見出し画像

今だからもう一度考える、契約書フォルダ分けベストプラクティス!

皆さん、こんにちは🙋‍♂️
これまでになく在宅ワークへの移行が進んだこともあり、WEB会議システム、チャットサービス、電子契約など、急速にコミュニケーションを含めた業務の環境がデジタル化へ大きくシフトしていますね。

そんな流れは、法務業務も例外ではありません。

これまで口伝であったり、紙でやりとりしていた内容が、メールやチャット、各種データに「半ば強制的に」移行することになり、いかにこうした情報を管理するかが今まで以上に課題になってきています。
こうしたデータ管理の文脈では、(タグ付け等もありますが)「フォルダ分けもまだまだ重要な手段の一つと言えます

このタイミングだからこそ、締結版だけでなく検討過程も含めた契約書のフォルダ分けのベストプラクティスをまとめていきます!
なお、ここではHubbleを活用した場合を念頭に置いて説明しますが、いわゆる「社内の共有フォルダ」でもほぼ同様のことが言えますので、Hubbleユーザーではない方も続きをご覧ください!


1.フォルダ構成を決めるときのチェックポイント

検索性
そもそもフォルダ分けをする目的は、ファイルを検索する際に、検索キーワードが分からなくても検索をかけるよりも早くお目当てのフォルダを探せるようにする、という点があります。
言い換えると、①自分たちが辿(たど)りやすい構成か、②一つのフォルダの中に(延々とスクロールしないと目視で確認できないほど)多くのファイルが存在していないか、が重要な視点になります!
具体的には、下記の点が検討の際のポイントです。

当該フォルダの主な利用者法務and/or事業部?
自社の年間の契約数

メンテナンスコスト
皆さんもご経験のある通り、フォルダ構成については、ちょくちょくメンテナンスを要することがあります。
こと契約書に関しては、閲覧権限の設定が緻密に行われるケースが多いため、組織やサービスの統廃合を原因として、企業によっては何度もフォルダ構成を変えなければならないこともあります。また変更後は、この変更点を周知した上でこれを運用させるため、多くの人を巻き込む場合もあり、ここに労力がかかります。
こうした将来生じ得るメンテナンスを、なるべく省エネで乗り越えられるように備えることも重要です。つまり、

企業内における組織やサービスの統廃合の頻度
・当該フォルダを利用する人数

といった点も重要な考慮要素になると言えるでしょう。

以上を前提に、ここからフォルダ分けのパターン図を列挙していきます!
なるべく階層を増やさないという考え方のもと、基本パターン3種と基本パターンを組み合わせたハイブリッドパターン2種をご紹介します!
パターン図の見方はこちらの通りです↓

フォルダ構成例 (2)

また、各パターンには、オススメのタイプの企業も付記しました。
これは、各項目を全てを満たさなければいけないという趣旨ではありませんので、オススメの対象外でも、業務を遂行できるイメージが湧くパターンがあれば、試してみる価値があると思います!
特に、新たにHubbleを使い始める場合には、これまでの「社内共有フォルダ」で活用していたフォルダ構成をそのまま引き継いだ方が移行がスムーズな場合も多くありますので、下記のパターンと併せて検討してみてください!

それでは、各パターンを見ていきましょう!

2.基本パターン①(部門別フォルダ)

基本パターン①

こちらは、社内の部門部署でフォルダ分けするパターンです。
アクセス権限を詳細に分ける場合の基本構成になるでしょう。
組織に沿った権限設定ができるため、最初のセッティングは比較的容易な一方、組織変更に伴うメンテナンスには弱いという特徴があります。
このため、以下のイメージの企業にフィットしやすいといえます。

〈こんな企業にオススメ〉
☑️契約件数が、年間500件未満
☑️事業部メンバーもHubbleのフォルダにアクセスする
☑️組織体制が安定
頻繁に変更が無いしている

3.基本パターン②(年度別フォルダ)

基本パターン②

こちらもオーソドックスな年度(月度)で分けるタイプです。
各月当たりの契約依頼数は、一定の予測が立つので、年間の契約数が多くなっても、フォルダ内のファイル数が一定の範囲に収まって見やすくできます。
他方で権限設定は都度行う必要があり、その度に工数が発生する点に注意。
このため、以下のタイプの企業にフィットするパターンと言えるでしょう。

〈こんな企業にオススメ〉
☑️契約件数が、年間1,000件未満
☑️法務のみがHubbleのフォルダにアクセスする
☑️フォルダ(部署)ごとに閲覧権限を設定することが必要とされない

4.基本パターン③(タスク管理型フォルダ)

基本パターン③

こちらは基本パターンと言いつつ、やや変則的です。
フォルダ分けで完了/未了程度の簡単なタスク管理もしてしまおうというもので、一石二鳥にも見えます。
しかし、フォルダを移動させるルールを定着させる必要がある点で、思いの外、大人数での運用は困難を伴います(私も実際にこのパターンで運用していたことがありますが、その時は一人法務でした)。
従って、以下のタイプの企業「以外」には、あまりオススメできません。

〈こんな企業にオススメ〉
☑️契約件数が、年間1,000件未満
☑️法務のみが
Hubbleのフォルダにアクセスする
☑️法務担当者が、5名以下

5.ハイブリッドパターン①(部門×年度型)

ハイブリッド①

このパターンが、実際には一番多いかもしれません。
契約件数が1000件を超えており、基本パターンだとどうしても一フォルダ当たりのファイル数が多くなる場合には、もう「ひと階層」増やしましょう!というものです。
第四階層のドキュメントやファイルの名前には、稟議番号や社内の申請番号などを付記して使うのも良いですね!
一方で、組織変更に弱いのは、基本パターン①と同じなので、以下のタイプの企業「以外」には、あまりオススメできません。

〈こんな企業にオススメ〉
☑️契約件数が、年間500件以上
☑️事業部のメンバーも(Hubbleの)フォルダにアクセスする
☑️組織体制が安定頻繁に変更が無いしている

6.ハイブリッドパターン②(部門×タスク管理型)

ハイブリッド②

多くの契約書を取り扱う場合においても基本パターン③のようなタスク管理ができるようなパターンになります。
一フォルダ当たりのファイル数が相当な数になってしまう場合に、完了/未了で区分けをして、少なくとも今取り掛かるべき案件は何かがパッとわかるようにすることを目的とした構成になります。
部署で第一階層にフォルダを作成しているので、事業部と共に使用する場合にも対応可能です。
基本パターン③と同様に、運用の維持には多少コストを伴いますが、以下の企業にオススメできます。

〈こんな企業にオススメ〉
☑️契約件数が、年間1,000件以上
☑️事業部のメンバーも(Hubbleの)フォルダにアクセスする

7.まとめ

計5パターンをご覧頂きましたが、実際に使えそうなパターンは見つかりましたでしょうか?

「契約書管理に特化したフォルダ分け」として範囲を絞っても正解は一つではありません。
また、フォルダ分けは、ファイルを一箇所にしか保存できないファイルに複数の属性を紐づけることが苦手というウィークポイントがあります。

こうした背景から、契約業務遂行にあたっては、キーワード検索を使いこなすことも無視することはできません
特にHubbleを使う場合には、Wordの本文も含めてキーワード検索が可能なので、フォルダ階層はそれほど深くせずに、検索と併用して使っていくのがベストです。

いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んだ結果、「やっぱり小さな作業コストが増えた」となっては本末転倒です。
このフォルダ分けなど、小さなしかし後々効いてくるポイントをきちんと押さえて、より法務の皆様が、気持ちよく働けるようになればと思います!

なお、もし、上記以外にこんなフォルダ分けはどう?というご意見がございましたら、そちらもお待ちしております!!

ありがとうございました🙇‍♂️

(よりHubbleに特化したフォルダ構成の記事も書きました!)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?