれば、日常では当たり前にできていることがサッカーでもできるようになることはあるかもしれませんよね!
“意識する”
ということには
“今こうしたのにはこういった理由がある”
と説明できるようになるはずです。
その理由があることがすごく重要なんです。
理由があるということは
そこには自分の判断があって責任もあるから。
■意識→無意識
“意識すればできる→無意識にできるようになる”
すごく地道なことですがこれがサッカー選手としても人としてもとてつもなく大切なことだと私は考えてます。
さらに言えばそれらを
“なんとなく。ではなく論理的に言語化できるようになる”
つまり、
無意識にやっているけど頭の中では整理できている
ということが本当と力の獲得の証拠だと思うんです。
無意識だけど、その行動に対してなぜ?と聞かれればすべてに理由を持っている。
そしてそれを答えらるようになるということが意識していたものが無意識にできるようになったということだと思うんです。
わかりやすいのがトッププレーヤーの試合後のインタビュー。
例えば、
Q.あのゴールについてどう考えますか?
1流選手の答えは、
「あの時ここに○○がいて、あそこに○○が動くのが見えた。こういったプレーをすれば相手がこうなるだろうと予測できたから僕はこういったプレーをした。ボールを受けた瞬間にGOALまでのイメージは描けてたね。」
なんていった答えを当たり前だろ?みたいな顔でさらっと話す。
では2流3流の選手の答えは?
「僕にボールがきたときたまたまコースが空いたから打ったら入ったんだ。周りのおかげです。」
こんな受け応えを聞いたことありませんか?
きっと2流3流の選手たちもそのゴールシーンの理屈はわかってると思うんです。
でも言葉にできない
ここにどんな差が生まれるかというと、
その過程でミスやズレが生じたときに修正できず、ただのミスで終わってしまうということです。
ただの連係ミスやパスミス、
ただのトラップミスというのはあり得ない。
そこには必ず過程があって必ず理由がある。
それを追求できるかということです。
どんなに小さなことでも、
正解はないけれど論理的な理由というのはいくらでも考えられると思うんです。私が今回書いたエレベーターでの状況、サッカーでの状況もただただ普通のことを文面化しただけです。
でもこうやって整理して比較してみると、どんな些細なことでもサッカーと日常の状況を置き換えることが可能だとわかりますよね?
“日常とサッカーをリンクする力”
“状況を置き換える力”
あくまで私の中での方法論です。
でも、方法はどうであれ簡単なことから頭の中を整理していくことでこういった自分なりの法則(理論)が見えてくると思います。
サッカーを軸に意識→無意識、そして論理的な整理の作業を行うこともいいでしょう。
その逆で、日常のできごと(ここでいうエレベーターのような話)から整理することも方法の一つです。
正解はないと思います。
むしろ、人それぞれどちらからリンク付けしてくのがいいのか得意不得意があります。
指導者や教育する側も、その人やそのチームに対してどちらからアプローチしていけば腑に落ちるか見定めることはすごく大切だと思うんです。
■エレベーターですぐに下座に入れたらサッカーは上手くなるの?
結論からいうと、
エレベーターの下座をとれるからってサッカーがうまくなるわけではありません。そんなことで上手くなったら誰もがエレベーターで下座の取り合いですよね(笑)
ただ、
日常をサッカーとリンクさせるということ。
状況を置き換えて考えられるということ。
それらを意識的から無意識にできるようになるということ。
そうやって整理がついてくると
言葉や場所、場面は違えど論理的な部分は同じだと気づけるはずです。
同じ練習をするとしても、
その練習の意図や意味を理解できたり、
同じ練習であってもそれぞれが
自分の課題やポジションに置き換えて
練習できるようになったらうまくなるよねって話です。
少しは伝わりましたかね、、、
まあなんてったって思考の言語化はすごく難しい、、、笑
でも少しでも伝われ!って感じです。笑
長々と語りましたが、読んでいただきありがとうございました。
また時間がある時、書きます!
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