本と育つ、本で育つ 「こどものとも」息子の場合
「こどものとも」(福音館書店)の恩恵をたっぷりと受けて育ったので、息子にも早いうちからそれを与えるつもりであった。私の幼少時には「こどものとも」のみだったが、「年少版」「年中向き」「ちいさなかがくのとも」「かがくのとも」と増えている(さらに現在は「こどものとも 0・1・2」もある)。それならば早速、と「年少版」から始めることにした。
最初の一冊を手にしたのは息子が2歳の誕生日を迎える4月。定期購読を予約した。毎月書店に取りに行くのが親子の楽しみになる。ただ、既に自分で平仮名を追ってどんどん絵本を読み、「ぐりとぐら」は全文覚えてしまっていた息子には物足りないようだったので、2か月後には「年中向き」に切り替えた。
「年中向き」のはじめの頃に手にした「しずかなまひる」(片山健、2007年8月)についての記録が残っている。読み聞かせると「ちいさなあひるをよんで」と言うようになり、文章はすぐに覚えてしまった。「まひる」はまだ意味が分からなかったようだが、「2歳3か月からは(絵本は)ほとんど全文を暗記」と記してある。翌月の「はだかんぼうはつれていかないよ」(鍋田敬子、2007年9月)は「とても気に入る。すぐに一緒に口ずさむ」だった。リズムのある繰り返しの文章が良かったのだと思う。いずれも今は品切れ中になっているが、特に「はだかんぼう」は次男も気に入っていた記憶があるので、残念である。このころ、絵本はだいたい三回から五回読むとほぼ文章を覚えていたようだ。
「かがくのとも」については、2歳3か月で「たべられる植物」(森谷憲/寺嶋龍一、かがくのとも絵本、1972年3月)をハードカバーで試しに用意してみたところ興味を示した。そこで、タイトルを見ながら息子が好みそうなもの、私自身が読ませたいものをバックナンバーを含め個別注文で頼むことにした。
バックナンバーは在庫に限りがあるので、「かがくのとも」に限らず、このころから良さそうなものを選んで早めに手に入れるようにした。「こどものとも」のありがたいところは、その種類の豊富さだけではない。軽くて子供に持ちやすく、薄くて本棚で場所を取らず、そしてハードカバーに比べお財布にも優しい。子育てにおいても、本当にありがたく頼りになる存在となった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?