「なぜ」から始める
1. 意味を与えるのは私たち
昨日はサッカー選手の目標の短いスパンについて話をしました。
今日は、目標設定における根底となる考え方について触れていこうと思います。
目標を考えたり、設定する際に何が最も重要か。
この問いに対し、「なぜ」という言葉で答えられることが大事だと感じています。
というのも、自分自身の経験から「なぜ」がはっきりしていない時期というのは、人生に対してエネルギッシュに、かつ前向きで楽しみながら相対することが出来ていなかったと感じるからです。
逆に「なぜ」がはっきりしてからは、自然と人生が良い方向へと転換していく感覚があり、一日一日を感謝の気持ちを感じながら、そして新たな未来への可能性とともに生きることができていると感じます。
もう少し、角度を変えてみましょう。
普段日本語を使うことに慣れきっている私たちは、日本語の言葉が持つ、一つ一つの単語の意味について、あたかもそれが万人に共通であるように考えています。
しかし、言葉に絶対的な決まった意味が元々あるわけではなく、言葉に意味を与えているのは、私たち自身なのです。
日本人同士で、共通理解ができるのは、人それぞれ言葉に対するイメージは細かな部分では異なるけれど、おおよその範囲においてはイメージが被っているからであって、完全に他人と自分でひとつの言葉に対するイメージが重なっているわけではないのです。
繰り返しになりますが、言葉に意味を与えているのは、私たち自身なのです。
青と聞いて、あなたが思い浮かべる青は、空の青かもしれません。
日本海の深い青かもしれないし、絵具の青かもしれません。
2. 運命
運命、使命、生きがい、これらの言葉を耳にするたびに昔の自分は、きっと運命というものは生きているうちに自然と向こうからやってくるもの、もしくはそのうち理解していくものなんだろう、という感覚がありました。
しかし、最近そうではないということが確かな手ごたえを持って感じられるようになってきました。
運命や、使命、生きがいというものは、待っていたらやってきたり、見つかったりするものではなく、自分から積極的に創り上げ、見つけていくものなのです。
人生に意味を与えるのは、あなた自身なのです。
それは青という言葉に、壮大な海の景色を思い浮かべたり、はたまたあるサッカーチームのユニフォームを思い浮かべたりすることと同様に、自由で、しかも無限の可能性を秘めているのです。
人生で起きること全てに対して、私たちは好きなように意味を与えることが出来るのです。
そのことに気づいた瞬間というのは、まるで大きなクリック音が頭のなかに鳴り響くような感覚です。
自分自身で人生に意味や意義を見出し、どうやってその使命や運命を生きるのかを考えれば、自然と目標は定まってくるものです。
目標の根底には必ず「なぜ」が存在するべきであって、「なぜ」が存在しない目標というのは、大抵誰かの目標を借りているだけだと思います。
企業がビジョンや使命を掲げるのは今では当たり前ですが、個人としてもビジョンや使命、すなわちこの記事で言う「なぜ」を持つべきだと思うのです。
「なぜ」がはっきりしているけれど、目標の立て方が分からない状態は、これから人生を切り開いていく人間のスタートとしては、自然なことだと思います。
他人の人生を生きているのではなく、自分自身のオリジナルの「なぜ」をベースにしているので、それを実現するための方法や、具体的な数値まではスタート時点でははっきりとしたイメージはできないはずです。
それでいて自分自身の運命、使命というものをはっきりと理解しさえすれば、後は圧倒的なスピードで具体的な方法や、手段というものを生み出したり、見つけ出したりして、目標へと進んでいけるのだと思います。
人は理由がはっきりしない物事に対しては、最大限の情報処理能力や集中力を発揮できません。
訳もなく、学校で勉強をしろと言われても、やる気が出ないのと同様に、人は本来理由がなければ動かない生き物なのです。
学校で教えるべき最大の教訓は、人生に自分自身で意義を見出すことが大事だということでしょう。
究極やり方などは、あとからどうにでもなるのです。
生きる理由こそ、最も大事なのです。
安定した企業に就職するために、良い大学に入って、良い成績で卒業して…といったよく聞く話は方法論の話なのであって、それ自体が最初から皆が持つべき目標にはなりません。それ以前にまず生きる理由が必ず存在するはずです。
でなければ、極端のことを言うならば全員が同じように生き、まるでロボットであるかのように画一的な人生を生きることになってしまいます。そんな人生に何の意味を見出すのかという話になってしまいます。
少し話が長くなってしまいましたが、私たちは、この人生に意味を見出すために人生を生きているといっても過言ではないでしょう。
なぜならそうすることで、人間の最大限のパワーが発揮されるような仕組みになっているからです。
そして使命に生き、運命を全うする人間というのは、時空間を超え、人びとの記憶に刻まれる何かを残します。
それを人は愛と呼ぶのかもしれません。
私たちは人生にどんな意味を与えるか、決めることができるのです。
最後にこの質問をして、締めくくりにしたいと思います。
あなたは人生にどんな意義を見出しますか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?