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ばあちゃん

ばあちゃんが亡くなってから何年か経ち、ばあちゃんと過ごした記憶が薄れてきた。もっと薄まってしまう前にnoteに残しておこうと思う。

まず、私の祖母はとんでもなく身内に嫌われていた。子供も沢山産み、孫も大量にいたのだが、実際ばあちゃんと仲良くしていたのは私だけだったと思う。

ばあちゃんは元々地主の長女で「気が強い・金遣いが荒い・性格が悪い」三拍子そろった最強の女だった。ただ、可愛さと愛嬌で実際友達は沢山いたみたいだし、私もばあちゃんのことが大好きだった。以下、ばあちゃんのチャームポイントです。

・ばあちゃんの好きなとこ①「世界を自分中心に回している」
 私は自分でも嫌になるくらいネガティブなのだが、ばあちゃんはスーパーポジティブだった。なにか嫌なことがあったら人のせい、嬉しいことがあったらウキウキと友達に自慢してマウントをとっていた。嫌味を一発かましては人をキレさせ「イヒヒー」と笑いながら逃げてく。心臓に毛が生えてるとはこのことである。八方美人でお金にもだらしなく、知らない間にエステを契約したり、宗教も掛け持ち(?)していて恐ろしかった。私の母も相当ばあちゃんに振り回されていたと思う。ただ、ばあちゃんは私にだけはとびきり優しく、毎年一緒にドラえもんの映画を見に行って、帰りに筆箱を買ってくれたり、母が夜遊びして帰ってこない日は面倒を見てくれた。私の愛情の半分は、ばあちゃんから貰った。

・ばあちゃんの好きなとこ②「ギャンブル好き」
 ばあちゃんの好きなものといえばパチンコ・麻雀・花札だった。しかも運も強いときて漫画の主人公タイプである。ばあちゃんの家に行くと、いつもファミコンで麻雀をしていて、私はそれを隣でゴロゴロしながら見ていた。
 お正月になると親戚が集まって花札をやるのが恒例で、花札は私も割と強い。ギャンブルはお金が減るのでほぼやらないが、私がスーパーのガラポンや地域のビンゴ大会にとびつくように参加してしまうのは、ばあちゃんの賭け事好きの血を引いているからだと思う。

・ばあちゃんの好きなとこ③「食のセンス」
 ばあちゃんは私が小学生にあがるころくらいまで小さいショッピングモールで定食屋をやっており、毎日のように繁盛していた。ばあちゃんのご飯はめちゃくちゃおいしい。ばあちゃんは定食屋を始めるまであまり料理をやったことが無く、二週間ぐらい旅館に修行に行って覚えてきたらしい。
 ばあちゃんのお店には料理の鉄人がお忍びでピラフを食べにきてたりもした。コロッケ・つみれ・ラーメン・パフェなんでもメニューにあったので、めちゃくちゃ忙しい割に儲かって無かったと思う。
 ばあちゃんは本当に美食家で、家は貧乏だったのけど私に美味いものを沢山食べさせてくれた。今でも私の味覚はどこに出しても恥ずかしくないと思っている。ばあちゃんのご飯また食べたいな。

 そんなこんなでパッと思いついたばあちゃんの良さを書いてみたのだが、また思いついたら追加していこうと思う。憎まれっ子世に憚るみたいな人で、一緒にいるとムカつくことばっかりだったけど、面白くてかっこよかったな~。

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