13歳のフィリピン留学 #7
統括
なぜYさんが留学先としてフィリピンを選んだのか
塾の経営者であられるYさんが、こどもたちの留学先として
各国を巡り探した結果、フィリピンだったこと
実際に行ってみて、私の中では腑に落ちました
理由①貧富の格差を肌で感じれる国
モノに溢れ、不自由さの無い日本で暮らしている子供たちにとって、同世代のこどもが日々食べることに必死に生きている姿を見ることができるのは、アジアならではかもしれません
そしてなぜこの貧富が生まれてしまったのか、未来の自分と照らし合わせることで今の立ち位置を確認する気づきが生まれたのではと、息子を見ていて感じます
理由②物理的・金銭的に適している
フライト時間が3時間から4時間という短さから、エアアジアなどの席の狭い飛行機でも我慢ができます
私たちはエアアジアで往復3万5千円でした
東京~大阪間の新幹線代とあまり変わりませんね
それから、電子機器が日本のコンセントで使えるということもありがたかったです
変圧器を持っていかなくていいので、少し荷物がらくになります
ただし、ドライヤーなどのワット数が高いものは要注意です
理由③英語が綺麗
私が今まで訪問したアジアはタイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールの4つの国
その中でもシンガポールとフィリピンは英語が共通語としてかなり浸透していますので、発音がきれいだなと感じました
個人差はあるかも知れませんが、その他の国に比べるととても聞き取りやすかった印象です
理由④想像以上の発展途上国
息子がフィリピンに行く、と友達に伝えた時
彼らは「死なずに帰ってきてや~」「銃で撃たれないで~」
ととても危ない国に行くという印象をもっていたようです
息子自身も想像していた、学校で教えられたフィリピンとは全く違ったと述べています
フィリピンの活気、若さ、開発のスピードなど、日本の中では感じられない劇的な成長のパワーを感じられる国と言えそうです
このように、他のアジアの国と比較してもフィリピンだからこその魅力があるように私は感じました
実際に留学していたエリアはとても綺麗で安全だったことも、行ってみないとわからないことです
日本で想像していたフィリピンとは違い、これからの国だということが肌で感じられました
13歳という年代で留学経験したことの意味
たった2週間だったので、正直今回の留学が息子にとってどのような影響があったのか、という答えは見いだせてはいません
ですのであくまでも想像ではありますが、息子の兄姉の時の状況から考えた時に私なりに感じたことがあります
13歳という年齢は、近い未来様々なターニングポイントが訪れます
高校受験、大学受験、就活など、少しずつ選択していく範囲が広がっていく中で、このような留学経験があるのと無いのとでは選び方も異なるのではと思っています
実際に息子は将来、海外の大学への進学を考えたいと言いました
今までそのようなことは一言も言ったことがありません
少なからずとも実際に海外に行ったことで出てきた言葉なのでしょう
そして13歳はとても多感で敏感な年代でもあります
自分のことを見つめ直す時期でもあります
大いに悩み苦しみ、成長していく大切な時期だと思います
一方そろそろ親から離れたくなる年でもあります
わが子が何を考えているのかわからない親御さんも沢山おられることでしょう
親からの自立、そして留学で得た自信は何かしらの変化をもたらせてくれると信じています
「日本を外から見る」という視点もとても大切だと感じたことのひとつです
特にトイレや公共の場では日本の清潔さのありがたさを感じたようですね
そういえば寮のシャワーはお湯がぬるくて嫌だとも言っていました
このような日本では当たり前だと思っているライフラインの充実さは、海外に行かないと絶対に感じられません
私はこの13歳というタイミングで留学を経験させられたこと、本当に良かったと心から感じています
薦めたい親子留学
そして何より私が今回の留学で感じたのは、親子で行くことの重要さです
海外に行くと、こどもは不安になります
その不安を全面的に受け止めてやれるのは親だけです
信頼関係がより深くなるように感じます
そして一緒に様々なモノ、コトを見て感じ学ぶことは、共通の体験として一生ものだと思います
会話も増えます
笑顔も増えます
もしかすると不登校で困っている方や親子関係がうまくいっていないと感じておられる方など一度チャレンジしてみてもいいかもしれませんね
実際にYさんのもとで、不登校だった子が留学を経験してから学校に行くようになったという事例もあります
今回、息子は私にべったりでした
日本ではこんなにくっついて歩いたりしません
4人兄弟、私なりに分け隔てなく愛情を注いできたつもりでしたが
もっともっと自分と向き合ってほしかったのかもしれません
両親ともに独り占めできた、彼にとっては貴重な時間だったのかもしれません
もうひとつ、親子留学はお母さん自身の人生にプラスになると思います
私のように、こどもは留学先の寮に入ってもらい、親はコンドミニアムに滞在するパターンをおススメします
寮に入ることでこどもも不安なりにも自信がつきます
お母さんにとっては海外赴任気分になれる時間です
洗濯、掃除、料理などはもちろんご自身で行わなければなりませんが、それも海外でのやり方だと思うと楽しいものです
ガスの付け方、ゴミの出し方、電気の付け方だって日本とは違います
スーパーで売っているものも、果物を始め色々です
いろんな料理にチャレンジできますね
それから必ずと言っていいほど、トラブルが発生します
それを対処する力も必要です
子どもに偉そうなことばかり言っていられません
そんな姿もこどもにとっては新鮮かもしれません
もし、兄弟と一緒に行けるのならさらに素敵な海外経験になるかもしれません
ほとんどのコンドミニアムにはプールが付いています
小さなお子さんでも楽しく過ごすことが出来ます
このように私は親子留学としておススメする理由としては、こどもだけでなくお母さん自身も楽しめる、いえ、お母さん自身が変わるかも知れない、そんな機会になったとしたら、これからの人生家族もご自身も、もっともっと生き生きとできるのではと思うからです
最後に…
今、フィリピンは本当に成長しています
改めて日本の危機を感じることも、ビジネスをしていくうえでとても大切な経験でした
フィリピンの活気あふれる若さ、人口の多さ
それと相反する日本の高齢化、閉塞感、そして生きることへの執着心の無さなど
これから私たちが生きていく日本をどう変えていけるのか、どんな日本でありたいのか、しっかりと考える機会となったこと
私は自分の出した今回の決断は、息子のためだけでなく自分にとっても大きな転機となったと強く感じています
息子の変化
あれから3カ月が経とうとしています
この留学を知っている人から「息子ちゃん、変わった?」とよく聞かれます
当初は何も変わっていない…と嘆きました
でも今ほんの数か月しか経っていませんがふと感じることはあります
まず心が穏やかになったようです
安定した、という方が合っているでしょうか
以前はすぐにキレていました
何か気に入らないことがあると、大きな音を立てたりモノにあたったりしていました
それがほぼ無くなりました
それから素直になったようにも思います
悪かったときや間違ったときは、ちゃんと謝ります
私が、「こうじゃない?」と異見したときも、素直に「そうかもしれない」と受け入れます
もしかすると、いわゆる反抗期の絶頂期が過ぎただけなのかもしれません
留学経験とは関係ないかもしれません
これは正直私にもわかりません
ただ、時々ふたりでフィリピンのことを思い出して話します
そしてもう一度行きたいね、って
これで私と息子のフィリピン留学の話はおしまいです
死ぬまで大切にしたいこの思い出を
ここに記し残させていただきます
完