リーガルテック導入までの4つのポイント
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リーガルテック導入までの4つのポイント

皆さんこんにちは!
リーガルテックは、昨年の「リーガルテックAI白書」にもあるように、実際には、まだまだ言葉としての認知度も低く、また導入までのハードルも高いと感じている企業も多いのではないかと思います。


また、在宅(リモート)ワークへの急な移行の影響で、「実際に導入してみたい(しなければいけない)けど、どう動き出せば良いのかわからない」という方も多くいらっしゃると思います。

そこで、法務担当者であった前職時にクラウドサインHubbleを導入した経験と、リーガルテックベンダーに転職後、お客様と触れる中で感じたことを踏まえて、今回は、リーガルテック導入までのポイントを書きたいと思います!
(2020年5月4日追記)

キーワードは4つの「P」です!

1.Purpose ~解決したい課題を定義する~

課題の把握とゴール設定が全ての始まり
まず、そもそも何に困っていて(課題)、これを解決してどんなゴールを目指すのか(目的)を決めることが最も重要です。

言い換えると、なんとなく「リーガルテック入れてみよう」と考えるのではなく、自分たちの業務の煩わしさや困りごとが、そもそもどういった原因から来るのか一歩踏み込んで考えてみるということです。

例えば、「法務の業務負荷がキツい」と一括りに言っても、単純なマンパワー(単位時間あたりの仕事量)の不足に起因するものなのか、それとも情報が部内にシェアされていない状況(情報の属人化)から生じる小さな手間の積み重なりに起因するものなのかによって、この後の打ち手も大きく変わってきますよね。

課題が少しクリアに見えてくると、①サービスの選定基準がはっきりし、また②導入後の評価基準も比較的明瞭になっていきます。

導入前の選定基準
導入前の①サービスの選定基準として目安になるのは、カオスマップなどの網羅性の高い一覧表です。これを使って、どれが自分たちの課題にフィットしそうか、ざっくりチェックしてみましょう!
例えば、網羅的かつ機能別に記載されている例としては、クラウドサインさんが2019年末に発表されたeBook「日本のリーガルテック2020」が挙げられます。
ここで気になったサービスをググってみるといった流れでしょうか。

導入後の評価基準
そして、②導入後の評価基準として、短期的な目標と中・長期的な目標を(ざっくりでも良いので)持っておくと良いと思います!
目標の内容は、(もちろんサービスによりけりですが)例えば短期的には、コスト削減など「サービスの標準機能から直接得られるであろう効果」、中長期的には、スキルやノウハウ、ナレッジの蓄積・共有など「社内や部内に定着させることで初めて得られる効果」という置き方が良いと思います。

2.Practice ~何ができて、何ができないかを知る~

実際にまだリーガルテックは発展途上であり、正直なところ「まだできないこと」も数多くあります。


こうした発展途上の分野では、何ができるかについての共通認識が出来上がっておらず、言葉による説明だけでは、その機能や特性を伝えきれず、お客様との期待値が揃わないことがあります。
これはひとえに我々ベンダー側の責任ではあるのですが、結局こうしたズレで物的、人的コストをすり減らしてしまうのは、ユーザーの皆様です。

こうしたズレを埋めるために、最も効果的な方法としてトライアルをオススメします!
課題が明確になり、使うサービスの目星が付いたら、サービスを実際に触ってみることで、自分たちにどういった価値がもたらされるのかを確認しましょう。
また、細かいところでも「ここは想像以上にいいな」とか、逆に「これだと自社の審査フローに全くフィットしないな」といった、資料を見たり、説明を受けているだけではわからなかったことが見えてきます

なお、下のツイートは、私がユーザー時の投稿です。
今もユーザーとして持ったこの率直な感想を胸に据えつつ、ユーザーの皆様と向き合って仕事をしています。

3.Process ~自社のフローにどう合わせるか~

自社のフローに溶け込ませるヒントを探す
ここが、各社の担当者様を一番苦労させるポイントです。
このサービスは自社の課題解決に資する(=1個目の「P」(Purpose)にフィットしそうだぞ)と思ったら、自社の業務フローにどう溶け込ませるかを少しイメージしてみましょう!
特に既存のワークフローシステムや社内稟議などとの兼ね合い、棲み分けには、要注意です!

とはいえ、なかなか自力でベストプラクティスにたどり着くことは難しいので、既に先行するユーザーがいる場合には、導入事例を見たりやユーザー会に参加したり、法務系のイベントに参加してみましょう
業務フローが近かったり、使っているツールが同じ企業の話を聞いてみて、実際に使うイメージを膨らませると効果的です。

手前味噌ですが、昨年開催のHubbleのユーザー会のレポートに載っている、登壇頂いた三社様のスライドは、結構参考になる企業様も多いのではないかと思います。(下のリンクからアクセスしたら、冒頭のたこ焼きの写真に惑わされず、少し下にスクロールしてくださいね!)

在宅ワークでは、思い切ってフローを変えることも検討する
上記では、現在のフローにリーガルテックを「寄せていく」前提で説明しましたが、働き方の選択肢として、在宅ワークを今後も引き続き残しておく場合には、少し違った考え方が必要です。
つまり、先に既存のオフィスワーク前提の業務フローを、在宅ワークにも適合するように変更することを検討するということになります。

この場合には、在宅でも対応可能に設計されたリーガルテックのフローに自分たちが寄せていくという視点が有用です。

イメージしやすいのは、電子契約です。
これまでの【押印申請(紙)を回覧→押印】という流れだと、物理的に同一の空間にいない在宅ワーク下では、そもそも押印申請を回覧することができません。
そこで、押印申請自体を(メールなどで)電子化することは勿論ですが、そもそも押印申請の回覧者を電子契約サービスのフローの中に入れてしまうといった変更も考えられるでしょう(下はクラウドサインの送付先設定画面)。

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4.Part ~いきなり全社導入だけが答えではない~

ここまできたら、実際に使うイメージがかなりできているはずなので、あとは、誰が使うかを考えてみましょう!
ベンダーサイドからすると、もちろん全社的な導入がとても嬉しいですが、実際には法務だけだったり、法務プラス一部の管理部門や事業部という使い方でスモールスタートするということも有効です。

他方で、実際のところ、リーガルテックは「法務だけのもの」と思われがちですが、実は非法務の方にもご利用頂くことで、よりパワーやシナジーを発揮するプロダクトも多くある印象です!
予算が許す範囲内で、より効果が出やすい方々にお使い頂けるのがよいと思います。
例えば、テックに興味があって、嫌な顔せずに協力してくれるという同僚の方がいらっしゃれば、そういった方を巻き込むのも一つの必勝パターンですね。

なお、実際に導入をかなり前向きに考えている場合には、各ベンダーのカスタマーサクセスチームに質問することも可能かと思いますので、少し踏み込んで確認されることをオススメします!

まとめ

つらつらと書き連ねてきましたが、ユーザーからリーガルテックベンダーのカスタマーサクセスに立場を変えた者として、自社に合わないサービスを入れてしまったがために、リーガルテックに対して負のイメージを持たれてしまうことほど、双方にとって不幸なケースはないと感じています

その点では、今回のポイントを念頭に置いて頂ければ、選定時の「大きな間違い」は確実に減ると思っています。

本投稿で書かせて頂いたポイントが、少しでも多くの法務の方のお力になれることを願っています🙇‍♂️


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ありがとうございます!最高です!
リーガルテック「Hubble」を提供している会社のカスタマーサクセス(前職はメーカーの法務担当でした)