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米老舗スーパーの急速なテクノロジー投資。将来は自動運転車で宅配も | Kroger

【一言で言うと】オンライン上での新たなアプローチを武器にアマゾンやウォルマートに対抗する大手スーパーマーケット

基本情報

主に展開する国:アメリカ
設立:1883年
店舗数:2760店舗(2019年9月時点)
ジャンル:スーパーマーケット
売上高:1212億ドル(2018年度)

なにが特徴か

Krogerはアメリカで展開する小売業売上世界3位のスーパーマーケットだ。しかし、他の有店舗事業者と同じく、アマゾンの脅威に晒されてきた。そこで近年マイクロソフトやNuro(自動運転関連新興企業)などと協力して、テクノロジーによって事業を更新・拡大している。さらに、料理キット(ミールキット)業者のHOME CHEF(ホームシェフ)を買収し、スーパーマーケットでの買い物の仕方をより進化させようとしている。


Krogerはアマゾンやウォルマートに対抗すべく、Kroger Grocery Pickup(店頭受け取りサービス)、HOME CHEF(料理キット販売サービス)、Scan, Bag, Go(セルフスキャニング端末)やKroger Ship(宅配サービス) など、スーパーマーケットとしての新たなアプローチで事業展開を行っている。

1. Kroger Grocery Pickup : 店頭受け取りサービス

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駐車場まで商品を持ってきてもらえる(Photo by: Kroger)

Kroger Grocery Pickupはオンラインで注文した商品が店頭で受け取れるサービスで1回あたり4. 95米ドルの注文手数料がかかる。Kroger Grocery Pickupは宅配サービスであるKroger Shipでは対応できない生鮮食品を対象とし、2019年時点では1685ものの米国店舗で商品の受け取りが可能である。

2. HOME CHEF

HOME CHEFはいわゆるミールキットと呼ばれるもので、ある程度加工された素材を元に簡単に料理が完成するキットを販売している。オンラインではサブスクリプションの申し込みを行うことができ、一回の食事の量と週のうち何食をHOME CHEFにするかを選択した上で注文する。

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ステーキ、パスタ、ハンバーガーまで様々な料理に対応(Photo by: Kroger)

3. Scan, Bag, Go : セルフスキャンによる商品情報の閲覧と決済

Scan, Bag, Goは、店頭にあるバーコードをスマートフォンや専用の機械でスキャンすると、紙のタグに代わって、製品の価格、お得なプロモーション情報、栄養情報を確認する事が可能だ。さらに、Scan, Bag, Goはスキャンした商品をレジで決済できる事ができる。レジ決済システムにおいては、アマゾンが開発しているAmazon Go(レジ無し決済システム)が先行する形となる。

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店内に専用の機器が設置されている(Photo by: Kroger)

4. Kroger Ship : 宅配サービス

宅配サービスのKroger Shipは加工食品や家庭用品、消耗品などが対象だ。35米ドル以上の購入で送料が無料になる。将来的にはNuroとの提携で配達を自動運転車による食料品配達を目指し、テスト配送をすでにアリゾナ州で実施している。

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無人で配送を行う専用車両(Photo by: Kroger)

Krogerは、これらのサービスを通じ、流通・小売業界の人手不足解消や、店舗や配送などにまつわるデジタル化により、顧客の詳細なデータを収集、プロモーションや商品開発への活用を目指している。具体的にはMicrosoftと共同で小売に関するテクノロジーソリューション開発を行なっており、Retail as a Serviceとして他の小売事業者に対するBtoB事業や、メーカー向けにデジタル棚への広告掲出で収益を上げる試みを行なっている。

Banner Photo by NeONBRAND (Unsplash)

関連ニュース

大日本印刷が米国流通・小売り大手のKrogerとデジタルサイネージの日本展開へ共同研究
https://webtan.impress.co.jp/n/2019/03/05/32033

スーパーマーケットも変える、 Amazon 時代の最新動向:「Amazon Goに感謝したいくらいだ」
https://digiday.jp/brands/amazon-age-transforming-grocery-store/

参考

Kroger:https://www.kroger.com/


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