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(頼まれてもいない)アルバム音楽のコンセプトを(勝手に)考える話。後編

前回のあらすじ。
スロウタイの新譜が実にパニック映画のサウンドトラック的なので、いっその事アルバムのイメージで映画を勝手に想像してみた。
(前後編の後編です。前編コチラ↓良かったらどうぞ。)


(アルバム『UGLY』の曲順↓)



7.ハッピー
なんか良いコトでもあった?って聞きたくなるようなテンションの曲。テンポもノリも良いのだけど、
何故かイマイチ幸福感は感じられ無い。
どっちかってーと、慶事を喜んでいるっつーよりUFOでも見て興奮してるイメージかも。
(迷路のようになってしまった自宅に困惑しながら脱出経路を探す2人。ふと相方が自分が棲家にしている壁の中を通れば良いのでは無いかと言う提案をする。小柄なパートナーならともかく、自分は無理だと主張する主人公だが、身体が変形したりするのは別に誰の都合ではなく、この場にいる者全てに適用される法則なのでは無いか。この推論は当たり、細長いスペースを自由に行き来出来る事が判明した。)

8.アグリィ
表題作。タイトルの意味調べてみたら『醜い』‥えええ!ジャケ写の目の下のヤツ、タトゥーじゃねーよね?消せるヤツだよね?
大体分かってきた。明るい歌の次は暗い曲だって。多分楽しくし過ぎて疲れちゃうんだろーな。もしくは調子乗ったの必要以上に反省しちゃってんだな。
曲調は救急車が遠くから来てすれ違う時のサイレンみたいな浮遊感の音が繰り返される。今まで散々不安やら感じたアルバムだけど、更に自分では何も出来ないみてーな自暴自棄的な雰囲気まで追加されてる。
(コレからどうなってしまうのだろう。ずっと外の光を見てないせいか思考も自然と暗くなって行く。常に視線を感じているが、それが敵か味方かは分からない。ただ自分の名前をずっと呼んでいる気がして居る。)

9.フォーリング
8の流れを汲んでる。全体を諦めや絶望のモヤが覆っていて晴れる可能性が見えてこない。
声がかなり不安定で震えて揺れたり、息継ぎのタイミングが滅茶苦茶になっていて、でもそれすら繕う余裕も無いのがありありと感じられる。
(壁を抜け、樋を通り、窓を破って脱出を試みるがその続きはまた部屋で。虚構の世界になってしまった我が家だが、意外に食べるのには困らない。定期的に台所が出現し、ソコには何故か2人の好物が用意されている。相棒は穴開きチーズに潜り込みモグラよろしくチーズを更に穴だらけにし、そんなパートナーに促され主人公も冷蔵庫に入っていた熱々のステーキを頬張る。しかし腹が満たされる事は無い。全ては嘘で出来ているからだ。)

10.ウォッツ・ファニー
騒々しさが凄い。2曲も連続でムンクの叫びみたいな曲を演ったもんだから反動が凄いんだろう。主ボーカルとバッキングボーカルの掛け合いが印象深い。
(襲来と撃退。ここに来て初めて敵意剥き出しの攻撃力を有するキャラクターとの対峙になる。相手の顔付きは頬肉が何重にも垂れ下がりグレイの毛色と相まって老人のように見える。しかし胸元に視線を移すとドーピングでもしたかのように胸筋が盛り上がっており、恐らく逃げきれないと判断した2人は、邸宅の異常事態を逆手に取って連携しつつ白い悪魔に攻撃を加えていく。
主人公が虚を突かれ伸びて鋭く尖る爪を突き立てられるのを庇ったのは今まで共に逃げて来た相棒だった。更に攻撃を加え敵には辛うじて勝利した。)

11.ターニケット
アルバム1の慟哭が更に不安を煽る曲。てか、コレは曲なのか?M-1決勝のランジャタイ位攻めた内容。分かりやすい程の苦しみに言葉が無くなってしまう。歌詞の中で言っちゃってんだよね。ブレイク!ブレイク(壊れた)!エスケープ(逃げよう)!って。ホントこれ歌ってる人切羽詰まってるなってなる。
更に終わり5秒位で曲調方向転換して急に終わらされるっつー最後まで不穏な曲。
(謎の存在からの攻撃を受けてパートナーが瀕死の状態。今までは農器具等が体を貫いても穴が空いてジョウロのように飲み水が漏れる程度で済んでいたのだが、実態の有る攻撃はそうは行かないらしい。大声で泣き出す主人公。)

12.25%クラブ
このアルバム内としては静かで優しい響きの曲。途中から女性の声でコーラスが入って来るのが一見落ち着きを取り戻し、平和を享受するようなイメージが有る。
でもコレは実はミスリーディングを誘っていて、最後にはフランダースの犬的な終わりを迎えているストーリーの歌じゃ無いかと思う。理由は先述した女性コーラスが曲の後半で主人公と尺が入れ替わって最後には主人公の存在が無くなっているから。
穿ち過ぎ?しゃーないしょ、ずっとこー言う楽曲続くんだもん!聞き手も捻くれるわそりゃあ!
(いよいよ相棒の息遣いが小さくなると、突如出現するエントランススペースと磨りガラスが嵌められたドア。脱出可能なのは1人だけ。そう突き放されたような気がしたが迷っている暇は無い。自分が外に出て助けを呼ばなければ、このお人好しのパートナーは死んでしまうのだ。
「待ってろ!今助けを呼んでくるから!」磨りガラスから覗く表の風景には青空が見えており、外部から救出すれば何とかなると言う希望を示しているかのようだった。)

(しかし、ガラスの向こう側には突如、浅黒い肌色をしターバンを額で一つ結びにした顔がヌウッと現れた。固まる主人公。ああ、何故コイツを忘れていたんだろう。)


「‥‥トム‥‥そんな所に居たのかい?サボって無いで早くネズミを捕まえな!!」
(1.に戻る。)


実はトムとジェリーってパニック映画並みに非常事態起きてますよね!その中で2人が喧嘩しながらも共闘する話、嫌いな人居ない説。
いや〜映画ってホント良いですね。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!

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