掬屋一

食べることと読むことと旅することが好き。文豪ゆかりの食べ物を作ったり食べたりします。 …

掬屋一

食べることと読むことと旅することが好き。文豪ゆかりの食べ物を作ったり食べたりします。 C95 3日目 東P60bにて、文豪ゆかりのレシピを文献を元に再現する文豪ごはんシリーズを頒布予定。 https://musubiyahonpo.jimdofree.com/

マガジン

  • 子鉄さんといっしょ

    最近は自分のオタ活はそこそこに、我が家の子鉄さん(3歳)の鉄活に付き従っております。 娘と一緒に楽しく旅行やお出かけができるといいなと思い、公共交通機関を推しまくっていたら、いつの間にか子鉄になっていました。蛙の子は蛙なのかもしれない。

  • 旅と食とときどき文学

    旅行と食べることが好きな筆者の旅日記。だいたい食べてます。

最近の記事

11年間、喉に刺さっている小骨

11年前の3/11から、ずっと喉に刺さったままの小骨がある。怒られそうでなかなか人に言いにくかったのだが、もう11年も経つしそろそろいいだろう、と思うので書いてみようと思う。 毎年、3/11になるとそわそわと落ち着かない気持ちになる。私はちゃんと、正しい振る舞いができるだろうか?と。 11年前のこの日、私は京都にいて、震災の影響といえば電車が少しだけ遅延したことくらいで(むしろ京都で電車に影響が出たことに驚く)なんの現実味もなかった。地震発生のまさにその瞬間、私は一人で電

    • アイスクリームと明治文学

      酪農家さんを応援しようということで牛乳消費レシピが話題になっていますが、そういえば以前出した本にも牛乳消費レシピがあったなーということで、アイスクリームの作り方と、アイスクリームにまつわる明治文学の小ネタを紹介します。 以下『国定図書館附属食堂 おばちゃんの料理帖』掲載のレシピ・コラムを加筆・修正したものです。 アイスクリームの作り方 明治時代頃の作り方を参考にした、乳脂肪分控えめのあっさり系アイスクリームのレシピです。 材料(2人分) 卵黄 …… 1個 砂糖 ……

      • 高松・菊池寛ゆかりの地めぐり

        高松に行ってきました。高松というと小説家・劇作家、そして文藝春秋社を創設した実業家としても知られる菊池寛の出身地。今回の高松旅行では菊池寛記念館とゆかりの地を訪れました。 詳しい場所についてはGoogle My Mapsにまとめたので併せてどうぞ。 菊池寛記念館 サンクリスタル高松という公共施設の3階にあります。1階2階は図書館で、4階には歴史資料館が入っているので、高松市の歴史に興味がある方は4階にも行ってみると良いかもしれません。 入り口には菊池先生の銅像が。中に

        • 丸亀城の文学碑(高濱虚子・吉井勇)

          先日、丸亀に行ってきました。目的は刀の期間限定公開&丸亀城石垣修復支援イベントへの参加で、そのときの様子は別の記事(「丸亀・ニッカリ青江プレミアムウィーク」)に書いたのですが、丸亀城で見つけた文学碑については記事を分けてまとめることにしました。 丸亀城について丸亀城は生駒氏によって築城され、その後山崎氏を経て、明治時代まで京極氏の居城でした。 数少ない現存天守の一つで、 ・日本一小さい天守閣 ・日本一高い石垣(単体ではなく4重に分かれた総体が) ・日本一深い井戸 と3つの

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          丸亀・ニッカリ青江プレミアムウィーク

          6月6日・7日と高松・丸亀を旅行してきました。今回のお目当ては丸亀で開催中の「ニッカリ青江プレミアムウィーク」! 丸亀城石垣の修復支援プロジェクトとして、ニッカリ青江という刀が期間限定公開されていまして、次に見られるのはいつか分からない!ということで見に行ってきたのでした。 この週末に行く方も多いかと思いますので、多少でも参考になれば&旅の記録として、丸亀での一日をまとめてみました。(丸亀城内の文学碑についてはこちらの記事に別途まとめました→「丸亀城の文学碑(高濱虚子・吉

          丸亀・ニッカリ青江プレミアムウィーク

          もみじ饅頭食べ比べ

          先日、友人に会いに広島に行ってきたのですが、その友人に、もみじ饅頭はどこがおすすめかと聞いたところ「にしき堂、藤い屋、やまだ屋あたりが有名だし、間違いないと思うよ!」とのこと。この3つのうちどれにしようか、広島駅で散々悩んだ結果……3つとも買っちゃいました☆ せっかくなので食べ比べてみました。 外観の比較左から ・にしき堂 もみじ饅頭(こし餡) 100円 ・藤い屋 もみじまんじゅう(こしあん) 95円 ・やまだ屋 もみじ饅頭(こしあん) 100円 パッケージは藤い屋のも

          もみじ饅頭食べ比べ

          こんぴらさんと文学者(森鴎外、北原白秋、吉井勇他)

          ゴールデンウィーク前半は、香川・琴平へ行って金刀比羅宮に詣でてきました。金刀比羅宮は「こんぴらさん」の愛称で親しまれ、古くから信仰を集めてきました。文人墨客も多く訪れ、森鴎外が「金毘羅」という作品に描いたことでも知られています。 今回は旅の記録として、金刀比羅宮周辺にある文学者ゆかりの碑と、多くの文学者が逗留した宿として知られる「琴平花壇」について記します。 参道の灯篭参道に建てられた灯篭、よく見ると片面にはこんぴらふねふねの歌詞、そしてもう片面には琴平ゆかりの文学作品が

          こんぴらさんと文学者(森鴎外、北原白秋、吉井勇他)

          都をどりと吉井勇・谷崎潤一郎・川端康成

          先日、都をどりを観に行ってきました。京都・祇園甲部の芸舞妓さんらによる舞踊公演で、明治時代から続く桜の時期の風物詩です。昭和19〜24年の6年間は戦争によって休演しましたが、その後の復興期には歌人の吉井勇が作詞で携わるなど尽力したことでも知られています。 吉井の依頼により、作家の谷崎潤一郎が狂言を手がけた年もありました。谷崎は、初めて関西を訪れた際に書いた随筆「朱雀日記」で都をどりを散々にけなしているのですが、後年、関西に移り住み関西びいきになるとともに都をどりも好きになっ

          都をどりと吉井勇・谷崎潤一郎・川端康成

          【食と文学旅】三国と蟹と三好達治(後編)

          先月の福井旅行の記録・後編です。 前編では、1日目に訪れたみくに龍翔館や東尋坊・荒磯遊歩道の文学碑、三好楼(三好達治仮寓跡)などについて書きました。 後編は、2日目に食べたセイコ蟹や、福井県ふるさと文学館、福井土産の話などについて。 2日目は、宿で朝食をとって一休みした後、永平寺を拝観し、車で福井駅に向かいました。(食と文学以外のことを書き出すとキリがないので永平寺については割愛) 福井駅前でセイコ蟹昼食を食べたのは、駅前の商業施設ハピリンに入っている「くずし割烹ぼん

          【食と文学旅】三国と蟹と三好達治(後編)

          【食と文学旅】三国と蟹と三好達治(前編)

          先日、と言っても1ヶ月以上前の話になりますが、福井に蟹を食べに行ってきました。母が北陸で蟹を食べたいと言って企画した旅行に着いて行っただけなのですが、偶然にも行き先は三国、三好達治ゆかりの地だったので、文学碑や展示などを見てきました。 <前編> ・みくに龍翔館 ・東尋坊・荒磯遊歩道の文学碑 ・三好楼(三好達治仮寓跡) など <後編> ・福井県ふるさと文学館  など 芦原温泉駅集合・昼食私は大阪から、両親は静岡県から、弟は滋賀県からと、出発地が違ったので、それぞれサンダーバ

          【食と文学旅】三国と蟹と三好達治(前編)

          夢野久作と福岡 作品の舞台めぐり

          先日、イベントで博多を訪れる機会があったので、夢野久作の作品に出てくる場所を巡ってみました。夢野久作は福岡の出身で、作品にも福岡の地名や建物がよく登場します。今回訪れた場所と作品は以下の通り。 ・九州大学医学部(ドグラ・マグラ) ・箱崎水族館があった辺り(ドグラ・マグラ) ・筥崎宮(山羊髯編輯長) ・九大〜箱崎駅周辺(空を飛ぶパラソル) ・櫛田神社(押絵の奇蹟) ・川端飢人地蔵尊(押絵の奇蹟) 「ドグラ・マグラ」といえば九大医学部 夢野久作の代表作「ドグラ・マグラ」の舞

          夢野久作と福岡 作品の舞台めぐり

          湯河原のバルコニーにて

          湯河原の宿のバルコニーにて、木の椅子に腰掛けて、本を読む。 虫の音と鳥の声と、遠くに聞こえる川の流れが心地よいBGMを奏でている。姿は見えないが、朝と昼と夕と夜と、メンバーがだんだん入れ替わり、時間が経つごとに少しずつ音色が変わっていく、シフト交代のオーケストラ。ほのかに暖かな陽光と、しっとりと湿り気を帯びた山の空気が肌に心地良い。 文字に疲れたら、木々の向こうに見える山の背を眺める。青黒い山の、稜線すれすれを、重たげな雲がのっそりと流れていく。ゆったりとした時間の流れを

          湯河原のバルコニーにて

          積ん読解消湯ごもり

          湯河原にある宿、THE RYOKAN TOKYOの「積ん読解消パック」を活用してひたすらゴロゴロダラダラ本を読んで過ごしてきました。その感想などまとめてみます。 利用した理由はこんな感じ。 ・金曜日に日帰りで東京に行く予定を入れていたら、水曜日に東京出張の予定が入り、一度大阪に戻るのも億劫だった ・東京〜大阪間の往復交通費>積ん読解消パックで2泊+新宿〜湯河原間の往復交通費 だった ・年内に読みたい本が溜まっていた ・滞在先でせっせと観光することなく、ひたすらダラダラするだ

          積ん読解消湯ごもり

          値段が書かれていない店

          2018年9月1日 伊勢での夕食に「値段が書かれていない店」に入った。おいしい魚介類とお酒を楽しんで、3人で7000円。大衆的で雰囲気の良い店だった。 値段が書かれていない店というと、高級店や時価の魚で握ってくれるお寿司屋さんあたりを想像するかもしれないが、大衆的な居酒屋でも値段が書かれていないことがある。伊勢市駅から近鉄山田線で1駅行った宮町にある「一月家」もメニューに値段が書かれていない店だ。 入ってみると、広々とした店内にカウンターとテーブル席、座敷席があり、席数は

          値段が書かれていない店

          朔日の伊勢神宮 お参りと朝粥と餅

          2018年9月1日 伊勢神宮の朔日参りに行き、いせ久の「朔日朝粥」と赤福の「朔日餅」を堪能した。そのときの覚書。だいたいの時間や待ち時間も記録したので、読者が朔日参りをされる際の参考になればと思う。 ・朔日参りについて ・すし久の朔日朝粥 ・赤福の朔日餅 朔日参りについて 「朔日(ついたち)参り」とは、その名の通り月の始めの1日に神社に参拝すること。伊勢神宮の内宮にも多くの人々が朔日参りに訪れ、そばにあるおかげ横丁でも参拝者をもてなすため、早朝から店を開いて朝市などが行わ

          朔日の伊勢神宮 お参りと朝粥と餅

          松阪と文学とすき焼き

          2018年8月31日 旅の途中、松阪に立ち寄った。松阪城址で梶井基次郎の作品を思い出し、和田金のすき焼きに谷崎潤一郎の作品を思い出した。そんな旅の覚書。 鶴橋の駅から伊勢志摩ライナーに乗り、10:41に松阪駅に降り立った。しばらくして友人の車と合流。この日は13:00に松阪牛のすき焼きで有名な和田金を予約していたので、それまでの時間つぶしに松阪城址を散策した。建物はもう何もなく、石垣だけが残っている。中ほどまで登ると、石垣の角に木々が少なく街に向かって開けた場所があり、景色

          松阪と文学とすき焼き