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「おみやげ買わないよ!」

今回は私が出会ったほっこりエピソードをひとつご紹介します。

とある日曜日の昼下がり。
5歳くらいのお嬢様とご両親が、記念撮影を終えて撮影場所から出てこられました。

販売担当の私は、手を挙げてご家族をお呼びします。
「みなさまこちらへどうぞ! 今お撮りいただいた写真でオリジナルフォトカードをお作りしました。こちらを無料でプレゼントしています。はいどうぞ!」
「えっ? もうできたの? 早いねぇ! ありがとう」
「さらに、ご希望のお客様にはオリジナルフォトフレームに入れた2Lサイズの写真をご購入いただけます」
どうぞお手に取ってご覧くださいと、私は仕上がったばかりの写真を台紙に入れてお見せしました。
仕上がりの早さに驚くご家族。
「良い写真ね」「すごい笑ってる!」「背景がこうなるんだ~」「台紙もかわいいね」
皆さま口々に感想を仰っていただきました。

その後、お父様は台紙入りの写真を私に手渡しながら言いました。
「ありがとう、でも今日は写真入りカードももらったことだし、2Lの写真はいらないかな?」
私が受け取ろうとした瞬間、横からお嬢様の手が伸びて写真をサッと取り上げました。

「買ってよ」

どうやらお嬢様には写真を大層気に入っていただけたようです。「欲しい、買って」とご両親へのおねだり攻撃が始まりました。

「ダメだよ」

お母様がぴしゃりと答えます。

しばらくの間「買ってよ」「ダメだよ」の押し問答が繰り広げられましたが、ついにお母様の口から切り札の一言が飛び出しました。

「じゃあわかった。買ってもいいけど、これ買ったらお土産買わないよ! いいね?」

口ごもるお嬢様。お土産を人質にとられ、いつもならお子様が写真を諦める場面です。
ですが今日のお嬢様は違いました。

「いいよ。お土産より写真がいい」

今度はお母様が返答に困る番でした。
「お土産にぬいぐるみ買うって… あんなに欲しがってたのに?」
お父様も目を丸くしています。

「いいの、みんなで撮ったからこれの方がいいの」

と家族写真を大事そうに抱きかかえたお嬢様。

それを聞いたお父さんは、ご満悦な表情でカバンから財布を取り出しました。

「いいよ、ぬいぐるみも買ってあげるよ」

私にとって、胸がキュンとなるほっこりエピソードでした。
こうしたほっこりシーンに出会えるのも、想い出創りのアミーゴならでは。
他の仕事では味わえない素敵な魅力だなと感じています。