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人生イチの思い出の話

こんな偉そうに音楽を語っちゃっているが、実は音楽ライブに生まれてこの方行ったコトが無い。

丸1日以上の連休を取るのが難しい仕事なので、移動往復3時間以内・宿泊無しの条件じゃないと‥を、踏まえた上で住まいが北海道の半分より上にあり興味有るバンドが移動可能地域まで来ないからだ。
しかし、去年の秋口。条件の合う音楽ライブが有り、初めて音楽ライブに参加出来る事になった。

バンドの名はカーリング・シトーンズ。私達世代に響きまくる豪華メンバーで、トータス松本や奥田民生を擁したユニット。何故こんな田舎で?の理由はバンドに縁が有るカーリングチームの地元だかららしい。ロコ・ソラーレありがとう。

コレは行かなきゃライブなんてもう一生行く機会が無い!と思って、休み(コレが貰えるか1番怪しかった)とチケット(7件目で取れた本気でラッキーだった)を確保。
ソレから1ヶ月は曲に慣れようと、与えられた時間は全部シトーンズを聞いた。このご時世にシンガロングは有り得ないのは分かってる。でも好きなミュージシャンと声を合わすこの行為に憧れてたから、せめてマスクの下で口パク位は‥と、仕事中でも口ずさんでた。

当日、開場2時間前に到着。音楽ホールの玄関に向かうとソコは既に販促目当ての長蛇の列。こんな田舎に皆何処に隠れてたんだよ!と最後尾に並んだ。目の前でカウントダウンのようにグッズが売り切れて行く‥でももうソレさえも感動だった。
指定の席に着き、待つ間他の観客の姿も見たけど恐らく私と同じく普段はライブなんて観られない人も多数いる筈で。そー言う人達は自分と同じ事を思ってる筈‥

もし、期待して面白く無かったらどうしよう。もし、詰まらなかったら明日からどう音楽を聞けば良いのだろう‥。
でも、その考えは全くの杞憂。思い過ごしもいートコだった。

ユニットのメンバーは皆年齢50超えてる筈なのに3時間弱の間、楽器を鳴らし声を張って歌ってた。合間合間の会話は平和でやっぱり年の功か軽快で、ずっと今まで活躍しているバンドマンを身近に感じさせてくれた。
多分、メンバーが鳴らした音を聞いて観客が跳ねたり拳を挙げたりしてるのだろーけど、オーバーハングした後ろの席から見ていると掻き鳴らされた楽器の音が会場の床を唸らせ、ソレに身を任せた観客がポップコーンのように跳ねているようだった。

昔から見知った声や顔が生で直接届くこの状況に堪らなく興奮した。今まで男性アイドルの姿で気を失うファンをどっかでバカにしてたけど、こりゃ失神するわなって思ったよ。
隣の席のおじさんは最初棒立ちだったけど、途中から拍手や手拍子しだして、最終的にはメンバーに手を振る位までに観客として太くなってるが伝わって来てものっそいシンパシーだった。

凄い経験をした。今まで感じたコト無い見知らぬ人達との一体感。
隣のおじさんの顔も見てないんだよ、前列の人が男か女かも分からない程の他人なのに。



興奮でフワフワしたまま会場を出て蛍光灯の下で掌を見ると、手拍子や拍手で内出血しており両方とも紫色の輪っかが浮き出てた。

ホントに、本当に最高の日だった。今日の衝撃を大事に、小出し小出しにしながら後20年頑張ろうって思った。



帰りの車で、眠さを堪えて覚えた曲を1人シンガロングした。同じライブを見た帰りなのだろう同じ峠道を行く車のヘッドライトが数珠繋ぎになってソレがまた感傷に浸らせてくれた。

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