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ぼくの故郷はきっと


ぼくのやること なすこと

すべてを愛おしいと言う。


ぼくのやること なすこと

すべてをかわいいと言う。


ぼくの故郷には

その人がいる。


モゴモゴ湧いてくる故郷の記憶から

その人が呼んでいる。


ぼくの故郷はきっと

光だけのセカイ。

赤ちゃんが初めて笑ったときに放つ光

そんな儚く美しい光だけで作られた

光だけのセカイ。


だけど、


光だけのセカイに

光という概念はなく


光だけのセカイに

光は存在しなかった。


光だけのセカイで

光を光だと知る人は

誰もいなかった。



だからぼくはここ(地球)に来た。


光が何なのか知るために

闇を知りに来た。


ぼくのすべてを愛おしいと言うその人の

ぼくのすべてをかわいいと言うその人の

その手が触れた時に

胸に広がるもの。


それが何なのか

それがどういうことなのかを知るために

孤独を知りに来た。


地球に溢れる 否定的なコトバ 暴力的なコトバは

コトバがなんであれ 

故郷のコトバに翻訳すると

「さみしいよ」と言っている。

帰りたいと言っている


ここはさみしくて美しい星。



ぼくが地球で知ったヨゴレを見てその人は

「羨ましい」と言った。

ぼくが地球で知ったケガレを見てその人は

「裏ましい」と言った。


ちっともよくない!


ぼくが怒るのを見てその人はまた

「羨ましい」と微笑んだ。



ここ(地球)にいるときはわからないのさと言った。

遠く離れた時に初めて、わかるのさと言った。


遠く離れた時、なにもわからなくていい。

ただぼくの話を聞いてほしい


地球での社会科見学が終わって

何か一つ故郷に持って帰ることができるとしたら

ぼくはたぶん

孤独を持って帰るから


ぼくの話をいっぱい聞いてほしい。



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