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食料(食糧)危機の話



1. 世界は繋がっている


考えてみたら当たり前だが、地球上に境目など存在せず、大小程度の差はあれど、地球上で起こるひとつの出来事はどこかで別の出来事と繋がっている。

日本を20歳の時に飛び出し、以来世界中に国で暮らしてきた。

常に日本という国を外側から見て、また異国人として外国で生活する日本人として、物事を捉え、考える物差しを固定しないで生きてきた。

大人になるとはどういうことだろうか。

ひとつに、先に述べた物差しを増やしていき、それらを状況に合わせて組み合わせながら、その時の最良と思われる選択をすること。

少し抽象度が高いかもしれないが、簡単にいうと、人を想いやる、慮る、とは数多くの物差しを持ち、それらを上手く使いこなすこと、だと思う。

新しい物差しは同じことの繰り返しからは見つけることが難しい。

だからこそ、旅や本、人から学ぶことがなにより大事だ。


大人になるとはどういうことだろうか。

物差しとは別に、常に中立であろうとする姿勢こそが大人だと思う。

増えていく物差し、増えていく経験、大きくなる責任、色んな物事が増えたり、大きくなるが、それらの中から何が1番大事なのか優先順位をつけること。

優先順位をつけるとは、積み減らす、切り捨てるとも言える。

平等とは全てのコト、モノを等しく扱うことではなく、優先順位をつけて扱うことだと思う。

時間は無限ではなく、有限であると知ること。

いまこの瞬間を生きるとは、今現在に感謝することであり、またご先祖さまたちに感謝することであり、自分たちの子孫へとバトンを繋ぐことでもある。


2. 神道と日本人


世界は食料(食糧)危機に晒されている。

目に見えずらいかもしれないが、世界は繋がっていて、いまや地球の反対側の出来事が、自分たちの日常のありとあらゆることに影響を及ぼす。


以前社報「白山さん」第379号(平成26年11月1日号)に「タネを考える」と題して雄性不稔のF1種について紹介させて戴きましたが、改めて考えてみたいと思います。

F1種は、現在雄性不稔という異なる性質のタネを人工的に掛け合わせて作った所謂雑種の一代目、つまり突然変異の花粉のできない個体から作られることが多く、世の中に流通している野菜や花のタネの多くは、F1種(一代雑種・交配種)であります。

子孫を残せないミトコンドリア異常の植物だけが、たった一粒から一万、一億、一兆、一京と無限に殖やされて、世界中の人々が食べていることをどれだけの人が知っているでしょうか。子孫を作れない植物ばかり食べ続けていて、動物に異常は現れないのだろうか
 
今、世界の穀倉といわれるウクライナが戦禍に見舞われ、ロシア軍によって農地は戦車に踏みつけられ、ミサイルや砲弾によって無数の穴があき、地雷の埋設、水路は壊され、農民も兵士にくり出され、おそらく来年は7千万トンの穀物の3割以上が作付けできないと予想されています。

そして、作物だけではなく飼料や肥料も不足し、加えて地球温暖化による世界各地での異常気象で水害や旱魃(かんばつ)、動力などのエネルギー不足等々、来年は何とかやり繰りしたとしても、再来年はF1種の為、作付けも出来ず世界の食糧(食料)危機が訪れます。

ここで出番は在来種(固有種)です。それは、地域で何世代にも亘って育てられ、自家採取を繰り返すことによって、その土地の環境に適応するよう遺伝的に安定した品種を「固有種」といいます。


日本には、仏教と神教が共存している。

自然を敬い、自然と共に生きてきた日本人。

世界が危機にあり、日本も目に見えない(見えずらい)危機に晒されている今、自分たちの物差しを活用して、またあくまで中立な姿勢で生きることが大事なんじゃないか。

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