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3兆円市場、年20%成長!中国のペット市場について

急速に成長する中国ペット市場

 中国では、近年ライフスタイルの変化に伴い、ペット市場が急速に成長しています。2020年には市場規模がおよそ3兆円となり、日本の約3倍の規模に至りました。現在も年20%の成長を続けており、2024年には市場規模は7兆円以上になる見込みです(*1)。また、量だけでなく質の変化も見られ、ペットファッションや動物病院、ペットホテル、ペット葬儀など、今まで中国では多くは見られなかったようなサービスが普及し、市場が多様化しています。

 中国のペット市場の特徴としては、ペットオーナーの多くが、猫を飼う都市部の若い女性であることが挙げられます。ある調査では、ペットオーナーの約3割%が90年代生まれ以降の女性です (*2) 。近年中国の都市部で増加している独身女性達が、癒しのためにペットを飼いたいという人が増え、中でも散歩が不必要で、都市の小さい部屋の中でも手軽に飼いやすい猫が選ばれていると考えられています。実際に、2021年の猫の頭数は、前年比で約20%増加しています(*3)。そんな彼女たちは、都市部の高学歴で、経済力が比較的高く、ペットを子供のように大切にする傾向があります。また、この世代は自身の健康意識が高いことから、ペットに対する健康意識も高く、健康関連の支出も大きいことが特徴的です。このような、20-30代以下の健康意識の強いペットオーナーは、2026年までに2400万人を超える見通しで、ペット健康・医療関連市場は2020年時点で、既に1兆円を突破しています (*4)。

中国ペット市場における日本企業の機会

 中国ペット市場は、都市部の経済レベルが高い消費者を主としており、需要が高度化・多様化、細分化しています。また、ペット健康関連市場などのカテゴリーによっては、そもそも大手プレイヤーが不在です。このような環境の中、ペット市場が中国よりも先に発達し、成熟した商品・サービスを持つ日本企業には、大きなチャンスがあります。例えば、ペット関連グッズの中には、まだ日本でしか販売されていないようなものもあります。また、マーケティング活動としては、今後10-15年の間、ペットオーナーで居続ける可能性があるような、飼い始めユーザーを獲得することが重要になってくると思われます。

Onedotの事例

 Onedotが自身で立ち上げ、運営しているペット健康管理プラットフォーム「Petnote」では、まさに中国で急拡大している、若い世代のペットオーナーをターゲットとしています。WeChatミニプログラム上で、ペットの健康記録機能や獣医によるオンライン健康相談、ペットの健康関連コンテンツ配信及び動物病院診療の検索・予約といった、予防から治療までの一連のサービスを提供しています。2021年のローンチ以来、急速に利用者を拡大しており、中国のペット関連プラットフォームの中でも注目されています。

 また、関連分野として、自社事業を行う中で得た中国ペット市場に関する知見や、「Petnote」のユーザーとの繋がりを活用し、現地ユーザー向けの商品開発からマーケティング活動に至るまで、ペット商材を取り扱うクライアント企業の中国進出を支援しています。

出典
*1 : Frost & Sullivan 
*2 : 艾瑞咨询 
*3 : 宠物行业白皮书
*4 : 前瞻产业研究院 

本稿の執筆メンバー
 邵鴻成 Business Development Manager
 王泳璎  CEO Office Assistant
 鳥巣知得 CEO 

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