決断こそが成功
1. 成功とは決断
孤独や、ネガティブな感情、批判や理不尽、そういったことを多く経験すればするほど、人として器を広がるチャンスだと感じます。
当然、孤独や負の感情を生きるその瞬間というのは心地の良い物ではありません。
できれば避けて通りたいものですが、なぜ人は孤独を感じたり、また時に悩み、悲しむのかその理由を深く考えてみることが大事だと思います。
多くの人は、痛みや孤独を遠ざけ、できるだけ自分の人生の外側へと追いやろうとします。
人間は社会的な生き物であることから生存本能として孤独を避け、また肉体的な痛みや精神的な痛みは命の危険であるシグナルであることを考えると、痛みや孤独を避けるのは人として自然な姿でしょう。
今シーズンは精神的にも肉体的にも、痛みを抱えることが多いシーズンで、非常に消耗しました。
いまこうしている瞬間も心がすり減っていっている実感があります。
日本語で影響とは影の響きと書きます。
日々の練習や、ロッカールームでのネガティブな言葉はその瞬間だけでなく、家に帰って一人でいる時、ベットに入ってリラックスしようとする時など、繰り返し頭のなかでリピートされるものです。
出来事や、人の存在そのものが環境や人びとに影響を及ぼすことを考えると、自らがどのような環境を選び、また自分自身がどのように振舞うのか、どんな言葉を発するのか、そういったことの重要性が身に染みます。
多くの人間は、自分の存在価値をその瞬間の決断のみによって計ろうとしません。
社会の仕組みとして、人を評価するならばキャリアを見ます。企業やチームであれば昨シーズンや、前年度の成績をもとに評価します。
数字のみに囚われる落とし穴がここにあると感じます。
社会的な数字で自分の存在意義や価値観を定義するならば、その人は過去か未来を生きていると言えるでしょう。
この瞬間を肉体と魂を持って生きながらにして、過去や未来を生きる人間は死んでいると変わらないのです。
もちろんそれもひとつの生き方ですが、人生の成功とは常に目の前にあるものだと思います。
その積み重ねが、ただ数字として残るのであって、決してその順番を間違えてはいけないのです。
良いフットボーラーとそうでないフットボーラーの違いは何かと問われたら、常に覚悟を持って決断し続けるかどうかの違いとも言えるでしょう。
すなわち、いまその瞬間のプレーに責任を持ち、決断を下すこと。
サッカーの面白いところは、ピッチ上ではその時のありのままの実力が反映されるところです。
いままでのキャリアも数字も関係なくあくまで実力が試されるのです。
決断を下し続けるかどうかの違いがプレーの良し悪しとなって表れるのです。
常にフラットな生身の人間対人間の戦いにワクワクするのです。
そこに、余計な政治やお金が入り込んだ瞬間、急にシラケてしまうのです。
生きている実感を感じることができなくなるのです。
ピッチの外ではいくらでも政治やお金の話をしてもよいのですが、それをピッチにまで持ち込んでしまう中途半端な態度が一番つまらないのです。
今シーズンは、そういった出来事が多く、幾度となくやる気を削がれ、自分の精神衛生に悪影響を受けることが多かったですが、それらから身を守る術を学ぶ良い機会にもなりました。
最後に、
人生とは決断の連続である。
この言葉の意味が少しづつ分かってきたように感じます。
サッカーでは、各選手の決断が最終的に大きな違いを生み出すものです。
だからこそ、些細なことを一流である人間は大事にするのです。
残り2試合。
覚悟を持って決断し続けます。
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