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ガリレオ君とガリガリ君の流れ星論争

 漫才構文講座(7月度)のお題は「七夕」「海の家」「修学旅行」「夏休み」ということだが、全般的に夏をイメージして作ってみた。
 ここのところ「屁理屈漫才」に邁進している。今回の屁理屈ぶりは科学に、そして歴史に、さらに常識に喰い込んでいく。

A:天の川がきれいだね、ガリガリ君!
B:いや、僕はガリレオ君だ。ガリガリ君じゃない。
A:ごめんごめん。名前が似てるから間違えちゃった。
B:夏だからって、いっしょにしないでくれよ。
A:ところで、君は太陽がどっちの方角から昇るか、知ってる?
B:そりゃぁ知ってるさ。太陽は東から昇るね。
A:あれっ? おかしいなぁ。「太陽は動かない」ってのがガリガリ君の主張じゃなかったっけ?
B:ガリガリ君じゃない!
A:あっ、ごめんごめん、ガリレオ君だったね。じゃぁ君は「太陽がどっちの方角に沈むか」知ってる?
B:そりゃぁ西だ・・・あれっ? いや、太陽は本当は動かないんだけど、東から昇るフリをして、西に沈むフリをしてるんだな、ふむふむ。
A:フリ? 太陽がフリするの? ホントかなぁ。ガリガリ君、ホントに分かってるのかなぁ。。。
B:おい、いい加減にしろ。僕はガリレオ君だ。てか、君がガリガリ君なんじゃないの。半ズボン姿に、かき氷持って。
A:あっ、これな。そっか、僕がガリガリ君か。。。
B(ガリレオ君):もー、しっかりしてくれよ。
A(ガリガリ君):で、太陽は東から昇るの? 動かないの? どっち?

B:ちょっと手をかして。(2人が手をつないでグルグル回る) いまガリガリ君が僕の周りを回ったよね。
A:えっ? ガリレオ君が僕の周りを回ったよ。
B:君はなんてジコチュウなんだ。そう、それが天動説なんだよ。「自分は動いてない。相手が動いた」と言い張るの。
A:えっ、ちょっと待ってよ! それはガリレオ君も同じでしょ。お互いに「自分から見れば、相手が動いたように見える」という、そういうことなんじゃないの?
B:チッチッ、そうじゃないんだよなぁ。ガリガリ君も地動説を勉強した方が良いね。
A:それって地球から見ると「太陽が回っている」ように見えて、太陽から見ると「地球が回っている」ように見えるという、そういう話でしょ。
B:はい、残念でした。バツ! 0点!
A:そうやって一方的に押し付けるのって、学校の先生みたいでイヤだな。
B:イヤだろうがなんだろうが、ダメなものはダメ、正しいものは正しい。
A:ところでガリレオ君は、太陽の上から地球の動きを見たことがあるの?
B:あっ、そういえば … ない。
A:なのにどうして太陽から地球を見ることにこだわるの?
B:それはね … 、あれっ? えぇっと、どうしてなんだろ?
A:「地球が太陽の周りを回る」と言うと何か良いことでもあるの?
B:いや、あの、その。。。 (なんだか宗教裁判のときみたいになってきたな)← つぶやく
A:ガリレオ君、ごまかしてない?
B:はぁ (それでも地球は回っている…)← 強めにつぶやく

A:さて、地球が動いているのか、太陽が動いているのか、どっちなんだろ?
         (2人で一緒に上を見る)
B:あっ、流れ星だ!
A:もしかして、流れ星は流れずに止まっていて、太陽と地球が動いているから、そう見えているだけなのかも。。。
B:そうだ、きっとそうに違いない!
A:これが、宇宙のロマン。。。
B(ガリレオ君):コペルニクス君にも教えてあげよう!
A(ガリガリ君):シャーベットちゃんにも!
B(ガリレオ君):誰? それ?
A&B:(いっしょに)ありがとうございましたぁ。

 どうだ!?

◇      ◇      ◇

〜 言葉の魔術師、理屈の手品師、視点の道化師 〜
▷ お題はバレンタインデーです    
▷ かぐや姫の婚活事情        
▷ 「がんばりたいと思います」の構造 
▷ ガリレオ君とガリガリ君の流れ星論争

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