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ほめると「なもなも~」謙虚であたたかで真面目な津軽の職人たち

私たちの工場からは「津軽富士」と呼ばれる綺麗な山「岩木山」がよく見えます。

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そんな私たちの工場がある弘前市周辺の地域のことを「津軽」というのですが、津軽の人は謙虚な人が多いといいます。

うちの職人たちもまさに津軽人で
「え、ここまでやってるの?すごいね!」というと

「なもなも~」とか「なんも、なんも」と必死に謙遜してきます。
(標準語でいえいえ~とか、いやいや~という意味です)

そのくせ、聞くとこだわりに対しての話が止まらないというのが面白い所です。

宅配クリーニングという性質上、直接お会いすることはできませんが、

離れていてもそんな職人たちのこだわりとあたたかさが伝わる「温度の分かるクリーニング屋さん」でありたいなと思っています。

今回は、そんな職人たちの温度感が伝わるよう少しご紹介をしたいなと思います。

「クリーニングは毎日がはじめまして」頼れるクリーニング博士 門さん

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Mさんは、話していると「この人、クリーニング好きなんだな~」というのが伝わって来る人で、服の生地のこと、洗い方のこと、洗剤、温度と全てのことに対して精通している、the クリーニング職人といった方です。

中々見ない服がクリーニングに出されると「こんな服と出会えるなんて、クリーニング屋冥利に尽きますね~」とご機嫌になります。どんだけ好きなんだ!!

そんなMさんが言ってたことで印象的だったのが、、、

「クリーニングって毎日がはじめましてなんですよ」という言葉

「どういうこと?」と聞いてみると

「何十年クリーニング屋やってても、未だに、お?これは初めてだなという服と出会うんです。」

「もっというと、同じメーカーの同じ服でも着ている人によって傷み具合も汚れ方も違うから、毎日はじめましてっていう気持ちで服と向き合うんですよ」

なるほど~。

そんな気持ちで毎日服と向き合っているなんて、なんだか素敵な表現ですね。

「シミ抜きの極意は着る人を想うこと」しみ抜き職人の田中さん

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職人というと、男性的なイメージを持たれる方が多いと思うのですが、Tさんは女性の職人さんです。明るくて話しているとこっちも明るくなります。

そんなTさんに、しみ抜きで一番大切なことはなんですか?と聞いたことがあります。

「服の状態を見ることです。シミ抜き剤を使って、服に使われている繊維・デザインは耐えられるのか?ということに一番気を使いますね。」

なるほど~。服についているシミって見ただけでわかるもんなんですか?

「見ただけで分かる物と分からない物がありますね。分からない物は、もうイメージするしかないです。どこでついたのかな?とか、この方は何やっている方かな?とか 着た場面、着た場所をイメージしますね。」

着る人のことを想うってことですか。

「そうですね~。そうするとあ、これかも!っていうのが見えてきて、同時に汚れた場所見ると、この方いつも頑張ってたんだろうな~という気持ちにもなりますね。」

着る人を想うクリーニング。いいフレーズですね~。

ちなみに、この着る人を想うクリーニングはone moreのキャッチコピー候補の1つになったりしました。

「この服をもう一度着たい を叶えたい」補修の今さん

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私たちはクリーニング屋さんなのですが、その過程で、ほつれがあった!穴があった!ということがあり、そんな時に皆が頼るのが補修のKさんです。

洋服のお直し屋さんで断られたから、ここに持ってきたというお客さんもいて「なんでーーー!?」と思いつつも、

頼んでくるお客さんやお客さんに頼まれてきた営業の方の顔を見ると断るに断れず、、、

ああすればできるかしら、こうすればどうかしら、、、
と考えてやってきたらいつのまにか色々なことができるようになった。

という真面目な方です。

「難しい仕事が来ると、家に帰ったときでも、イメージしちゃうの。こうすればできるべか?こうやったらできるでねぇか?そしたら、、、パッと思いついたりするんだよ!」

Kさんは創業者である、私の祖父の時代から勤めてくれている方。
本当に、Kさんのようなこの世代の仕事への向き合い方には恐れ入ります。

お客様に全て新品でお返ししたら?クリーニングの価値を教えてくれた今さんの言葉

そんなKさんに

「もし、クリーニングに出された物をそっくりそのまま新品と取り換えてお返ししたら、お客さんってどう思うだろう?」

と聞いたことがあります。

「それは~。。。」

と少し考えた後

「やっぱりそれは、怒られるんでないか?だって、お客さんはこの服をもう一度着たいって思ってるんだから。新品ではちょっと違うんでないか。」

と言われたことがあります。

これって、クリーニングの本質的な価値だなぁ~と思っています。
新品でもなく、「この服を、もう一度」

『one more』 のネーミングのきっかけとなった言葉です。

皆、それぞれ真摯にクリーニングという仕事に向き合っていて、話を聞いているとそれが言葉の節々に感じられます。

そんな皆さんの向き合い方が離れていてもお客様に伝わるようにしていきたいなと思っています。

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