スサノオ と ヤマタノオロチ と クシナダヒメ
アンパンマン・ワールドは八百万の神の国であり、アンパンマンの仲間たちはみんな神なのです。古事記ワールドとアンパンマン・ワールドがいかにシンクロしているか、これからお見せしましょう。
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スサノオは、その名の通り、荒(すさ)んだ男。心が荒み、行いが荒み、きっと見た目も荒んでいたことでしょう。
ヤマタノオロチが好きなのは、女と酒。女に狂い、酒に溺れて、身を滅ぼした。なんともわかりやすい話ですね。
こうして見ると、スサノオとヤマタノオロチは似た者同士。ヤバさ加減はどっちもどっち。そんな人がいたら、近づかない方がいい。近づくと、きっと面倒なことになる。そういう輩です。
さて、スサノオ が ロールパンナ なら、ヤマタノオロチは誰でしょう? ロールパンナに近い存在というと、一人はメロンパンナ。けれども、メロンパンナのキャラはヤマタノオロチのそれとは明らかに違います。
メロンパンナはお色気キャラ。必殺技「メロンパンナのメロメロパンチ」がそれを物語っています。それを喰らったばいきんまんは、メロンパンナちゃんにメロメロになってしまいます。
こうしてヤマタノオロチは誰かという問題が振り出しに戻ってしまったのですが、ロールパンナに近い存在がもう一人います。ばいきんまんです。では、ヤマタノオロチはばいきんまんでしょうか? そう考えると、確かに似ています。ダダンダンに乗って暴れ回るときの破壊力は、ヤマタノオロチ級と言えそうです。その線で考察を続けましょう。
でも、そうすると今度はメロンパンナが宙に浮きます。メロンパンナはロールパンナの妹だから、スサノオとヤマタノオロチの物語に登場しない訳がない。そう考えたときに思い至るのは、クシナダヒメ(櫛名田比売)です。ヤマタノオロチに喰われそうになって、スサノオが危機一髪で助けた、若くてきれいな娘です。
さて、ここに至って、すべてがしっくりきました。すなわち「ばいきんまんの仲間だったロールパンナ。このときロールパンナの胸には青いハートが光っていた。けれどもメロンパンナがばいきんまんに襲われそうになって、ロールパンナはばいきんまんをやっつけて、メロンパンナを助けた。このときロールパンナの胸のハートは赤く光っていた」、そういう物語だと受け取ったらどうでしょうか。
暴れ回るロールパンナ(青いハート)は、アマテラスの宮殿でうんこをぶちまけたときのスサノオと同じ。ばいきんまんをやっつけて妹のメロンパンナを助けるときのロールパンナ(赤いハート)は、ヤマタノオロチをやっつけてクシナダヒメを助けたときのスサノオと同じ。そういう構図です。
とはいえ、スサノオとヤマタノオロチはもともと似た者同士。ロールパンナとばいきんまんの関係と同じです。ロールパンナとばいきんまんはこれからもしばしば一緒に行動するでしょう。青いハートと赤いハートはこれからもどちらも点滅するからです。
クシナダヒメとメロンパンナはどちらもかわいくてか弱い女の子。クシナダヒメがお色気キャラだったという記述は古事記には見当たりませんが、櫛の姿でスサノオの髪に隠れている最中に、ヤマタノオロチに向かってメロメロパンチみたいなものを、もしかしたら繰り出していたかもしれないのです。女好きなヤマタノオロチのことだから、それにかまけているうちにスサノオにやられてしまったという、そんな裏話もありそうなことです。
スサノオとクシナダヒメはこの事件の後、結婚しました。ロールパンナとメロンパンナはもともと姉妹です。事情は多少違いますが、それぞれが家族であるという点では一致しています。こうして見ると、古事記世界とアンパンマン・ワールドは見事にシンクロしているのです。
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