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それは長江の如く


先ほど知り合い方と「男」と「女」について話してきました。いろいろな話題を行ったり来たりしたのですが、総体的にいえば男と女です。

All you need is love
All you need is love
All you need is love,love
Love is all you need

ザ・ビートルズ『愛こそはすべて』より

必要なのは愛さ
必要なのは愛さ
必要なのは愛、愛こそ全てさ

僕が最近ハマってる曲です。愛は素晴らしいもののはず。愛が全てを解決する。この曲は男女愛についてのみ歌っているのかといえば違うような気もしますが、今回のテーマについて引用するならば、男女愛のものとして使わせていただきたい。愛が全てを解決するということは理想として美しい物であるし、その美しさを希求することがあらゆる文化的創造の価値であるし、人間の理性が生物として目指す到達点であることは疑わない。それでも人間同士はうまくいかないから理想であるのだ。特に男女間の愛は複雑で困難であるように感じる。それはなぜか。
男と女は同じ人間であるというだけで、中身は全く違うものだ。何か同じ物を楽しんでいるようでいて、楽しみ方が全く違っていたり。知り合いの人が再々言うことは「男女の間には長江のように深く広い溝がある」ということ。これについては僕も同意見だ。異性の話を聞いていて共感することは少なく、感嘆させられることの方が多い、自分の持ち合わせない視点から物事が見れるという点については異性との会話は刺激的である。
それでも男女が共同体となり生活を営む。それを可能にするのも相互による「愛」の他ないだろう。生物的に見ても男女が共同体となるシステムは合理的である。しかし理性的なところから見てみると必ずしも正しいものなのだろうか。
知り合いが言った面白い言葉「男は彼女を求める。女は恋愛を求める」
結果であるのか過程であるのか。男女関係があったとして、その二人が必ず同じ物を見ているのかといえばそうとは限らない。

「ビフォア・サンライズ」という映画を見てほしい、男女による恋愛の考え方について、この映画は緻密な描写がなされているように見える。特に女性視点からの考え方にスポットライトが当たっているように見える本作は貴重である。

生物的に男女が共同となることは正しい、しかし理性的に男女がわかり合うことは難しい。そのジレンマをどのように埋めるか。愛なのか、生活スタイルなのか、解決方法は人それぞれだ。
恋愛とは、男女が互いに互いを慕い合うものとして漠然と認識していたが、男のいう「恋愛」と女のいう「恋愛」の中身は全くの別物であるような気がしてきた。僕は男なので、男という主体から見た「恋愛」の視点を脱却することができない。女性の「恋愛」に対する理解を示そうとしなければ、僕は利己的な人間のままであるような気がする。それは恐ろしいことだ。
改めて、結婚することができる人たちについて考えてみる。彼らはそのジレンマをどのように克服することができるのだろう。やはり異性の恋愛を理解すると言う要素は欠かせないのだろうか。つまり、相手の考え方を理解するというキャパシティを広げていくことによって、異性との共同体を作ることが可能なのだろうか。
そもそも男女はどうしてこうも考え方が違うのかと言う点については得心がいく。生物的に両者の考え方は分かれている方がいい。共同体になったとき、それぞれが別のことを警戒できる方がリスクヘッジの効率が良い。男女の内面は異なる構造であるべきなのだ。

余談

人間関係は星の数ほどあるわけで、それらについて考察することは星を数えることのように不毛なことなのだが、その探求を止めることができないのが僕と言う性分なのだろう。一つでも多くのものを読み解き、解明したい。星座を作った人は、もしかしたら藁にもすがる思いで星の配置と神話を結びつけ、人間と宇宙との距離を縮めようと試みた結果なのかもしれない。そういった概念的なものに対するささやかな人類の抵抗のことを「真理への探究」という言葉に変換したい。こういった文化的な取り組みは経済とは離れたところに位置し、しばしば「それってなんの意味があるの?」と言う言葉に虐げられるが、それはとても残念なことのように思う。「やってみたいから」「楽しそうだから」それ以外に理由はいらないと思う。世界に人は溢れてるんだし、経済を回したい人は経済を回して、趣味や享楽に耽りたい人はそうすればいいんだ。「生産性」とか「効率」とか、そう言う言葉がキリストのように崇め奉られ、もはや宗教じみてると思う。仕事効率化を進める機械がたくさん発明され、人は休暇を確保する時間が増えるのかと思ったら、空いた時間にさらに仕事をするようになった。それってなんだか皮肉だよね。でもその背景には「子孫繁栄」という生物的本能とかも絡んできそうだから、手放しに非難するわけにもいかない。やっぱりいろいろな状況とかを読み解くのは難しい。愛が全てを救済する世の中はまだ遠くになりそう。

不滅のテーマ「男と女」その着地点はどこにあるんだろう

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