青のウズベキスタン
SNSで偶然目にした1枚の写真を忘れられず、どうしてもサマルカンドへ行ってみたかった。
以前、モロッコだったかスペインだったか…で出会ったツアー客のご夫婦が「スタンが付く国以外にはだいたい行きました。コスタリカなんて良かったですよ、治安がものすごく良い」と言っていたのが頭の片隅に引っかかっており、治安については若干ドキドキしつつもウズベキスタンへの憧れは捨てきれなかった。
今なら日本からタシケントへの直行便がありますよ、の一言に後押しされて、旅行好きの祖母を誘ってみた。
祖母とは、国内外問わず何度も一緒に旅をしてきた。82歳で我儘気ままな性格だが、適度な距離を保てば友達と行くよりも気楽だと2度目の海外旅行先で熱を出して寝込んだ時に気がついた。良き旅行仲間だ。
なお、「スタン」は「国」を意味する。
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旅のはじまり
初日は、首都タシケントで1泊。
空港からホテルへのバスでは、何もかもが新鮮でずっと外の景色を眺めていた。程よく都会で、ここなら住めるかもと早くも思う。ただし、通貨(スム)の換算はなかなか難しく、慣れるまではそれなりに大変だ。両替の流れは、円→ドル→スムだった。
この日のホテルは、トイレまでもれなく素敵。つい長居したくなってしまった。
ヒヴァのイチャン・カラ(内城)
2日目は、古都ヒヴァに移動。ヒヴァは砂漠の入り口に位置するオアシス都市で、イチャン・カラとは中央アジアや西アジアに見られる市街地の形態であり、城壁に囲まれた市街地を意味する。
活気のある旧市街で、多くの出店が出ていた。ウズベキスタンの公用語はウズベク語、第二言語がロシア語。英語はあまり通じないが、皆積極的に話しかけてくれるから気持ちがいい。女性は皆「マダム」と呼びかけられる。祖母も私も等しくマダムで、面白い文化だと思った。
スムでの買い物にはやはり手間取ってしまい、スカーフ1枚の買い物でかなりの達成感を感じられた。
雰囲気の良いカフェにも出会えた。祖母がミナレット(塔)に登ると言うのでひとりでふらりと。昼間から飲むビールはなぜこんなに美味しいのだろう。吹き抜ける風が心地良かった。
ブハラで感じる異国情緒
次に訪れた都市はブハラ。モスクやミナレットを思う存分見学した。建物によって異なるタイルの柄を見比べるのが面白かった。全く飽きない。
ここまで旅をしてきて、日本にはないものばかりでそこかしこで異国情緒を感じられるのに、アジアゆえか謎の安心感がある不思議な国だと思った。治安はどうだろう…と躊躇していたのも杞憂だった。日本人の旅行客は珍しいらしく、何度か子供たちに「一緒に写真を撮ろうよ!」と言われて、お互いのスマホで自撮りをした。大人も子供も気軽に話しかけてくれるし、親しみやすい人が多いと言う印象を受けた。もちろんどの国でも用心するに越したことはないし、国境付近には近づかないでとのことだったが…。
お待ちかねの、サマルカンド
この旅のトリを飾るのは、お待ちかねのサマルカンド。
そうそう、これこれ!これが見たかったのだ。タイルの柄に思いを馳せる。一つの建物を何時間でも見ていられそう。
このエメラルドがかったブルーと濃いブルーの組み合わせは、この国ならではだ。これがウズベキスタンの色なのだと、生で見られたことを幸せに思った。
最後に食の話でも
最後に食の話をして、この旅行記を締めくくろうと思う。
これは市場で撮った写真だが、お茶菓子と言ったら甘く、ナッツ類はよく登場した。
何度かボルシチなどのロシア料理も食べた。あくまでも米は主食ではなく、スープの中に入っていたり、野菜に添えられていたりしていた。ただし、プロフ(ウズベキスタン流ピラフ。炊き込みご飯)は別だ。
主食はこちら。ノンと呼ばれるパンだ。
滞在期間10日ほどの旅だったが、行ってみて本当に良かった!青のモスクを間近で見たくて決行した旅。でも、それ以上に明るくてフレンドリーな国民性やイスラム圏の文化あれこれ、なんだか落ち着くし暮らしやすそうだということを知れて良かったと思う。
余談だが、この国は買い物も楽しい。皿やアクセサリー、スカーフやブラウスなどいいものにたくさん出会えて大満足だ。買い物も大好きな私達は、ほくほく顔で帰路に着いたのだ。
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