"ぽかぽか日記"
【変わりゆくものと保ちつづけるもの】
秋に綴ったごとく、仲良しふたりと早めの忘年会を『ニューハナイ』で実行してきた。
ちなみに予約は1ヶ月前から入れる気合いっぷり。
出てくる料理はやっぱりどれもハズレがなくて、味覚の合う私たちなので、一口運ぶたびに、彦摩呂顔負けの食レポ並の感想を言い合う。彦摩呂ってもう時代終わってるんかな。今の若い子たち知ってるんかな。
載せきれないので厳選して。相変わらずワンオペキッチンにも関わらず、どの料理も絶妙なタイミングで無駄なく出てくる。今宵も海老沢シェフに乾杯。
あ、食べものの話で終わりそうだった。危ない。
一応忘年会という名目だし、一通り2023年のあれこれを振り返りながら、話しの内容が確実に大人になってきてるよねって。だけど、最後は決まって、私たちって本当10年前となんにも変わらないねって言い合ってる。可笑しいけど嬉しい。
みんなそれぞれの人生を、こんなもんかともがきながら、それでもなんとか生きてる。
たまにこうやって集まって、とりとめのない話をしながら、また日常に戻ってゆく。
これで良い。これがいいんだろうね。
2024年も笑い合い励まし合っていくぞ〜!
[生きゆくもののたくましさ】
実家の庭にはさまざまな生きものたちが共存し合っている。あらゆる植物や花々、実をつける樹々たち。祖父母の趣味から育ったこの庭は、彼らの愛がたくさんつまった宝物のようだ。
もはや何を育てているのか把握しきれていないけど、今年はみかんが大豊作だった。
我が家のみかんと言えば、毎年小さくは実をつけるものの、あまり甘味がないのでそのまま食べるというよりは、煮詰めてジャムにしたり、みかん風呂にしたり、そんな使いかたをするのが定番だった。
が、今年はオレンジ並みの大きさのみかんとも言い難い実がいくつもいくつも成った。もちろん無農薬なので、不揃いではあるけれど、あまりに立派に実ったので家族中驚きだった。暖かい気候と台風の影響がなかったせいなのか明確な理由はわからないのだけど。
農家さんからわざわざ取り寄せたみかんのような、お店顔負けの甘〜いみかんを、たくさん食べられてしあわせだった。
毎日庭へ出てボウルいっぱいに収穫されるみかんたちを見ると、祖父母もみかんもより一層愛おしく感じる。
毎年、その年の気候に実を委ねつつ、特別なことはしていない我が家の庭の生きものたちは、確かに生きていた。
夏は暑さの影響で去年は立派に育った苦瓜や胡瓜は不作だったけど、葡萄が豊作だったりしたな。
同じ時期に育つものだって、毎年同じわけではないのだ。まるで人間と一緒だね。
生きている限り、生命ある限り、みな平等ということ。
『今頃チューリップ植えたの』と笑いながら言ったおばあちゃん。
わたしが春先に色とりどりに咲き誇るチューリップが好きと知っていて、毎年決まって植えてくれてるの気づいてるよ。
来年も暖かくなった頃に花開いたチューリップを眺めて、おばあちゃんのやさしさをめいっぱい感じよう。