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かぎしっぽのニーコ。

日課である朝の散歩には3つルートがありまして、

①八幡さん経由ルート
②緑道往復ルート
③商店街巡回ルート

を、その朝の気分であったり、縁日や験担ぎだったり、スーパーの朝市だったり、で決めて、およそ一時間程度で往復します。

ルート②の緑道ルートは桜や椿がメインに植樹され、足元は地区のボランティアさんが整備されている花壇があり、木漏れ日と生活音が合間った”のどかな日常”の味わいが深いルートです。

所々にベンチがあり、紺色キャップのおじいちゃんが休憩していたり、赤いメガネのお姉さんが本を読んでいたり、しています。

私も折り返しをすぎたあたりで、水分補給もかねてベンチに腰をかけることがあり、そろそろ水筒の中身を冷たいお茶にしよう、と季節の変化を確認したりしています。

そんなポイントで、
3回に1回くらいの割合で、鍵しっぽの黒猫を見かけるようになりました。
ちょっと痩せ気味な小柄な猫です。

まだ子どもかな、と思っていましたが、3,4ヶ月してもサイズが変わらないようなのでたぶん大人の猫であると推察しています。

しっぽの先がカクーンと折れていて、なんて見事な鍵しっぽ!!!

初めて目にしたときは、思わず「鍵しっぽ!!」と呟き、気持ちがバイーンと弾みました。

「ニャー」というよりは、「ニー」という感じで鳴きます。
近づいてくるけれど、一定の距離を保ち、そこで毛繕いをし始めます。
飼い猫?にしてはちょっと薄汚いような、でもノラ猫にしては身綺麗なような…懐っこいような、孤高なような、不思議な子です。

でも必ず、会うと「ニー」と挨拶をくれますので、とても礼儀正しい子です。私も「おはよう、ニーコ」と挨拶を返すようになりました。

勝手に「ニーコ」と呼びかけていますが、
女の子かなぁ…わかりません。
女の子っぽい感じがします。

ニーコに会うと良いことが!
みたいな特別なジンクスはないですが、ステキな鍵しっぽをゆっくり上下している姿は、本当に何かの物語のワンシーンのようで。

急に人の言葉を喋り出しても、あんまりびっくりしないかも。


10分程度で「そろそろ」と、ベンチから立ち上がろうとする直前に、ニーコの方が先にきた方向へと戻っていきます。フフン、と鼻を鳴らされているような、猫の不思議です。


「またね、ニーコ」と心の中でそう挨拶をして、カクーンと折れた黒いしっぽを見送ります。そんなサッパリとした関係でいるのがなんとも心地よく。



暑くなってきたら、なかなか会えなくなりそうな予感がします。


ニーコ♪ニーコ♪ニーコはまっくろカギシッポ♫

変な調子の歌でも作って、
このまま童心を楽しもうと思います。





-20220605-





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