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【ワンパブ・オープン社内報 vol.14】 編集・営業を経験して得た新しいビジネスの形。『学研キッズネット』を支える営業マンが見据える未来像とは

メディアソリューション部 学研キッズネットチーム プロデューサー 大槻剛史

【ワンパブ・オープン社内報】は、ワン・パブリッシングで働く人を通して、会社・雑誌・メディアが、いまどのような新しいことにチャレンジしているかをお伝えしている連載です。今回は、『学研キッズネット』の影の立役者、営業チームを支える大槻剛史さんにお話を聞きました。(所属や肩書は取材当時のものです)

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【社員プロフィール】
大槻剛史(おおつき ごうし)
2002年:株式会社学習研究社 入社
入社後は『BOMB』編集部に配属となり、月刊誌に加えて、写真集やトレカ、DVDの編集を担当。その後、『TV LIFE』の別冊、『POTATO』などエンタメ誌を渡り歩き、編集最後の現場『GetNavi』編集部へ。
2010年:広告部の新規事業開発室へ異動
以来、『FYTTE』などの女性メディア、WEBメディアを中心に、クライアント営業、EC・物販などの新規事業で営業経験を積む。現在は、『学研キッズネット』のプロデューサーとして、事業拡大をはかっている。


入社20年。一風変わったキャリアと営業形態が強み

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―大槻さんが入社されて、来年で20年ですね。編集と営業、おおよそ10年ずつ経験されているということですが、まずはいま担当している仕事内容について教えてください。


現在は、『学研キッズネット』(以下『キッズネット』)のプロデュース業務を担当しています。メディア会社の営業は、B to C(一般消費者へ物やサービスを提供すること)と、B to B(企業に対して物やサービスを提供すること)の大きく2つにわけられます。2010年に広告部に配属になって以来、私の場合は主に後者に携わってきました。


もともとは、クライアント(広告主)から費用をいただいて、自社の媒体にタイアップ広告・純広告を掲載するという広告営業が中心でした。現在はそこから派生させて、ワンパブの媒体の運営や商品開発で培ってきたノウハウをフルに活用し、クライアントのさまざまな課題解決に応えるソリューション営業を積極的に行っています。ECサイトや物販などの新規事業も経験してきているので、いわゆる一般的な広告営業とは少し違った立ち位置で営業をしてきたかなと思います。


―「ソリューション営業」とは、具体的にはどんなものがあるのでしょうか?


『キッズネット』で言えば、学校現場で先生に使ってもらえるような教材をクライアントと一緒に作ったり、クライアントの公式サイト内にキッズ向けのスペシャルコンテンツを作ったりして、企業の課題を解決するような仕事が多いです。いわゆる企業のCSR(社会的責任、社会貢献)を目的とする仕事が、ここ数年急激に増えています。


―なるほど。確かに、これまでの「広告ページ」を販売するような営業とはひと味違いますね。ちなみに、編集と営業の両方を経験してきたからこそ、いまに活かせていることがあれば教えてください。


自分にとっては、編集も営業も、本質的には違いはないと思っています。もちろんチームの中で、その時々の役割の違いはあるんですけど……「みんなでユーザーのことを考え、みんなでクライアントのことを考える」というのがあるべき姿だなと。

最近では、営業でありながら制作メンバーのサポートにまわったり、チーム全体を見ながら足りない部分を補うよう動いたりしているので、そういった意味では編集的な仕事にも関わっているという感覚でいます。こういうキャリアは珍しがられることも多いのですが、これからはどんどん増えていくと思いますし、増えていくべきだと考えています。


―エンタメをはじめさまざまな媒体で編集の楽しさを味わってきたかと思いますが、正直編集部に戻りたいなと思うことは……ないですか?


懐かしくなることはあります。でも、いま取り組んでいることにすごくやりがいを感じているし、制作にも関われているから、どうしても編集部でないと、という気持ちはないですね。それに、私がこれまで編集・営業に携わってきた媒体はどれもワンパブでいまも健在で、一緒に頑張ってきた皆さんもいるので、どの媒体に対しても特別な思いがあります。機会があれば、いろいろな媒体と『キッズネット』でコラボができたらとも思っています。

急速な成長を遂げている『学研キッズネット』

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―いま担当されている『キッズネット』は、かなり歴史が長い媒体ですよね。そんな中で、特にここ1~2年は企業タイアップやイベントなどが増えており、とても好調です。いつ頃から、変化の兆しを感じましたか? 成長の要因などがあれば、ぜひ教えてください。


きっかけとしては、昨今の学習指導要領の改訂やGIGAスクール構想(子ども1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省の取り組み)、コロナ禍で新しい学びの必要が生じたといった外的要因が大きいですね。


また、『キッズネット』が立ち上がって今年で25年、教育業界の先駆者的な存在として、先輩たちが長い年月をかけて磨き上げてきた独自性、競合優位性などのポテンシャルはもともとありました。そこに、ワン・パブリッシングという新しい体制となり、より多様な挑戦がしやすい環境になったという内的要因とうまく噛み合ったのだと思います。長く関わっている者としては、「時は来た!」という印象です。


―ズバリ、クライアントに対して提示できる『キッズネット』の強みは何でしょうか?


一番は、ユーザーである子ども、保護者、先生、そして教育現場のことを把握したうえで、さまざまな提案ができるという点でしょうか。いまの時代、その気になれば各企業や代理店が自前でWEBサイトやコンテンツを作れちゃうんですよね。実際、教育業界に参入している新しい会社も多いですし。


では、『キッズネット』が提供できることは何なのか? というと、学習指導要領に沿っているかとか、学校の先生の期待に応えられているかとか、実際の学校現場の状況を踏まえた提案ができるということでしょう。制作もでき、さらにコンテンツに集客ができるメディアをあわせ持つ会社というのも、なかなかないですし。これらは、私たちの媒体でしかできない強みだと思います。


―では反対に、『キッズネット』が抱える課題はありますか?


『キッズネット』が置かれている立ち位置とか取り組んでいることって、一般的な媒体の広告営業とは少し異なります。複雑な内容の案件も多いですし、金額設定をなかなかメニュー化できない部分もあるので、詳細まで理解して営業できるメンバーを増やしていくことは課題のひとつですね。そのため、以前に増して、営業チームでの情報共有を強化しようとしているところです。


あとは……課題とは少し違うかもしれませんが、クライアントがまるでライバルのような存在にもなりうるという点は、意識していかないといけないなと。実際に、かつて夏休みの自由研究プロジェクトでお手伝いをしていたクライアントが、数年後に自社メディアを作って自由研究に関するサイトを立ち上げています。組み方次第ではユーザーを奪い合うことにもなりかねないという点を意識しつつ、お互いにWin-Winな関係が築けるような提案を心がけています。

仕事を通じて、日本の教育改革に貢献していきたい

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―ここからは、大槻さんご自身のことについて伺います。営業担当として、普段から意識していることはありますか?


クライアントが求めていることが何なのかをしっかりと見極めることですね。こちらで勝手に思い込んでいることはないか、話を聞き違ってはいないか、さらには、言葉にはなっていないけれど、その裏にある真意や背景は何かまで想像しながら進めています。


たとえば、目的が宣伝販促なのかCSRなのかを真っ先に確認するのですが、その両方を求められることもあるわけですよ。最初は「教育貢献が目的です」と担当者はおっしゃっていても、実は店舗で商品が売れることを目的とされている、なんてこともあります。であれば、学校現場ではなくて保護者に訴求できる企画でないといけないし、店舗と連動した展開も加えるべきです。こちらの手法はたくさんあるので、いかに本音を引き出して提案するかがカギですね。


私たちの仕事はクライアントの期待に応えることなので、いくら頑張ってもその方向が間違っていたら目的は果たせないですから。なんて偉そうに言ってますが、いまも日々、悪戦苦闘していることなんですけどね。

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―クライアントとのコミュニケーションが何より大切ということですね。ちなみに、コロナ禍で仕事の進め方に変化はありましたか? 


かなりありました。オンライン会議が増えて移動時間がなくなったので、単純に仕事量が増えました(笑)。おかげで、媒体としても私自身の経験値としても、成長スピードが加速した気がします。コミュニケーション不足にならないか危惧していましたが、さまざまなデジタルツールを駆使して補うようにすれば、そこまで不具合は感じなかったですね。


プライベートでは、息子の保育園で集団感染が発生して、一時臨時休園となったため、在宅育児をしながら仕事をこなさなくてはいけなかったのが大変でした。ただ、なんとか成立できたのは、オンライン環境があったからこそ。あとは、皆さんのご協力のおかげです。これからも、仕事と育児を両立させていくために、オンラインを活用していきたいです。


―大槻さんがお仕事をしていて楽しい・うれしいとき、そして大変なとき、それぞれ教えてください。


やりがいを感じるのは、社会的意義の高い仕事に携われたときですね。ここ最近、官公庁系の仕事やCSR目的の仕事が増えてきています。クライアントのために頑張ることが、結果的に世の中のためになっていると実感できるのは、いま携わっている仕事ならではの喜びです。


大変なのは……ちょっと質問の意図とはズレるかもしれないですが、許されるならば巡り合った案件すべてに十分すぎる時間をかけて臨みたいのですが、なかなかそうもいかないのが心苦しいです。若い頃とは違って、自分の時間は自分だけのものではなくなったので。まあ、誰しもが抱く葛藤かと思いますが。


―最後に、今後の夢や取り組みたいこと、目標などを教えてもらえますか。


ちょっと大きな話をさせていただくと、この国の教育の改革に貢献したいという野望があります。特に、教育のDX(ITの浸透が、あらゆる面で人々の生活を良くしていくこと)。コロナ禍で日本のIT後進国ぶりを痛感して、「この国の未来はDXをおいて他にない」と一層強く思うようになりました。時を同じくして、クライアントからも教育のDX推進サポートを求められることが増えてきた。自分たちがなすべきことはコレだな、と思っています。


教育改革、つまり、より良い学びの実現のために、国や自治体、教育委員会、学校など、それぞれの立場で取り組みがなされています。その中で、『キッズネット』というメディアのノウハウを活用して、クライアントとともに現場を変えていく。果たすべき役割は確実にあると信じていますし、そのための環境や条件は揃っていると感じています。


あとは、かつてエンタメに携わっていた立場からすると、ガチガチの教育ではなくて、頭を柔らかくして、いかに子どもたちを飽きさせず、楽しんでもらえるか? というワクワク感を大切にしたいですね。学校、教育といっても、真面目一筋である必要はないですし、ユニークなノリを加えていければと。ワンパブの各媒体が持っているものと教育を組み合わせたら、もっともっと楽しいことができそうな気がします。自分で言うのもなんですが、可能性しか感じません!(笑)



-来年からは息子さんが小学生になるということで、より一層教育に関して真剣に取り組んでいきたいと大槻さん。「日本の教育改革に貢献したい」という大きな野望も、『キッズネット』が持つポテンシャルと大槻さんの営業力を持ってすれば、きっと叶うでしょう! これからどんな新しい試みをしてくれるのか、とても楽しみです。



学研キッズネット
https://kids.gakken.co.jp/


(取材:水谷映美/撮影:我妻慶一)


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