ちょっとだけ長男の話

突然ですが長男は私よりかなりの音楽聞きです。

私自身結構な音楽好きと自負してるけど、長男の音楽遍歴は相当なモノ。

先ず話は彼が幼稚園だった頃に遡る。
この頃長男は幼児番組の音楽に嵌れず好きな音楽ってのは特には無かったんだけど、お出掛けや送迎時にカーステレオから流れてくる音を長男は覚え始めます。パートナーが掛けていた、AKB48、ゆず、或いはミスター・チルドレン等のポップミュージックを皮切りに、私が運転する時に必ず聞く邦、洋ロックの数々を耳を澄まして聞いていたようです。

物凄く、耳の良い子だった。

何10km先で鳴る船の汽笛が聞こえたり、耳が良すぎて大きな音は必要以上に大きく聞こえるらしく苦手。一度カラオケにも連れてったけど機器から放出される爆音を怖がって即帰ったりもあった。
(ちょっとこの性質が困りモノで、このままだとこの音楽大好き男はロックのライブなんて一生見られ無いのでは？と心配してた)

ある日、小学校の遠足で大きな音のなる工場見学が有って、パニックになってしまった時の気付け薬代わりにと長男の好きな楽曲を何曲も入れて担任に渡したiPod shuffle。以後も余りに並外れた音が鳴り響きそうな学校行事(どんなやねん)の際には同様の作戦で凌いでいたのだが、中学で長男に大きな転機が訪れる。

元カシオペアの神保彰さんの舞台を見る機会に恵まれたんだ。

私は残念ながら見られなかったのだけど、本物のプロが鳴らすドラムは長男が持ってた大きな音への不快感なんかを全部吹っ飛ばしてくれたらしい。
このコトは彼の人生で最大のラッキーだったと思う。だって音楽に於いての最大の楽しみを満喫出来るマインドを手に入れたんだから。ソレを家族の私も嬉しく思ってる。

今、長男はSONYのウォークマンの大ファンで、2台使いしてる。
なぜ2台かってーと、長男が今まで好きになった楽曲を全部そこに大事に仕舞っているから。5千曲を2台だよ？w勿論前述のiPodも未だちゃんと持ってる。もうロックのお大尽だよw

フー・ファイターズ、レイジ・アゲンスト・マシーン、BTS、あいみょん、ニルヴァーナ、トゥワイス、ウルフルズ。
めっちゃ振り幅有るしょ？これでもまだまだ一部なんよ。
でも良い年した子供に音楽のラインナップ聞き出す母、気持ちわりーよなって思ってあんま詳しく聞けんかったw

(今日なんて、次男が「今俺が聞いてるバンド！」つって流した楽曲を「ファイブ・セカンズ・オブ・サマー？」って即答してビックリした。いや偶然知ってただけかもだけど！そんな長いバンド名を淀み無く‥コイツやりおる、ってなるよねー。ちっちゃい頃は私の背中‥じゃなくて、聞いてる音を追っかけてただけだったのに、いつの間か母の方がゴボウ抜きされとるw)

生まれて来た時に悲しみを表す手段や怒り方をどっかに落っことしてしまった長男にとって、音楽は一緒に泣いて慰めてくれたり、爆発する仕方を教えてくれる、自身の半身のようなモノ。

だからいつか、彼が住まいを作るなら彼の持つウォークマンを具現化したような家が良いなと思う。

今の家は余り音響的に良ろしく無いのでステレオには拘りたいし、自分を解放して音楽を楽しんで欲しいしソフトの管理的にも、温度と湿度もある程度しっかりしたい。神保さん以降はライブの映像も良く見てるからプレイヤーもちゃんとしたヤツ揃えられたら良いな。あれヤバいな私が住みたい。
それと、長男の耳の良さを見込んでレコードを聞かせてみたいってのがある。もしかしたらデジタルで切り捨てられた未知の音を発見するかも知れない。

昔の映画や小説に出てくる古い書簡や骨董品をこれでもかと並べた、家ってか蔵みたいな。
大体物語の中に出てくるよね。その蔵に住み着いて書画やなんやを出しては戻してを繰り返す書生みたいな。

ぎっしり自分の好きな音楽を詰め込み、紐解いたり日に透かしたりして何百回でも何万回でも飽きるまで眺めると思う。

まあ、音楽聞きエリートの長男が音楽に飽きるコトなんて先ず絶対無いけどね。(自慢)