ECでの家具販売に特化した施策で新顧客体験を提供。Amazonに対抗する米国最大の家具特化EC企業|Wayfair
【一言で言うと】ARや画像検索技術を駆使した先進的な顧客体験を提供する家具EC
基本情報
主に展開する国:アメリカ
設立:2002年
店舗数:2店舗(内1店舗はアウトレットストア)
ジャンル:家具
売上高:約68億ドル(2018年期)
なにが特徴か
Wayfairはアメリカのマサチューセッツ州に本社を構える大手家具EC企業であり、ニューヨーク証券取引所にも上場を果たし、現在ではカナダ、ドイツ、アイルランド、イギリスなどにもオンライン事業を展開している。1万社以上のサプライヤーから調達した1,400万点の幅広い品揃えを武器に、Wayfairは自社のメインサイトを中核として合計5つのオンラインストアで家具やホームアプライアンス商品を販売する。近年では、Amazonやウォルマートといった大手企業がプライベートブランドを立ち上げて追い上げを図っているが、依然として業界をリードする存在であることには変わりはない。
早くからオンラインでの販売戦略に取り組んでいるWayfairは、物流コストを最適化して収益性の向上を試みると同時に、モバイルアプリケーションを活用した新しいマーケティングにも着手している。
1. ARアプリで商品を視覚化
これまで家具ECではルームコーディネートが難しい、サイズや色が伝わりにくいという課題が存在したが、Wayfairはテクノロジーを駆使してそれを克服しようとしている。2018年にGoogleから発表されたAR Coreと呼ばれるAndroid向けのARアプリ開発キットがリリースされたことを受け、Wayfairはスマホを活用したARソリューションの提供を開始した。このアプリを利用すれば、ユーザーはカメラを通じて任意の商品を部屋に配置した様子を確認することができる。配置場所はもちろんのこと、色や方向なども自由に選択できるため、納得いくまでルームコーディネートを試すことが可能だ。
Android OS向けのARアプリケーション/Photo by Wayfair Blog
これに加えてWayfairは、ARヘッドセットのMagic Leap One向けにも、同様のソリューションを提供しており、擬似的な3D空間での商品の展示を実現した。オンライン販売を主とするWayfairにとっては、この顧客体験が大きな強みとなっている。
2. 潜在的なニーズを満たす画像検索機能
膨大な数の商品を取り扱うWayfairだが、ユーザーの検索を助けると同時に、潜在的な需要を満たすためにAIの画像認識技術を基礎とする画像検索機能も自社のオンラインストアに実装している。この画像検索機能は、ユーザーが現実世界で撮影、または、他のウェブサイトやSNSから取得した画像に類似する商品をストア内から提案することができる。これにより、Wayfairは言語化できないニーズにも効率的に対応できるようになった。
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参考
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