シルクロード新幹線
2017年春、中国西北部を旅行した。当初は西安と敦煌を飛行機でつないで、その2カ所に行くプランを立てて、フライトを予約した。西安の兵馬俑と敦煌の莫高窟を訪れる、いわばシルクロード方面のゴールデン・ルートだ。
ところが、急きょ敦煌空港で改修工事が始まって、敦煌空港が閉鎖されることになって、予定を一から組み替えた。そして結果的に飛行機で西寧に入って「西寧-張掖-嘉峪関」を中国の新幹線でつないで、嘉峪関から出ることにした。
中国の甘粛省・蘭州と新疆ウイグル自治区・ウルムチとの間を新幹線が走っている。仮に「シルクロード新幹線」と呼ぼう。上は各都市間の所要時間である。敦煌は新幹線のルートから外れているため、在来線の所要時間である。西安と蘭州の間に新幹線を通す計画はあるらしいが、まだ完成していないので、これも在来線の所要時間である。
結果的に、とても良かった。西寧のタール寺、張掖の丹霞地質公園と馬蹄寺石窟、嘉峪関の万里の長城とその西の端。知名度からすると西安・敦煌と比べてB級観光っぽいが、みんなとはちょっと違う感じがむしろいい。
丹霞地質公園
中国シルクロード、河西回廊の中程にある張掖の町から40kmほどの所にある丹霞地質公園。
継続的な地殻変動と浸食作用によるものだろうけれど、ここまで地層がくっきりと鮮やかに見える場所は他にはあまりない。朝夕にはもっとくっきり鮮やかに見えるそうで、次に来るときは時間を選んで来たい。
馬蹄寺石窟
中国シルクロード、河西回廊の中程にある張掖の町から60kmほどの所にある馬蹄寺石窟。岩壁をくり抜いて作ったチベット仏教のお寺。岩壁から顔を出した寺院どうしが岩の中でつながっている。
中国に石窟寺院はたくさんあるが、こんな形は他にありそうにない。
嘉峪関
嘉峪関の街は今では空港もあり新幹線も止まる大きな街だが、かつては小さな村だった。昔の関所、嘉峪関と万里の長城を復元し、万里の長城の西の端を見学しやすく整備して、あわせて近くに新しく街を作った。それが嘉峪関の街だ。
計画的に作った街だから、碁盤の目のように道路が伸びていて、しかも区画が広い。だから街中を移動するにもいちいち遠い。
計画的に作った街だからこその特徴がもう一つ。街中に原子力発電所があるのである。何人かの人に筆談(「原子力発电?」)で確認したから間違いないだろう。しかも2ヶ所も。距離にして数kmしか離れていないので、福島第1と福島第2の距離よりずっと近い。だからきっとこの街に電気はふんだんにあるのだろう。
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