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雑誌の世界観をリアルで表現するインテリア雑誌。オフラインでの顧客体験を最大化し、オンライ上での購買へと繋げる為、部屋を丸ごと作り込む|Domino Magazine

【一言で言うと】インテリア雑誌で紹介された家具・内装をそのままショールーム化。オフラインで実物を確認し、オンライン上での購入へと繋げるアメリカのインテリア雑誌。

基本情報

展開する国:アメリカ
設立:2005年
ジャンル:雑誌

なにが特徴か

アメリカのインテリア雑誌であるDomino Magazineが、ニューヨークの高級マンションの部屋を若いデザイナーに「ハイジャック」させる企画を実施。それがマンハッタンに出現した「ショップハウス」だった。

1.インテリア雑誌が始めて企画した驚きの「ショップハウス」

Domino Magazineは「スタイリッシュな生活と家のためのガイド」として、アメリカに本社のある、VOGUEやGQを擁する出版企業Condé Nast Publications(コンデナスト・パブリケーションズ)が2005年に創刊した。

2009年に休刊となったDomino MagazineはDomino Media Groupとして2013年に復活。単なる紙媒体の雑誌ではなく(紙の雑誌は季刊)、デジタルメディアとしても配信、さらにはネット通販も展開するようになった。2018年に出版社Multiplyに買収された後は、テーマをエンタメ、旅行、健康、ウェディングにも広げつつある。

そんなDomino Magazineが2015年3月末から9月末までの半年間、ニューヨークのファイナンシャル・ディストリクトで「ショップハウス」をオープン。同誌としては初めての企画だった。高級マンションの4つの部屋を、4名の新進気鋭のインテリア・デザイナーが1人1室好きなように内装をデザインした。

2.実物を見て、紙の雑誌を見て、買うのはオンライン

この「ショップハウス」は高級マンション47階にあった。そこからの眺めも絶景だが、注目はもちろん内装である。デザイナーと家具の販売業者をペアにして、一人のデザイナーは特定の家具業者の家具しか使えないという縛りをかけた。家具業者は自分たちの商品を斬新な形で提示してもらえ、デザイナーは才能を発揮する機会を得るというわけだ。

観覧者が特定の家具が気に入った場合には家具のQRコードをスキャンし、Domino Magazineのオンラインサイトから、または当該家具業者のオンラインサイトから購入する。4つの部屋とそこにある家具たちはそれぞれDomino Magazineのサイトで紹介され、それぞれの担当家具会社へのリンクもあり、また紙媒体のDomino Magazineでも特集されていた。実物を見て、紙の雑誌も眺めながらスマホを操作してのショッピングという形だ。

また部屋を気に入った観覧者がいた場合には、このマンションを管理する不動産会社Douglas Ellimanを紹介する。

「ショップハウス」の企画は「もしこうだったら面白いはず」という自由な発想で考えられたものだという。
ネット時代でも家具を買う時は実物を見たい、それもできれば店舗に陳列されているのではなく、まるで人が住んでいるような部屋に置かれた状態がいい。そんな声に応えつつ、購入はオンラインとすることで顧客体験を最重視していると言えるだろう。

ドミノ2

Photo by Brandon Jacoby (Unsplash)

Banner Photo by Christopher Jolly (Unsplash)

参考


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