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【読書感想文】ネンレイズム・開かれた食器棚 山崎ナオコーラ著

会社近くの図書館で借りたい本がすぐに手に入りそうになかったので、さらーっと見た中で、前から気になっていた山崎ナオコーラさんを2冊借りてきた。

この本の前に「男友達を作ろう」を読んだ。面白くなかったわけじゃないけど、なんつーか、やっぱ男ってつまんねーみたいな感想しかもてなかったので感想文は書かなかった。


だってさー、全員じゃなかったけど、みんなどっかかっこつけてて、ナオコーラさんはそうは書いてなかったけど、かっこつけセンサーが敏感に反応してしまうのでね。。。うーん。男友達ほしくて読んだけど、私は、今の友達で充分楽しいから増やさなくていっかってところです。


そして、読み始めたこの本。

「ネンレイズム」

違いを認め合うところが読みやすくて、とてもよかった。後半びっくりの展開があって思わず「え!!」って声が出てしまった。その前の展開もびっくりだったんだけど、仮想の世界でも若者が命を落とす話はつらい。新しい命が流れてしまったのも残念だったけど、よかったのかなって思ってしまった。生まれてこなくてよかったなんて思っていいのかなと思うけど、若者が一人で背負うには無茶すぎると思うくらいには了見の狭い大人になってしまったのかな…


けど、たぶん雁は一生忘れないと思う。たぶんじゃないな絶対忘れない。そういう子だと思う。それは悲しみとしてじゃなく、徐々にちゃんやその子がこの世に確かに存在した喜ばしさを持ってずっと思い続けていくのではないかと思う。この先、そういう雁のことを理解した上で一緒に歩んでくれる人が現れることを心から祈っている。


あとは、編み物っていいのかもしれないって少しだけ感じた。今の気持ちは、やっぱり手のひらが多汗症なので、すぐ始めたりしないけど、もしかしたら、いつか始めてしまうかもしれないみたいなことくらいを感じてはいる。(まどろっこしい)それくらい、ひと目ひと目を積み重ねる行為が自分に合うような気はしている。けど今じゃない。もう少し年取って手に汗かかなくなったら始めようかな。


「開かれた食器棚」

これも良かったー。

園子さんがいてくれてよかった。園子さんみたいに誰かを支えていけたらいなと思った。私も喫茶店やりたいし。菫ちゃんにコーヒーカップを持ってきてって頼むところ、すごく良かった。

鮎美さんも怖がりだけど勇気を持って生きているところが本当に素晴らしいと思った。


これは、出生前診断についてナオコーラさんが考えていることが反映されているんだろうなと思った。(個人的にはあとがきとかで聞かせてもらいたいけど、無いのは無しでいきたいからなんだろうから、読み取るしかないけど)

私も命を選別しているようでその存在自体が嫌だなとずっと思ってた。けど、子どもを持つ機会もないくせに、ことあるごとに自分なら受けるかなということを考えてはきた。その結果、事前に準備して受け入れるために自分なら受けるかなと思ってはいた。うーん、受け入れるって書くと調べなきゃ受け入れないのかって思えてきてそれも嫌だけど。鮎美さんの意見なのかナオコーラさんの意見なのか分からないけど、「数か月で個人が調べる情報力なんてたがか知れてるんだから」という記述があり、もう存在自体反対なんだなと思った。


限界があるかもしれないけど、産まれてすぐの体力のない時期に調べ物をする自信もないので、相談先にはどんなところがあるのか、どんな支援が受けられるのか、どんなケアが必要なのか、どんなことを自分ができるのか、親として整えられるのはどんなことなのか、、、私は知っておきたいなと思う。100で生まれてきてくれてありがとうって思いたい。それがいきなりできるほどできた人間じゃないと思う。私は。私の人間の思慮のなさで少しもにごらせたくない。


自分の気持ちのくもりを絶対見逃せないからこそかもしれない。


世の中みんながこのコミュニティ・カフェ ハワイアン・カフェのように優しく賢い人であふれた社会であってほしい。違いを受け入れる勇気をもってほしい。みんなで暮らしていくにはどうしたらいいか、考えてほしい。


私が富豪なら、このカフェで働く全員をハワイに連れて行ってあげたいなぁ


ハワイはいいよなぁ…


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