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#6 誰に依頼する?

初めて目次機能を使ってみました。


改修工事は?【音楽活動ブログ"MIDORismo"から一部抜粋】

母屋改修を決意した2022年3月の帰省時、先祖から相続した山の管理の相談のため、庄原市内にある株式会社FOREST WORKERさんの事務所を訪問しました。

社長の田村さんのご実家の納屋を改築された事務所に入ると、無垢材の床がとても心地よくて、突っ伏して床にほっぺをスリスリしたくなりました。

早速、改築を依頼された工務店を訊ねてみました。

「奥田工務店さんにご指南いただいて自分達でやりました。一棟貸しの古民家宿・長者屋も手がけられた工務店さんです。奥田さんは古民家を大事にしたいという熱い想いをもった素晴らしいかたですよ。」

私の感度抜群の「魅力的な人キャッチセンサー」が即座に反応しました。
次回帰省する時は奥田さんという方に必ず会いに行こうと心に決めました。

4か月後の7月、親戚の法事で広島に帰省することになり、田村さんにお願いして奥田さんを紹介してもらいました。
幸いスケジュールが合い、奥田さんにうちの母屋まで来て頂けることになりました。
さらにその前日には「長者屋」も見学させていただけることに。
その時の模様は以下の記事に記録しています(一部前述の内容と重複しています)。

奥田さんに母屋の状態を確認していただくと…

「今まさに、自然に還るか、それとも家として存続するかの瀬戸際にあります。今なら何とかまだ間に合うかもしれない。」

待ったなしの状態でした。

「どういう形でどこまでお願いできるか今はまだわかりませんが必ず方法をみつけます。お力を貸していただけないでしょうか。」

そうお願いすると、奥田さんは「古民家を守りたい」という私の想いをしっかりと受け止めてくださり、

「みどりさんが諦めるまで私も付き合いましょう。」と言ってくださいました。

奥田さんはご先祖様が空から導いてくださったエンジェルだと思いました。

設計・デザインは?

予算を考えなくてよければ、ドイツ人建築家のカール・ベンクスさんにお願いしたいと思っていました。

カール・ベンクスさんにお願いしたいと思った理由 その①

洋と和、それぞれの良さをうまく融合し調和される建築家さんだと思ったからです。
私は海外在住経験を通して日本の住宅の良い面と悪い面を考察してきました。
カール・ベンクスさんの過去の作品を拝見していて、この方なら私の希望以上の、想像もできないような素晴らしい再生をして頂けるに違いないと思いました。

カール・ベンクスさんにお願いしたいと思った理由 その②

NHKのEテレで見た番組でカール・ベンクスさんの生い立ちを知りました。
お父様はカールさんが生まれる2か月前に旧ソ連で戦死されたそうです。
東西ドイツが分断され「ベルリンの壁」が築き上げられた時、カールさんは川を泳いで命がけで東から西に渡ったそうです。

私の亡父も子どもの頃戦争で亡祖父が亡くなりました。
私は、大学のゼミで国際関係論を専攻し、軍事政権の歴史を持つアルゼンチン現代史を学ぶためアルゼンチンに留学しました。テーマは「政治的抑圧下で自分はどう行動するか」でした。
カールさんのパートナーのティナさんはアルゼンチン出身の方です。
テレビで拝見するティナさんはとてもチャーミングな女性です。
カールさんの人生やカールさんを取り巻く人々に興味を抱きました。

カール・ベンクスさんにお願いしたいと思った理由 その③

カールさんがお住いの新潟県十日町市という土地です。

建築からかなり話はそれますが…

ちょうど20年前頃だったかな。
まだ娘が生まれる前、1年間、着物の着付けを習ったことがありました。
姉や親戚は振袖や訪問着を親に作ってもらっていましたが、私は奨学生といえど海外に留学させてもらい親の脛を相当かじっていましたので遠慮しました。
しかし、着物にはとても興味がありました。
海外にいる時、日本人なのに着物を自分で着れないのは恥ずかしいと感じ、帰国したら習おうと思っていました。

着付けを習い出してから半年は過ぎていた頃でしょうか。
ある日、横断歩道を渡っているとき、車にはねられるという事故に遭いました。100%ドライバーの過失でした。
後頭部を強打したため救急車で搬送されました。
幸い、入院するほどの大けがにはいたらず、その日のうちに退院しました。
しかし、咄嗟に手をついたときに親指の付け根付近にある舟状骨にひびがはいり、半年間通院しました。

交通事故は初めての経験でしたので、知らないことだらけでした。
被害者には通院の日数に従って保険金が支払われることもその時初めて知りました。
時同じくして、着付け教室で着物の販売会が開かれました。
すぐに絞りの着物に目が留まり、3Dのように浮き上がって見えました。
新潟県十日町産の絞りでした。
運命的なものを感じました。
思いがけず保険金が支払われたタイミングと重なったことと何か意味があるのだろうと思い、着物を新調することにしました。

娘の七五三のお宮参りの時初めて袖を通しました。

娘の着物も絞りをセレクト

以来十日町という土地にずっと興味をもってきました。
説明が長くなりました💦

で、結局誰に頼む?

ここまで書くと、当然カール・ベンクスさんにお願いしたのだろうと思われることでしょう。
現実は厳しいものです。
やはりどう逆立ちしても無理だと早々に気づきました。
ではなぜカール・ベンクスさんへの想いをここまで綴ったかというと、これにはまた別の理由があります。おそらく開業前には書けると思いますのでお楽しみに!

色々考えて、奥田さんとも話を進めていくうちに、今回は「設計士に頼らずに二人でやりましょう」ということになりました。

15年前、茅ヶ崎の自宅を建てる時は古民家移築再生を専門に手掛ける設計事務所に依頼しました。
もうご存知のかたが殆どだとは思いますが、拙宅は山形県鶴岡市にあった明治時代の蔵を移築再生し、再生に必要な家づくりの一連の流れを把握しました。構造計算や細かい設計図は作れませんが、家の構造を学び、間取りやデザイン、仕様などを研究して、私の希望がほぼ全て採用されました。

奥田さんの経験と技術、そして、私の家づくりの体験とこれまでのキャリアで培ったセンスと事務監理能力を融合させて、OMOYA改修プロジェクトを進めることになりました。

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