【エヴァ考察】セカンドインパクトと13号機
今回はタイトルの2つが少し進展したのでその報告です.いつも通り混み入った話になりましたがよろしくお願いします.
1.セカンドインパクトのトリガー
(1)トリガーとは
まずこの“インパクトのトリガー“という用語を確認します.劇中で何回か、例えば次の台詞に登場します.
前者はニアサー、後者はサードインパクトについて言っています.2つのセリフからどうやらインパクトが起きるところにトリガーあり、となりますがもっと言えばトリガー=引き金ということからして、インパクトをもたらすのがトリガーという存在と言ってしまって構わないでしょう.
そうなると、セカンドインパクトにもトリガーは存在したはずです.以下ではセカンドのトリガーについて検討していきます.
(2)アダムス
セカンドのトリガーについてとりあえず真っ先に思い浮かぶのは破のセカンドインパクト回想に登場したアダムスです.これについてマリが13号機を「アダムスの生き残り」(Q•C-1302)と認識していたことからはじめたいと思います.
マリのこの一言から、この世界では基本的にアダムスは失われた存在である可能性があります.マリはシンエヴァでNHG戦艦をアダムスたちと言いましたが、これらはアダムスの躯を再利用して造られたと考えることができます.
また、「生き残り」ということからセカンドインパクトで4体のアダムスと共に消えるはずだったがそうはならなかった1体が13号機の素体だったと推測できます.
さらに、次の諸々を総合するとこの「生き残り」がセカンドのトリガーだったことがみえてきます.
インパクトの際、生命の樹となって巨大化した神に取り込まれる者はトリガーの可能性が高いわけです.
したがって,セカンドで生命の樹になった「アダムスの生き残り」はトリガーだったと考えられるのです(取り込まれた先の巨大化した神も想像がつきます).そしてサードのトリガーについても,リリスに取り込まれていたのは初号機だったと推測できます.以上の議論はその多くを製作段階の資料に負っていますが、これについては記事の末尾で触れたいと思います.
話を戻すと、サードのトリガーが初号機という一応の結論を得られたわけです(問題の詳細は「第11使徒/マリの正体(仮)」の2).これでようやく次の台詞が素直に理解できることになります.
なお、シンエヴァの紫色の生命の樹らしき十字物体が,エヴァイマジナリーに取り込まれた可能性については「インパクトの方術試論」で考察しました.
2.セカンドインパクトの内容
引き続き上記に関連して、シンエヴァでNHGシリーズが次々光の翼を発生させているのを見たミサトとリツコの台詞が気になってきます.
というのも、光の翼を生じさせるNHGシリーズを見てミサトが引き合いに出すのはセカンドインパクトであってサードではない,ということ.これには理由がありそうです.それはサードになくてセカンドにあった…たとえばアダムス4体が挙げられるでしょう.そしてこの4体に関連して、NHGがトリガーに使えない旨のリツコの返答は、翻ってミサトがこのときNHGをトリガーと見ていることを示唆します.つまり、ミサトの理解ではセカンドインパクトのアダムス4体はトリガーだったという推測が立ちます.そうするとあれれなんだかトリガーがいっぱい.
混乱しそうですが,実はこれを理解する糸口になるのがQのフォースインパクトです.
指摘しなければならないのは、2人の台詞から示唆されるようにQで13号機の覚醒が招いた一連の結果はフォースインパクトに含まれるということです.これはシンエヴァで各インパクト回想シーン(1:35:20あたり)にQのインパクトが含まれていることにも表れています(さらにここでニアサーがサードに含まれていないことも伺えます).Qのラストはアスカの強襲に始まり様々なことが立て続けに起こってわかりにくいのですが、あの場面で注目したいのは地上に姿を現した黒き月です.
つまり、フォースの内容というのは「黒き月の復活と魂の浄化」ということではないか.これらを達成するのにインパクト2回分のエネルギーが費やされた.そしてインパクトと月は何やら関係がある.
では,セカンドインパクトに話を戻します.このフォースの理解に寄せてセカンドの内容を考えてみます.公式Twitterで白き月の存在が明らかになったことは覚えているかと思います.すると、セカンドインパクトの内容とは「白き月の復活と海の浄化」と考えることはできないか.
あー貴様やったな、計ったなと思われる方もいるかと思いますが(詳しくは「君の名は」)、とりあえずこれでアダムス4体をトリガーに白き月の復活を、1体をトリガーに海の浄化をそれぞれ起こしたという推測ができます(組み合わせは逆かもしれませんし、それらが同時に起きたのかも不明なので緩く考えたい).先ほどのトリガーがたくさんというのは、目的が複数あり多くのエネルギーが必要だったからといえそうです.
セカンドインパクトについては以上になります.個人的には見通しがよくなったのですが皆さんはどうでしょう.
蛇足ですが今後の課題として1つ.Qで格子柄となった白き月(コンテではコア化).上述フォース、セカンドと続いて、サードインパクトには白き月が関係した可能性がより明確になったのではないでしょうか.いったい何があったのか.
3.13号機について
続いて13号機です.素体がアダムスであることはマリの台詞もあって指摘してきたところです.くわえて腕が4本、眼も4つあることから素体に2体用いられている可能性も指摘されてきました.素体2体説については未だ一般的な説明がないと思われ、以下で少し検討してみます.(→完成版「13号機とシンクロ」)
まずは『3.333』映像特典の前田監督のイメージボード集です.ゲンドウらのいる基地で、ある機体が2つの異なる性質を持つよう描かれます.Qで新登場する13号機とみていいでしょう.
わざわざ色分けされるほど強調される異なる性質となればその候補はリリスではないか.そこでリリス=ユイという説を紹介します(下記動画8:25辺り).いささか乱暴に要約すると、ユイが神の世界にいたこと、Qの巨大レイの頭部に向かってユイと語りかけていたような描写からユイは神であるリリスというものです.
ユイが本編で裏に押しやられつつも要所要所で存在感を出すことに説得力を持たせます.もっともここで紹介したのは次の画像がつながるからです.
ユイがリリスならば、13号機の収納された両腕のポーズと手の甲の描写がユイのそれと著しく似ていたことがつながります.13号機の素体はアダムスとリリスということになりそうです.
また,そのように考えることで,13号機の装甲が初号機カラーなのはリリス由来だからという説明が可能となり,翻って新劇でも初号機の素体はリリスと考えられ、エヴァインフィニティが紫色なのも黒き月つまりリリスに由来するからでしょう.Qで14年間誰も侵入できなかったリリスの結界を13号機が突破できることも説明つきます.やはり,素体はリリスということでよさそうです.
今回は以上になります.最後まで読んでいただきありがとうございました.
感想等あればよろしくお願いします.
画像:©khara/Project Eva.
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