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元彼が結婚していてショックを受けた話

彼と最後の別れのLINEをした日の涙とともに
封印したはずの気持ちは、今でもたまに疼き出す。

感情と理性は別物だ、とその度に思う。

あれから1年と4ヶ月が経った。
彼が結婚したことを、彼をフォローしている友人が教えてくれた。
びっくりした。というのが最初の感想。
そして後から段々とめちゃくちゃ、ものすごくショックだった。
「めちゃめちゃ太ってない?!ブサイクになったね?別れてよかったよ!」というイケメン至上主義の友人のド直球な感想に、おい、と思いながらも、ちょっとだけ、いや、結構救われた。
1人でいる時に気が付かなくて良かった。誰かといる時で良かった。笑い話にしてもらえて良かった。とも思った。

別れ話をしてから2年と2ヶ月、完全に会わなくなってから1年4ヶ月経ち、ようやく前を向いていけそうだと思えるようになる間に、私の知らない誰かと出会い、傷を癒やし、そして愛し、愛されて、家族を作った。
私が幸せにしてあげられなかった彼を、ずっと側で支えて生涯を添い遂げるであろう相手ができた。

沢山傷付けた私ができることは、彼がそうしてくれたように、彼の幸せを望むこと、そして、彼が幸せになったことを喜ぶことだろうと思いつつ、
そうできない、いい人になれない自分が悔しかった。

「一番好きな人とは結婚できないって本当なんだね」
別れ話をした後、彼が私に言った言葉を思い出す。

その言葉は、今も変わってないんだろうか。
今でもずっと、彼の一番でありたいと願ってしまう自分がいる。

「最近友達がプロポーズしてね、プロポーズの仕方がすごく素敵で。俺も使おうと思ってるんだよね。」
と、当時プロポーズするつもりだった私相手に意気揚々と語ってくれた彼も思い出した。二番煎じかよ…なんて思って笑ってたけど、そのプロポーズ、あの人にしたのかな。


変なところを押さないように気をつけながら、インスタにつけられたコメントやFacebookを探して、探偵のようにお相手の女性を探して、見つけた。
ストーカーみたいで嫌だな、と思っていたら、親友も同じように探し当てたらしく、思わず笑ってしまった。
写真以外は何の情報も得られなかった。
ナチュラルにヘソ出しの服を着たプロフィール画像だった。
私よりも美人さんで、でも何となく顔の雰囲気が似ていて、
いい人そうではあった。けど、私よりも派手そうな人だった。

彼は私と付き合っていた当初よりも、太っていて、髪の毛も伸びていて、彼のお父さんに似てきていた。
コロナ太りだろうか?お相手が作る手料理が美味しいのだろうか?…と考えてまた泣けてきた。

何を考えても泣ける。泣いてる自分に向けて、不甲斐なくてまた泣く。

こんなにもまだ未練があることがショックだった。

人のものになって手に入らないと分かった瞬間、こんな感情が沸き起こってしまうなんて、本当に馬鹿だ。

ここ数日、「結婚しました」の文章とともにInstagramに上げられたツーショットが頭の片隅にいて離れなくて困っている。
もういっそのこと、過去も丸ごと思い出して、思い出せるだけ思い出して、感傷に浸ろうと思った。
別れた時の文章を引っ張り出して、LINEのやりとりやアルバムの写真を掘り返す。

パンドラの箱を開けてしまった感。

過去のやりとりを見ていたら、今までとは違った視点で見ることができてしまった。
たぶん、あの頃、私は自分の事しか考えてなかった。彼が何も言わずにしてくれていた事に感謝をもっと向けてもよかったのでは、と今更ながら思ったり。
私に彼氏できた?としきりに聞いてきた彼、完全に会わない関係になる前には、私に彼氏ができるまで作らないって決めてると言ってくれていたし、それが嬉しくもあったな。
自分が変わってやり直したいと思ってると話してくれていた。自分がしっかりして、もう一度迎えに行きたいと。
彼と家族になる事は不安だと思っていたけれど、社会人2年目の彼に求め過ぎていたのかな?あれから2年経ったら彼も変わったのかな?
最後のLINE、未練がましい文章しか書けなくて結局返せなかったけれど、気持ちを込めて返信していたら、何かが変わっていた?

タラレバを繰り返してしまう。
あの人とうまくいっているなら、私だってあのまま別れた後に戻っていれば、彼とうまくいったのかもしれない。今更になって思う。

今まで、別れた理由を思い返しては、これで良かったんだ、間違いじゃないと何度も唱えて納得してきたはず。なのに。


でもきっと、あのまま付き合ってたらダメになってたよなぁ、と思う。
私も彼も、あれ以上お互いを成長させることができなかったと思う。
彼の家族の問題も、私にとっては大きな問題だった。結局きっと彼を傷つける選択しかできなかったと思う。
私の直感はきっと間違ってなかった。
今の私にはそう信じるしかないし、そう思える未来を作らなきゃいけないと思う。

彼と別れた後に、マカロニえんぴつの嘘なきという曲に心を打たれたのだけれど、

いつか君が本当に大事な夜に出逢ったら
離すなよ、逃げるなよ、迷わずに飛び込めよ

そんなフレーズを彼に当てはめて聴いていた。
そんなフェーズをひょいと越えて、彼は結婚していた。
恋人がいることくらい、匂わせてくれてもいいじゃん、突然でめちゃくちゃショックだったよ。

彼のFacebookはしれっと既婚になっていた。
結婚した日までわかってしまった。
5月5日。
奇しくも、私が別れてからぽっかりと空いた穴を埋めてくれたアイドルと出会って好きになった日だった。
「彼らを好きになって2年だ!」と思っていた日に、結婚していたなんて。
記念日被せてくるなよ、と思いながら笑った。
毎年、思い出してしまうじゃんか。と、勝手にムカついた。

少し前に彼の名前を検索したら(これもストーカーみたいで嫌だけど)、ジモティーの投稿が引っかかって、引越しのためにと家具を全部譲っていて、実家に帰ったのかな?と思っていたのだけれど、もしかしたらあのタイミングで同棲を始めたのかな…とか考えてしまってまた落ち込んだ。
切り替え早いよ…早く切り替えないとつらかったのかもしれないけど。。

でも、お相手とFacebookで友達ではあるものの、誰と結婚したかまでわからないようになっていたり、インスタのみのアップでタグ付けがされていなかったり。
ああ、気にされてるなぁと思った。気のせいかもしれないけれど。
変わらず一番でいたいと思ってしまう、強欲さに呆れる。
結婚生活、うまくいかなきゃいいのに、と一瞬だけ思ってしまった自分の小ささを責めた。
私の写真が彼の目に入った時のために、せめて、できるだけ綺麗でいたいなと思った。

好きだったな。
今でも好きだよ。
たぶんずっと好きなんだろうな。
あなたといるときの自分も大好きだった。
別れてからも、しばらく好きでいてくれてありがとう。
いろんな良い経験も、良い影響も、愛も、沢山ありがとう。
あなたに大事にされた記憶が、どうしても消えないよ。

思い出は美化されて、彼の良いところだけ思い出しては、きっと何年経っても蓋を開けて宝石箱を眺めるように覗いてしまうんだろうな。
私の青春をくれた人だった。
沢山傷つけてごめん。
ここ数日の私の心、あなたが感じた痛みに比べたら大したことないのかもしれないけど。すごく、すごく痛かったよ。
全部全部、嘘だったらいいのに、って思ったよ。
だから、つらい気持ちはここに置いていくね。

いつか笑って会えたらいいなぁなんて夢を見ながら。
あわよくば、いつかこの気持ちがバレてしまえばいいのになんて思いながら。

最後まで自分勝手でごめん。



結婚式に奪いにいく?と親友と冗談混じりに話した。
でも、奪いに来られて付いてくる男ってどうなの?という話になった。

そもそも、彼女だった私を一途に大切にしてくれる彼だからこそ好きだったんだよなぁと思い出した。
きっと、今も目の前の相手を大切にしているんだろうな。

変わってしまったねって言いたいけど、
変わらずそのままでいて欲しいな、とも思う。






最後の最後に彼に向けて、ひとつだけ強がりを。





いい人と出会えて本当によかった。
幸せになってね。

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