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哲学対話・シーズン2、はじまる


試運転

参加者3名 4/11(木)15:15〜16:15

 前年度、私が中学3年を担当して、クラスの何人かと 哲学対話 なるものを始めた。新年度になって、中学3年生だったメンバーは高校1年になって、でも私はその学年の授業を持たないことになって、お互いに連絡をとりにくくなった。
 「さて、どうしたものやら?」と思いながら、その状態をそのまま彼らに投げかけた。次の文面を10枚ほどコピーして、校内でメンバーの一人とすれ違った際に「みんなに知らせてくれぇぃ」と手渡した。

哲学対話 4/11(木)15:15〜
     いつもの場所で
テーマ「これからのやり方を対話する
  ⚪︎ 哲学対話を続けるのかやめるのか?
  ⚪︎ 連絡手段をどうするか?
  ⚪︎ MC
          

 新学期が始まったばかりで、授業が始まった初日だったから、生徒たちも私もバタバタしている。クラス替えもあったから誰がどこのクラスになったかもよく分からない。だから、連絡が届かなかった人もいるだろう。
 「早すぎるか?」と思わなくもなかったが、時間を置くと自然消滅しかねない状況でもあったので、試運転のつもりで何はともあれやってみた。
 集まった生徒は2名。私と合わせて3人で話し始めた。

  • 哲学対話を続けるのかやめるのか?
     集まった2人は、続ける意思があるから来てくれたわけだ。その流れで、「続けよう」という方向で話が進む。

  • 連絡手段をどうするか?
     とりあえず3人で LINE グループを組んだ。無闇に人数を増やすつもりは無いが、継続して参加してくれそうな人を誘うことにした。

  • MC
     これまでは私が事実上のMCを務めてきたが、「いろんな人にMCをやってもらうのはどうだろう?」と、私が2人に振ってみた。

 こんな感じで始めたが、小一時間話を進めるうちに、それなりの方向性が見えてきた。その内容は、

  • LINE グループのメンバーがもう少し増えるのを待つ。

  • 1週間後を目安に、今日と同じテーマでもう一度やる。

  • LINE グループに友達を誘うのは、私以外の2人にお任せ。

  • 次回のMCならびに LINE グループへの連絡は私が務める。

 こうしてとりあえず試運転、開始。はじまりはこれくらいあやふやがちょうど良い。(?)

これからのやり方を対話する

参加者4〜6名 4/18(木)15:30〜16:40

 前回の試運転を経て、LINE グループが立ち上がって、「哲学対話の会」という名前の十数名のグループが出来た。4/16(火)に私が投稿した。

4/18(木)15:30〜やりましょう。
テーマ「これからのやり方について対話する
  ▷ 続けるのか、やめるのか?
  ▷ どのように?
    ▷ MCどうする? 頻度・曜日は?
  ▷ 新しい舞台?
    ▷ 文化祭とか、文芸同好会とか
  ▷ 今後話したいテーマ
  ▷  (その他?)
いつもの場所で、1時間ほど。

 まず一番大事なこととして「これからも哲学対話を続けよう」ということになった。頻度は、週1回くらいのペースでやり始めれば、定期試験前・試験中などを除いて、実際には2週間に1回くらいのペースになりそうで、それくらいが丁度いい。
 話の途中で「文芸同好会設立の動きはどうなってるんだ?」の話題が盛り上がったり、次回のテーマ案を考えながら「人工知能AIが広がって未来社会はどうなるのか?」についての対話がいつも間にか始まったり。
 そんな中で次回のやり方が決まって1時間でお開きとなった。

  • メンバーの1人がMCを引き受けて、

  • LINE でテーマ案を募って、投票して多数決で決めて、

  • MCが当日の司会・進行もやる。

 こうして哲学対話・シーズン2が始まった。

推し・推す

参加者5名 4/25(木)15:30〜16:55

 今回は私以外の人がMCを務めてくれた。初めに LINE に次の3つのテーマ案を示し、さらに他の案を募った。結果として他の案が出てこなかったので、次の3つの中で投票した。

  • これからの世界でAIはどうなるか?

  • 未来世界とはどんなものか?

  • 推しについて

 その結果、3つ目の「推し」に決定! そのテーマで話をすることになった。
 実はこの案、前回の対話で私が提案したものだった。前年度のテーマはいつも「最後にはてなマーク(?)をつけて、疑問形に」していたのだが、そろそろその縛りを外しても良い頃だと考えて、例として挙げたものだ。
 「推し」とか「推す」とか、そんな言葉に込められた想いやそこから受ける響きや、その言葉を使う場面などをいろいろ挙げていけば、何かが見えそうだ。何はともあれ、それについて話をすることに落ち着いた。

  • どんな場面で使う?

  • 他の言葉で言い換えると?

  • そこに込めた想い

  • そこから受ける響き

 15:30開始の予定だったが、私自身がすぐには参加できなかったが、すでにMCを決めていただけあって、彼を中心に進めてもらった。20分ほど遅れて私が合流して、そこからさらに1時間ほど話が続いた。

 私の視点で今日の話をまとめてみた(私にはそれしか出来ないので、悪しからず)。

  • 「◯◯が好き」という自分の属性を他人に見せるために「推し」という表現をすることが実は多い。身近な人に対しての自己表示、アクセサリーみたいなもの。

  • もともと推薦する(recommend)という意味での「推す」だが、押す(push)というニュアンスも含まれている。その他、「応援する」、「他人と共有する」ための推し方もある。

  • 「推し」という言葉は、もともと「アイドル推し」のような狭い意味で使われていたが、次第に広い意味で使われるようになってきて、今では種類が多くてジャンル分けも難しい。

 次回はGW明けの2週間後に、今回MCを務めてくれた人がもう一度やってくれることになった。こういう役回りはうまくやるのが良いとは限らない。むしろ失敗する方がみんなが安心して参加できるということもある。「丁度良いくらいのポンコツだ」みたいなことを本人が言っていた。

哲学対話の心掛け

 今日の対話で考えたことをもう少々。今日のテーマで、発言の多くを「一般論の解説・解釈」に充てるのは適当でない。多様で曖昧でいろんな場面で使われる言葉だから、いくらでも話が続くし、場合によっては批判的な発言も増えそうなテーマ(推し)である。
 では、発言者は何を話すべきか。私は「自己開示」を期待します。自分の「想い」や自分の中にある「推す感覚」など。対話から生まれる新しい視点や発見はそこにある。
 また、人の話を聞くときは「その人のことを知ろう」という想いで話を聞いてください。くれぐれも「自分の尺度」で相手の話を聞くことの無いように。前者の聞き方は「相手を受け入れる」ことに、後者の聞き方は「相手にダメ出しする」ことに繋がる。


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