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わんわんが思うこと。
今日はそんなお話。


前世の時から、俺はよくわからない人なり犬なりに思われがちだそうだ。
まあ前世は本当にキャストとしか話さないからそう思われただろうし、今はSNSなり現場なりで頭のおかしい言動が多いからそうなるのかもしれない。

大丈夫。全部考えてやってるから。

こうやって言えばさぞ嫌味な人間になるし、よくわからなさが増してサイコパスにでもなるのかもしれない。

でもまあ、俺はそれくらいでいいと思う。
こいつおもしれーと思ってくれても、キモいと思ってくれても、生理的に無理でも、まあいい。
今のほとんどのアイドルなりキャストなりは、俺のことをある程度はわかってくれていると思っている。
そして俺と関わってくれて少しずつ同じ時間を過ごしている人たちも、俺のことは何となくわかってきたのではないかと思うからな。

ま、そんなことはいいんだ。
ちょっとアイドルの話でもしておこうかな、と思うんだ。


俺が店に通い出した当初からライブに来て欲しいなんて勧誘をどれくらい受けてきたかというと、多分挨拶レベルだと思う。
ずっと「いや俺はいいわ」と答えてきたし、それは良くも悪くも住み分けだと俺は考えていた。

俺はコンカフェの客。好きなのはキャストであってアイドルではない。

この線引きは3年前にここに来た時から俺が長くここにいるために決めたレギュレーションの一つでもあった。
何となくだが、当時からそういう場所でいずれファンやお客さんが衝突する未来しか浮かばなかったし、俺が昔からそういうゴタゴタに極力巻き込まれたくないスタンスであったことはある程度の方々がご存知だと思う。

だから気楽なスタンドプレーが良かった。
それで楽しいことは十分あった。
キャストの誰とも仲良くできたし、自分にとって幸せな時間は確かにあったからね。

ただまあ、長く居るとそうもいかなくなってくる。
覚えている方々もいるかもしれない。
なんとなーくであったり別の目的があってライブに行ったことはある。

誰とも関わらないようにどうやって会場にいればいいんだろうと色々考えて、何か後方でぼんやり突っ立って見ていた記憶がある。
その頃店に全通していた俺は他のお客さんの誰よりもライブ映像を見ていて、正直どのライブもそれの焼き回しにしか見えなかった。
これの何が楽しいんだろって、当時の俺は本当に思っていた。
やっぱ俺はアイドルオタクではないもんなあと納得もいった。

今更ながら白状すると

『私が卒業する時は絶対に来て欲しい』と言った人の卒業ライブの時、チケットを買うまでしたが諸事情で俺はライブハウスに入ることが絶対に出来なかった。あれは本当にごめん。

色んなショーレースの時、義理も大事だよなあと加担したりもした。
でも俺はアイドルがわからん人間で、そんな人間が居ていい場所ではねえよなあと思ったし、大切に思う人たちがみんなで盛り上がって楽しくやりゃええと思っていた。
その頃にはもう完全に異質な存在になっていた自分が居て、変に気を遣われたり空気が悪くなるのが嫌だったからね。

色々ゴタゴタがあった時も、俺はアイドルなぞ何一つよくわからなかった。
はっきり言えばコンカフェ客の自分にとってそれはただの障害でしかなかったし、今一つピンとこない議論も結構あった。
だから結局は『俺のやってること意味ねえじゃん』ってなってしまったし、自分の楽しい環境や場所はアイドルによって全部奪われていくように思えてしまった。

いやまあ、俺本当にアイドル嫌いだったなーと思うんだな。
ごめん悪口のつもりはねえんだ。ただ当時はホントそうだった。


今現場にいるのは、もちろん俺の大好きな人がきっかけではある。

『あの子が絶対喜ぶから来て欲しい』

と、何度も何度も何度もアイドルからもお客さんから言われた。
そして内心俺が絶対行くかボケェ!と思っていたのは、大体察しがつくだろう。

これも結構みんな知っているから言うが、俺は彼女がアイドルになった時めちゃくちゃ怒った。すんげえ怒った。
『それは頼むからやめてくれ』って言ってたことを好きな人がやった時、俺の思う正解は激怒だからな。優しく許すとかない。あり得ん。

もちろんすぐ解決しましたが、色々な人にご心配をかけ、ご配慮頂き本当にありがとうございました。

だがまあ俺が複雑だなーと思ってることくらい、当時周りにいた人たちはわかってたと思う。
好きな人が関わっているから、という理由だけで割り切れるほど頭は良くない。
俺はちょっと考えることをやめて、とりあえず眺めることにしていた。
相変わらずコンカフェで狂ってはいたが、アイドルとか知らんし関わりたくない。
俺はそこは何も知らんってスタンスを続けていた。


ライブに行った起点はある。
予想通りというかまあなんつか、アレがアレで下がってきた時期があった。

そして各方面何回言われたかわからん『あの子が喜ぶから来て欲しい』があった。

気にはなってるけど、それとこれとは話は別。
はぐらかして俺は知らないを決め込んだ。

そしてちょうどその頃合いに、仲良くしているお客さんからバンドのライブの誘いを受けた。
ライブに行くなんて学生時代以来で、プライベートに近過ぎない知り合いだからこそ行こっかなーと思った。

うわーライブハウスとか久しぶり過ぎてわからん。
演者もよく知らんけど何か楽しいだろ。
そんな気軽さで行ってみて、そして最後何故か一緒に暴れている俺がいた。

あーそうか。ライブってこうだったよなあ。

そう思った。
そしてそこで色々迷ったり考えていたピースが少しずつ合わさっていった。

そっか。俺は目の前にいるキャストがステージに立っているのをずっと見てなければならないって勘違いしてたんだな。

アイドルは見せ物、俺らは見物客。
ただ発信されたものを受け取るだけのモブ。
最初からそういう刷り込みが自分の中にあることを感じた。

違うじゃん。
俺もライブにいるんだよ。直接投げられたものを俺も受け取って、それで俺も返すことができる。
だからライブに行く意味がある。
これはテレビの中じゃねえもんな。

それが本当のきっかけだと思う。
俺はそこからライブに行ってみようと思った。
そして一から勉強しようと思った。
アイドルとか知らん。わからん。
何も全然わからん。わからんけど、だから楽しいことがわかんねえ。

まあアレがアレなのはさておき、俺は俺でライブの楽しみをちゃんと見つける努力をせんとな。
ええ大人が決めつけはよくねえ。ちょっと本気で頑張ろうと思った。

そこから色々努力してみた3ヶ月。
最初は俺に絡んでくれる人たちの力を借りて、コールの紙をもらって、何となく合わせて。
最初化繊とか読めなかったし、全然リズムも系統もわからんかった。

だんだんコール覚えてきてライブにも通うようになってね、そしたら今まで何百回くらいは聞いていてほぼ覚えているはずの曲が全然違うものに聞こえてくる。
一人一人のアイドルのダンス、今日はここが良かったとかここ間違えたよねとかわかるようになる。
会場の雰囲気、今日はもっと盛り上げたいなーとかすげえ熱だなーとか。
どんどんわかるようになって、どんどん入っていけるようになった。

友達も少しずつ増えて、一緒に沸く。
違う現場に行って、全然知らない人たちと一緒に沸く。
何だこれ、めっちゃ楽しいぞ。
そうかアイドルのライブってこうなのかって、少しずつわかるようになった。
そして同時に、ここにいる人たちが見ていた景色も今ようやく自分にも入ってくるようになった。

そっか。君たちはずっとこの景色を見てたんだね。


何も知らなかった俺がここに今いるのは、本当に誰も信じることが出来なくなったあの時にあなたを信じて、自分を信じて欲しいと引き止めてくれたあなたのおかげです。
そのくせ勝手にへこんですぐ泣いて、急に怒って立ち直って、言うこと一つも聞きやしないあなたを思うところまでやり通させるのが俺の今の使命です。
良かったな!俺とお前は一連托生だぞ!

そして彼女の周りにいる仲間はそれを助けてやって欲しいし、もちろん一人一人思うところまでやり通して欲しい。まあ俺は君たちが挫けても笑わせるのと声出すのは得意だからそこは任せてくれよ。あ、あと泣かせるのも得意です。

でもって、一人一人何かいい感じで幸せになれよ。
安心しろ。お祝いくらいはしてやるが、俺が捨てられたらよろしく頼むな。

そして俺と関わって色んな世界を見せてくれて、しんどいことばっかと笑いながら、でもぼちぼちやりましょーと手を取ってくれた周りにいる方々と居て、また少しずつ俺が見ている景色は変わっています。

本当にありがとう。
いつも助けられてます。
そして結構助けてるけど笑。
共に燃え尽きるまで、同じところにいる限り、手をとって一緒に楽しくやれたらいいなと思ってます。

そしてリーダーのあなたたちへ。
いつも言っていますが、俺はあなたたちにかける言葉がありません。
俺が謝ることも、怒ることも、同情することも、共感することも、全てあなたたちに失礼だと思うのです。
ただただ、あなたたちが積み重ねてきたことが全てです。
俺は全力で応えます。



追伸
いやーめちゃ書き直した。
方々に失礼があったら本当にすいません。
なんか俺はこんな感じで過ごしてきて今こんな気持ちですよーって話です。
気持ちなんてそれこそ人それぞれって思うし、色んな人の色んな気持ち聞くとまあ俺も書いておくかなって、そんな感じです。
これで一区切り。まだまだもっと楽しくやれると思うので、俺は俺なり頑張ります。
よろしく!

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