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生活習慣病と、影

生活習慣病という言葉はどこかで耳にされたことがあるほど有名な言葉になりました。

意味は
『生活習慣が原因で起こる疾患の総称。重篤な疾患の要因となる。』

と厚生労働省のe-ヘルスには書かれています。

そして、『食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称である』とも。

生活習慣病は、以前は成人病と言われていましたが、成人であっても生活習慣の改善により、予防可能であると考えられ、また、成人でなくても発症する可能性があるため、1996年当時の厚生省が「生活習慣病」と改称すると提唱したとされています。

この呼称により、
生活習慣により発症する病を予防する、という発想に繋がっていきますが、
同時に、1つの側面としては、生活習慣ではない疾病が『生活習慣』による病と、誤解を受ける、ということが生じる場合がみられます

例えば、糖尿病の1型
生活習慣との関係性が指摘される2型とは異なり、1型は免疫の異常などにより、膵β細胞が破壊されることでインスリンの分泌が消失する疾患であり、生活習慣に起因する疾患ではありません。

しかし、日本イーライリリーが行った一般生活者1000人へのアンケートでは、1型糖尿病の原因を聞いたところ(うち、「知っている」「名前を聞いたことがある」と答えた40.6%の人に質問)「食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣」を53.9%の人が答えています。

I型糖尿病は主に、自己免疫学的な機序により、膵臓にあるインスリンを分泌するβ(ベータ)細胞が破壊され、インスリンがでなくなるため、慢性高血糖状態になり、糖尿病を発症します。生活習慣が起因になって発症する疾患ではありません。

生活習慣病の一種である2型糖尿病とは全く異なる性質の糖尿病で、急速にβ細胞が破壊され、様々な自己抗体が陽性になります。

毎年、1万4000人ほどの患者が増え、全国で21万人ほどの患者が治療を受けています。

日本国内では地域差はないと言われますが、フィンランド・スウェーデン、ノルウェーなどの北欧諸国に多くみられます。

原因はまだ不明な点がありますが、約90%が自己免疫性(1A型)、残り10%が特発性(!B型、原因不明)とされています。

本来外敵から体を守るために働くはずの免疫が、何らかの拍子に間違ってβ細胞を標的にしてしまい、壊れてしまいます。(発症とウィルス感染の関連を示唆する報告が数多くされています。主なものとしては、エンテロウィルス・レトロウィルス・ムンプス・麻疹・サイトメガロウィルス・レトロウィルスなど)


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繰り替えしになりますが、
2型糖尿病と違って、生活習慣が糖尿病の発症とは無関係
1つの疾患例でしたが、
人が生きるうえで、生活習慣とは関係がなく発症する病があります。

健康経営はとても大切な観点と思われますが、‘健康‘のみをおっかけすぎることで、防ぐことが難しい疾病が日本にも、世界中に存在し、健康や疾病には、コントロールできる要素と、コントロールできない、しにくい要素が、現代の医薬の水準ではま世界に存在しているファクトを見逃しかねません。

テクノロジーやAIの進化と、医薬の進歩ににより、未来は解決する病があると言われます。
そして、治療法が開発、追いつくと、難病は難病ではなくなります。


私自身、以前ピロリ菌の症状で、長年苦しみまして、(正式名称は、ヘリコバクターピロリ・1982年に発見)
当時は、医者に相談をしても原因がわからず、治療にも結び付かず、長く腹痛に苦しみました‥周りから「ストレスだと」とか、気にしすぎだとか、考えすぎだとか、言われ…そうかなぁと首を傾げながら、ストレスの発散をがんばっていたのですね、
医療関係者の説明も、社会の認識も当時は、胃が痛い=ストレス性でした。

それが‘細菌‘が原因だとわかり、
(ピロリ菌は1982年に発見。治療が浸透するまでにタイムラグが生じています。患者数は日本人全体の約半分前後6000万人が感染している言われ、感染した場合も、ほとんどの方は無症状で、慢性胃炎のまま経過し、胃・十二指腸潰瘍を発症する方は、2-3%前後、胃がんになる人は0.4%と推測されています)


痛みに耐えていました…

それが、なんと、あるとき、ある薬が効くと…びっくりな展開でした…治療法が見つかったとたん、長年私を苦しめていた病は、消えてしまいました。

結果、ストレスとは直接関係がない痛みだったことがはっきりとわかりました。

私の性格とも関係がありませんでした。

生活習慣も…
そして、人生が変わりました・・・

このピロリ菌は、世界の人口の約半分ほどが感染していると言われています。

そして、就労人口の3分の1の人は、何かしらの疾患をもっている


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生活習慣が関係している病もあれば、生活も性格も関係がない疾病が日本にも、世界にもあるのが今のところのファクトです。

病と人、その認識、認知が変わる時、疾病と就労の在り方も、社会全体に及ぶテーマであること、自分自身でなくても、子供さんや、友人、家族、親戚…誰かの話であったりします。

コロナ禍、その後、コロナサバイバーが増える可能性は否定しきれていません、
症状や後遺症が改善するかたも、症状によっては後遺症を残す可能性もあります
マイノリティーだと社会が思っていた‘治療と仕事の両立のテーマは、日本の患者数としは、実はすでにマジョリティーですが・・


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世界では8270万人がコロナウィルスに感染し、180万人(札幌市がまるごとなくなるような人口)もの方がお亡くなりになっています。

これからは治療と仕事の両立については、もっとマジョリティーの話となっていく可能性があります

治療をしながら就労を考えることができる社会、多様性ある就労・雇用をもう一歩、社会全体のこととして、働き方のリニューアルと同時に考えてまいりたいものです。


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難病患者の就労支援、就活、働く準備、書類作成、使えるサービスや支援機関、整理の仕方等、難病患者の就活について、当事者の皆様をイメージしながら、元難病患者就職サポーター、リワーク支援、医療現場での支援の体験と実践に基づいて書かせていただいています。