見出し画像

米津玄師「死神」に、ちょっと驚くw /落語ファンのヒトリゴト

米津玄師の「PaleBlue」CDがきょう自宅に届きました。数年前から割と家族ぐるみで米津ファンなんで、自分だけiTunesで買うのもなんだし、CDにしようと思ったわけです。

で、届いてみてちょっと驚きました。「PaleBlue」はドラマ「リコカツ」の主題歌でもあるし、「♪ずっと~」から始まるフレーズが切なくていいなと思ってました。2曲目の「ゆめうつつ」はNEWS「ZERO」のエンディングテーマで聞いてたから、寝る前に聞こうと。で、3曲目ですよ。

「死神」ってなんやねん?と思ってたらあーた、「死神」じゃないですか。落語の大ネタの。米津と落語は自分の中で結びついてなかった。

ご存じない方のために短く説明すると、ひょんなことから死神が見えるようになったある男。枕元に死神がいなければその病人は死なない、というわけで、名医に成りすまして大金をせしめる。ある日出来心から死神をだまして病人の命を救うが死神は激怒して、男を洞窟に連れていく。洞窟の中には燃え尽きそうなロウソクがあり、男の寿命だと告げられる。火をほかのロウソクに継ぐことができれば命は助かるといわれるが・・・なんて話です。

男が名医を気取って死神除けとして唱えていた呪文が「アジャラカモクレン、テケレッツノパー」。

この呪文が米津「死神」の歌詞としてまんま入っている。というか、この呪文と「火が消える、火が消える」、そして最後にロウソクの火を吹き消してしまうあたりを表現したくて曲をつくったんでしょうね。

「flamingo」にもにた曲調(flamingoも落語の廓話を思わせるようなテイストですよね)ですが、今回の「死神」も落語ファンとしては鮮やかな切り口に感嘆!

落語「死神」は演者によってバリエーションが無数にあり、大トリの演目としても人気が高い作品です。私が聞いた中で「面白い」と思ったのはクシャミで消してしまう柳家小三治さん。死神に凄みがあり、「怖い」と思ったのは柳家喬太郎さん。火を継げずに死んでしまうオーソドックスなサゲでも「上手い」と思ったのは五代目圓楽さんですかね。

米津「死神」に影響を与えたのは立川談志師匠かもなとも思います。談志さんは男がやっとのことで移し替えたロウソクの火を無情にも死神が「フッ」と吹き消すサゲを演じています。

この先、米津さんに曲にしてほしいネタあるかなあー。人情噺ってわけにもいかないし、ユーモアとペーソスを兼ね備えたような噺、となると・・・「居残り佐平治」があるか!

そんなわけで米津さん、行き詰まったらぜひ「居残り佐平治」で一曲お願いしますぜ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?