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フィジー最古の村で「門外不出」だという秘密の歴史をなぜか超熱心に教えられて"海外沼"を実感した話

こんにちは、猫と旅と海外文化が好きなZAKKOです!

今回は、私が南太平洋の島国フィジーで経験したとある出来事についてお話します。


今振り返るとなぜああいう流れになったのか謎でしかないのですが、

海外ってこういうことがあるから楽しいよね~

と思わされる出来事でした。


「最近海外行けてないな~」
「あの旅の気分を久しぶりに思い出したいな~」

という方がいたらちょっと共感していただけるかもしれません…!


フィジー最古の村「ビセイセイ村」

その出来事というのは、私が大学を休学してフィジーで3ヶ月間の語学留学をしていたときにおきました。

もう5年以上前のことです(信じられない)。



私は学校の友達数人と一緒に観光で「ビセイセイ村」を訪れました。


ビセイセイ村は、大昔にフィジー人の先祖が初めて上陸したとされている、フィジー最古の村です。

歴史的な場所であるため、この村は昔からフィジー全体に強い影響力を持っているそうで…

政治家の中にはこの村の出身者がたくさんいて、大統領になった人もいるとかなんとか。


こういうぼやーっとした知識だけでふらっと足を運んだビセイセイ村でしたが、

まさか村での観光があんな展開になろうとは思ってもみませんでした。


村人の観光ガイドで散策開始

バスで村の入り口に着くと、村の女性たちが何人か座っておしゃべりしていました。

そのうちの1人に「一人5ドルで観光案内するけどどう?」と声をかけられたので、案内をお願いすることに。

(たぶん5ドルだったような…もう5年以上前なので金額は曖昧です)


村の中には、けっこう立派な教会(フィジー人はキリスト教が多い)や、村のボス(首長)が住む茅葺の家などがありました。

私たちが日本人だと伝えると、ガイドの人は嬉しそうに

「ほら、これジャパンの大統領!ナカソネ!この村に来たことあるのよ」

と、1985年に中曽根元首相がビセイセイ村を訪問したときに建てられた記念のポール?も案内してくれました。


「門外不出」らしい村の歴史

そんなこんなで一通り村を回り終わり…

私はお礼の気持ちも込めて「大学で文化人類学専攻だから、日本に帰ったら卒論でフィジーのことを書きます」と伝えました。


するとガイドしてくれた村人は急に申し訳なさそうな顔をして

そう、でもあんまり詳しい歴史は教えられないのよ…他の村の人たちが、このビセイセイ村の歴史を知ろうとしてくるからね。門外不出なの。

と言ってきました。

ほほう…?


なんで他の村の人に教えたらダメなのかと尋ねると

この村は権力を持っているから、村の細かい内情を外部の人に知られるとつけ入られる隙ができてしまうのよ

みたいな理由を説明されました。分かるようでやっぱり分からない。


門外不出な歴史資料ができあがる

正直私はめちゃくちゃビセイセイ村に興味があるというわけでもなかったので(失礼)、詳しいことは教えられないと言われても

「へ~村同士の関係って案外ギスギスしてるのかな」「権力があるって大変だな」

ぐらいにしか思いませんでした。


でもガイドの人は

「せっかく日本人がフィジーの文化に興味を持ってくれているのに、何も教えないのはかわいそう」

と思ったのか…


「ちょっとこっちに来なさい」と誰かの家の外に敷いてあったゴザに私だけを手招きして、

「何か書くものない?」と言うので私が英語勉強用に持っていたB5ノートとペンを渡すと

「最初にこの村を治めたのは○○っていう人で、XXXX年になって△△っていう人が…」

と説明しながら、さっき"門外不出だ”と言っていた村の歴史を紙に書き始めました。


外部の人間に教えたらいけないのでは…?
私は他の村どころか他の国の人間なのですが…?


と心の中で突っ込まずにはいられません。
さっき言ってたことはどこいった????


とはいえ、なんか面白いのでそのまま”極秘”の歴史資料を作ってもらうことにしました。


極秘資料を見返して分かった驚愕の事実

10分くらいして、B5ノートの用紙両面が埋まるほど詳しく書き込んでくれた村の人。


私が帰るときは「学校の友だちにも先生にも、誰にも見せたらいけないよ」と念押しして、用紙を早くカバンに隠すように言ってきました。


「そんなに外部の人に知られたくないのか…私も外部の人間なんだけどなあ」


と思いつつ帰りのバスに乗り込み、村人に手を振ってビセイセイ村を後にしました。


そして道中、誰も見ていないことを確認してこっそり"門外不出"の貴重な歴史資料を見返すと…


説明を受けているときには気づかなかった重大な事実を発見しました。
それは…



村人の字が汚すぎて何が書いてあるのか全然分からない…!!!!!!



ということ。

こうして村の歴史は解読不能な文字によって永遠に守られました。

良かった良かった。

まとめ:だから海外旅は面白い

これが、私がフィジーを訪れたときに経験した、ちょっと謎な出来事でした。

 

当時はまだ素直だったので「門外不出の歴史を教えちゃっていいの?!」と村人の言うことを真に受けていましたが、

今振り返ると「あれはもしかしたら、楽しいことが大好きなフィジー人なりの観光サービスだったのかなあ」と思ったり。

もしそうだったとしたらあの村人は中々のエンターテイナーですね。


海外旅に出るとこういう、本当なのか嘘なのか確かめようがないことが起こったり、本気なのか冗談なのか分からない話をされたりすることが多いなあと思います。


この「分からなさ」「意味不明な感じ」が楽しいんだよなあ


この謎な出来事を思い出すたびに、海外旅の面白さというか「沼」というか、そういう不思議な魅力を実感します。

同じように海外沼にハマっている方、いらっしゃるでしょうか?



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