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【Audible本の紹介13】メルケル 世界一の宰相(カティ・マートン)

今回紹介するのは、2021年発行の人物評伝、東ドイツで育ち、科学者として働き、ベルリンの壁の崩壊を機に政治に身を投じ、2005ー2021にドイツ政治のトップとして活躍したメルケルさんの生涯を知ることができる本です。

どんな人生か?

冷戦期の東ドイツで育つ、物理学とロシア語を勉強、科学者という選択、2度の結婚、というあたりはある意味、典型的な東側の一人の女性の人生という気がしました。

そこから、統一後のベルリンでの仕事や生活の経験から、35歳で政治への転身。ここが、人生の岐路になったポイントだったと思います。
なぜ、そうしたのか?というと、、、、
その発想は、西側の社会に触れてみて、「政治が最も大きく社会を変えられる」と感じたことと、もともとの野心的な性格によるものだと思います。

自分には、ここまであたりの、本の前半部分が、特に興味深かったです。

どんな人物か?


メルケルが求めるのはとにかく結果と感じます。往々にして男性政治家が欲する?注目も功績も欲しがらず、結果を出すために、粘り強く話し合いを続け妥協点を見出す。こんな基本姿勢が見てとれます。


決して器用な方には見えないのに、芯の強さを武器に、誠実そうな雰囲気をまとい、思慮深く課題に対応し、なんでも貪欲に実現していく感じを受けます。

プーチンとの関係

本の後半の首相就任以降の各国の政治家とのやりとりでは、プーチンへの対応に注目して読みました。ロシアを知っているからこそ、基本的に嫌い、決して信用しない、その姿勢は、正しい態度だったという振り返りができると思います。

好きな歌は?

ドイツでは首相は退任式で、自分の好きな歌を流してもらうことができるそうで、そこで流れたのが「カラーフィルムを忘れたのね」という東ドイツの歌。当時の東ドイツ社会を白黒写真のような社会のよう、と間接的に表現した歌とのこと。本人には、人文の青春時代を思い出させる懐かしめの歌なんだろうと思います。

【参考】ドイツとメルケルについての分析(芳地隆之さん記事の紹介)

たまたま見つけたのですが、記述がとてもくわしいです。芳地隆之さんは、海外事情のウェブでの投稿を続けておられて、さすがと思います。


メルケル 世界一の宰相

好きな歌は? 「カラーフィルムを忘れたのね」


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