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顔認証で書籍の決済・レコメンド。アリババの協力で書店はどう変わるのか | 博庫書城

【一言で言うと】アリババグループのT-Mallが協力した中国国内最大のスマート書店

基本情報

主に展開する国:中国
設立:2003年11月
店舗数:4店舗(2019年時点)
ジャンル:書店
売上高:非公開

なにが特徴か

中国大手のネット書店である博庫書城(ボークゥー)は、先駆的な実店舗を運営している。杭州の市内中心部にある天目山路店で、2012年にオープンし、500㎡の面積で約4万種類の専門書を揃えている大型書店だ。この天目山路店が2018年11月に、アリババグループのモールサイト天猫(T-Mall)と提携して、スマート書店へと生まれ変わった。買い物客はQRコードを使って入店し、店内で買いたい本を選んだら、出口で顔認証による自動決済ができる仕組みが特徴だ。

1. 顔認証による自動決済

大きく目を引くのは、レジを通さない顔認証による自動決済だろう。この天目山路店では、買い物客は入店時にAlipayアカウントあるいはT-MallアプリのQRコードをスキャンして入店する。この時点で、すでに登録してある顔情報と入店者が紐づく。顔を登録していない場合でも、Alipay上で短時間で登録が可能だ。

気に入った本が見つかったら、本を持ったまま出口に設置されているゲート付近に1秒間ほど立つと決済が完了する。仕組みとしては、本に貼り付けられたRFIDタグがゲートのRFIDリーダーで自動的に読み取られることで、本の種類が特定される。同時に、センサーカメラで顔認証が行われる。認証に成功すると口座から料金が自動決済されるものだ。

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出口で立ち止まれば決済終了/Photo by 浙江新聞

入店時にはスマートフォンが必要になるが、決済時はスマートフォンが不要で、両手が本でいっぱいになっていても簡単に決済できる。

2. スマートショッピングガイド

また、店内では、本棚の横に液晶画面によるスマートショッピングガイドが設置されている。この画面の前に本を置きバーコードを読み込ませると、本の紹介文が表示される。また、関連した本がリストされるので、他の本を探すことも可能だ。


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本棚に設置されたスマートショッピングガイド/Photo by 浙江新聞

さらに、T-Mallアカウントと連動させることにより、T-Mallでの過去の購入記録に基づき、AIがおすすめの本をガイドしてくれるサービスもある。ビッグデータが活用されており、行動検知などから、買い物客がどのような行動をとり、どの本を買うかなどが追跡されている。これにより、来店するごとにより正確なおすすめの本が表示されることになる。

Banner Photo by 浙江新聞

関連ニュース

動画:顔認証で入店、「新小売+」無人書店が上海でオープン|AFP BB NEWS
https://www.afpbb.com/articles/-/3173404

参考

博庫書城オンラインストア:https://www.bookuu.com

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