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レインボーマウンテン②

サムネの写真がレインボーマウンテンだ。

朝5時にツアー会社の前に集合した。
街灯に照らされた、石造りの町並みは昼間とは違う幻想的な景色を映し出していた。まだ誰も起きていない町の中を、冷たい空気を感じながら歩くのは特別感がある。
それを表現するほどのカメラの腕がないことが惜しい。

集まったツアー客は10人程度だった。そしてバスが到着し乗り込んだ。
いくつかのピックアップポイントがあるらしく、停まるたび人が乗り込みクスコの町を出るときには、ほぼ満車になっていた。

レインボーマウンテンまではバスで3時間くらい。海外旅行であるあるのこんな道をバスで行くのかと思いながら進んでいった。朝が早いのもあり、出発して30分もすると、眠気に襲われた。
バスが停車したのを感じ目が覚めた。車窓から外の景色を見ると、壮大な山々に囲まれていた。着いたのかと思って降りたが、違った。
時間は7時前くらい、着くには早い時間だなと思いと運転手が「desayuno」と言った。朝食だ。小学校の給食で出てきそうなアルミの食器に玉ねぎのスープとパンにいちごジャムとバター、あまりおいしくないコーヒーが用意されていた。イスとテーブルはささくれが目立つ木で出来ていて、小屋みたいな食堂だった。
谷なので日も入らず、凍えながらの朝食だった。
朝食を食べ終わり出発まで時間があったので、外に出て景色を楽しんでいた。隣にいる友達は煙草を咥え、火をつけていた。

再び、バスに乗り込みレインボーマウンテンを目指した。
バスは4800mの場所に到着し、歩いて5100mにあるレインボーマウンテンに向かう。出発したクスコが3400mにあるので、1700mを3時間くらいで上がることになる。出発する前から、高山病には気を付けてとアナウンスが何回もあった。

とうに森林限界は越えているので、砂と岩が混ざったような緩やかな登りを歩いていく。10分くらい歩くと少し急になる。そこにロバが用意されていた、ほとんどの人はそのまま歩いていくが、友達は「疲れたから乗っていく」と。
ロバにまたがり軽快に5000mの山を登っていった。さすがに、人間の足はロバの足には叶わないので、どんどん差を広げられた。
しかし、そこで何を思ったか、負けたくない気持ちが芽生え早歩きになり、最後はほとんど走っていた。何とかロバに追いつき追い越し山頂付近で友達を待っていた。
だがその代償は大きかった、めちゃめちゃ疲れるのに加えて頭が痛い。完全に高山病だ。これまで高山病と無縁の人でも、5000mで走ってはいけない。

代償を払いながら何とか山頂まで到着し、周りを見るとレインボーマウンテンの名にふさわしい光景が広がっていた。

山肌の地層がはっきりと映り、緑や青・赤に色づいている。アンデス山脈は隆起により出来ているので、そんな光景が創られたらしい。山頂は、360°見渡すことができた。レインボーマウンテンの反対には、夏でも雪が残る山々が聳え立っていた。

地球が織り成した壮大な景色を目に焼き付け下山した。
日本の最高峰よりも高い場所にいたので、バスに乗った瞬間から疲れが来て帰りも眠りに落ちていた。

クスコに戻り、スーパーに寄り食材を買いホテルの屋上でお昼にした。
屋上からのクスコの町並みを堪能しながらゆっくりと時間を過ごし、夕方にインカトレイルの打合せのため、ツアー会社の事務所を訪れた。

行程と注意事項を確認し荷物を預けた。
メインイベントであるインカトレイルが始まるわくわく感を胸に、事務所を後にした。


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