ヤングケアラーと難病と

高校生、大学生の方から、難病患者の就労研究に関するお問い合わせがつづいている

お話をうかがうと、その方々自身が、人によってはヤングケアラーであったりされる。

学生さんから..、就労に関して、「なぜ、これだけ困っている難病患者がいるのに、障害者求人が利用できないのですか?」

という質問をいただく、

若者のまっすぐな質問が心に刺さる

自助が過剰になると、家族やご本人への負担が急増する

とくに、労働に関しては、

難病の症状の特性が加味されていない状態が続いてしまっているため

その制度と実生活のギャップがバグをおこしている

日本の古くて新しい課題や問題は

若者の今、未来にも、影響をもたらす可能性がある

「制度が今の社会の実際に見合っていない状態のままになっています、それと大人の社会が向き合うかどうか‥」

‘社会的な状況を鑑みて‘、と難病患者の障害者雇用率制度算定について、衆議院で回答されている

社会的な状況や事情は、誰の事情であるのか

若い方への回答を考えた‥

難病患者の疾患理解や、障害特性、その事業者や支援者の準備が整っていない

という理由であれば

なぜ、支援機関が一般雇用で就労する患者の支援

難病患者の支援に実質介入できない状態をそのままなってきたのだろうか?

なぜ、この10年、企業開拓(本格的な)や事業者対象のセミナーが行われなかったのか‥

その整備は誰が取り組む必要があったのか


  


一般雇用で障害がある人が就労した場合の、定着率は、障害者求人を利用した方の統計よりも、同じ障害がある人でも低下することは、身体・精神・知的、3障害で行った統計にもあらわれている

難病患者・長期慢性疾患患者には、フルタイム正社員で就労できる方、されている方もみえますが、

内部障害や症状に、その変動等により、生活、社会側の壁が高まる人がいる

継続される人材もいれば、

本来であれば、社会的なサポートを必要とされる人材が、一般雇用という選択肢しかないため、無理をし、結果当時者への負担が過重になり、離職する

しかし、治療のため、生計を維持するために、働く必要があり、

そのため、同じ状況が繰り返される労働者がいる

本来得る必要があることを、受けられていない人材がいる

社会的な対応がおくれるほどに、そうした方が負うダメージは大きくなる傾向がある

それは事業者支援にもつながる話でもある

労使ともに十分であるだろうか

回答を捜す…


社会的排除を英語で、social exclusion

内閣官房社会的包摂推進室 の社会的排除リスク調査チームから出された

『社会的排除に至るプロセス』(平成24年9月)

~若年ケース・スタディーから見る排除の過程~

という資料がある。

その中の結果の概要には

『若年層(20歳から39歳)においても、住居・教育・保健・社会サービス・就労など、多次元の領域から排除され、社会の周縁に位置する人々が存在する ‥‥

将来の展望をもちにくく、孤立化し、基本的な生活の基盤の獲得、保持さえ危ぶまれるという点において、類似した状態にある』

と書かれている。

これは、特定の年齢に限った状況ではありません


制度の不備は、当時者、そして家族、若者にも影響をときにもたらす



「日本では, 「社会的排除」 はまだ新しい用語であり, ヨーロッパからの外来語である。 しかし上に述べたよ うな 90 年代半ば以降の状況は日本独自のものではな く, すぐ後で述べるようなグローバリゼーションとポ スト工業社会に突入した先進諸国に共通したものであ る。 ここでの核心は, 単に失業や貧困が増えたという だけでなく, 社会経済変動の中で, 社会のメンバーと して生きていく上での, 主要な参加や権利の行使がう まくいかなくなっている状態が生み出されていること, したがって, 社会の連帯や統合が怪しくなっている」

引用 : 社会的排除 岩田 正美 (日本女子大学教授)



海外ではそうした社会的な状況をも含み、評価をしているフランスやドイツのような国

がある 


これからの社会は、SDGsでいうように、

「誰一人置き去りにしない」はウォッシュ(取り組んでいるようで取り組んでいない)にはしない

また、障害者差別解消法も改正、環境を整える責任が、国にも自治体にもある


「きっと、事業者側の事情に偏った判断を、有識者も、雇用率制度を検討する事業者団体の代表もしないと思いますよ」

そう答えたい‥

突飛な現実妄想書いてみますと、

いくらか社会状況を加味したとして、

国や自治体が、難病患者や、生活の支障の程度が障害者雇用相当な人の雇用に直接取り組むという案、はいかがだろうか、

0か100案でもないだろう


岐阜市や福岡市、埼玉県や千葉市‥

難病患者を含む、就労支援の実証に取り組む自治体もでてきている

有識者をまじえ、アセスメントをしながら、障害者手帳によらないでも就労機会を担保する仕組みに自治体が乗り出す

(しかし、その全容は明らかではない、走りながら考えるような取り組みではないでしょうか)

時代がかわっていく

あの頃、治療を継続する必要がある難病者に対し、制度がなかった時代


「あんな時代もあったなぁ」と思い出すときがくる


しかし、それがいつであるのか、機会を損失している方々の立場にたったとき、


「急いでほしい」という気持ちは、痛いほど伝わってくる


社会は力をあわせて、問題を先送りしいない、


かつての同僚や、友人、誰かの大切な人を置き去りにしない


その意思表示を社会の仕組みの中に埋め込む必要がある


GDPの次にくる社会とは

豊かな社会とは、どういった社会や暮らしであるのか


時代は移行期をむかえている

難病患者の就労支援、就活、働く準備、書類作成、使えるサービスや支援機関、整理の仕方等、難病患者の就活について、当事者の皆様をイメージしながら、元難病患者就職サポーター、リワーク支援、医療現場での支援の体験と実践に基づいて書かせていただいています。