3-1-7 それでもマスコミが他人のプライバシーを暴く理由(差別をなくす)

 ところが、ここまで言ってもマスコミが止めないことには理由があります。

 それは、人間という動物は、他人の醜聞に対して興味を持つものだということです。


文春を止めても

 「事実」として、もし、文春の方が他人のプライバシーを守るために自粛したとしても、他社が守ろうとしなければ、ただ文春さんの売り上げが落ちるだけです。

 醜聞を求める方はたくさんいらっしゃいます。有名人の失敗を求めている方はたくさんいらっしゃいます。仕事というのは、誰かの役に立つことで成り立っています。

 求められている以上、犯罪ではないのですから、もちろんやりますし、相手より良い情報をと思えば思うほど、過熱報道や虚構報道は後をたちません。

 結局、マスコミも、「個人」が悪いのではなく、仕組みが悪いのです。

 今までは、何か釈然としないながらも、どうすればいいのかわからなかったと思いますが、1人の人間を、「個人」と「役割」で分けるという戦略をお話したので、これからは仕組みを変えなければなりません。

 つまりマスコミは、「役割」についての嘘を暴くという職業にして、「個人」の嘘を暴く、プライバシーを報道してはいけない、という風に、法律を変えるべきだと思います。


マスコミには、やるべき仕事がたくさんある

 「そうすると、マスコミも調べるものがなくなって飽和状態になる」という危惧があるかもしれません。

 けれども、僕たちはこれから、日本国民であると同時に、世界人になろうと思っているじゃありませんか。

 僕たちは、現在、マスコミによってどれだけ世界のことを学べていますか。『世界ビックリ仰天ニュース』や色々な国の文化を教えてくださるバラエティー番組などもありますが、ほとんど教えてもらえていません。

 世界のいろいろなニュースを、現地に飛び、大使館と連動したりして調べ、それを面白く記事や映像に落とし込み、全人間の幸福に繋がるような報道を探しましょうよ。

 アラを探すのではなく、建設的な記事を書いていけばいいですし、現在、世界は、「役割」としての嘘で満ち溢れています。その嘘を暴いてください。

 そうすれば大スクープ連発できますし、報道賞だって狙えます。

 世界は現在、「嘘を言ったもん勝ち」の状況に陥っています。

 ぜひ、大々的に報道し、世界の危機になる可能性の芽を早めに摘み、世界のバランスを保っていただきたいです。


マスコミによる宣伝

 そして、同時に、日本が、世界に対してどのようなスタンスでこれから望んでいくのかを、嘘や誇張なく、宣伝していっていただきたいです。

 日本の税金を世界にかける分だけ、努力した分だけ、マスコミはもっとたくさん、海外に事実を宣伝し、報道してください。

 しかも必ず、自分の名前を責任者として記事(作品)に署名し、絶対に嘘をつかないで。(もちろん、最初は危険なので、徐々に実名を使えばいいと思います)


日本は、世界で人気がある?

 例えば最近、「日本は海外で人気がある」というニュースを、日本人向けに流すことが流行っています。それはそれで良いと思いますが、正直それは、世界の意見から一部をくり抜いたもので、世界の総意ではありません。

 僕「個人」の体感では、外国人は、自国に興味がある方がほとんどで、先進国ではそれにアメリカの動き、最近では中国が少し、EUに入っている国はEUにも興味があるという具合に感じられます。

 嫌っている人は少ないけど、特に好きだという人も少ない、つまり、興味をそんなに持たれていないという印象です。

 そして、「感情」を抜きにして、日本に対する良くない意見も聞きたいです。逆に、政治家はみんな悪いみたいな報道をしておりますが、良いこともたくさんしているという報道もして欲しいのです。


耳障りの良いニュース

 あなたたちは何も悪くない。外国からは称賛されているし、政治家が悪いんですよ、という記事は、確かに視聴者読者にとっては耳障りの良い言葉です。

 けれども、僕らは世界の中に在らざるを得ませんし、その中で力を持たなければゴールにはたどり着けません。

 「感情」的な高揚も大事ですが、日本と世界の現在と未来という「情報」もたくさん報道しなければ、自分たちが今どこにいるのか、という冷静な判断もできません。


マスコミという大きな力には責任が伴わなくてはならない

 マスコミという仕事は、「情報」を送り届けるという、とても大事で、とても大きな仕事です。

 人の「感情」を左右するという点では、政治家よりも重要な部分もたくさんあります。

 「役割」として誇り高い記事を作成し、他人のプライバシーを重んじて、「個人」としては緩く幸福に生きられるように、仕組みを変えましょう。

 マスコミのあり方によって世界が変わると言っても、決して過言ではありません。

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